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「GT-FORCE」を改造したお話

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みなさん、今年のGWは何して過ごしていましたか・・・って、もう1カ月くらい経ってますがな。このブログが旬を外しまくるのはいつものことなのでご勘弁を。

さて、今年のGWはご存知のとおりコロナで外に出られる状況ではなく(仕事も4月以降在宅、でも通勤しなくていいのは最高。今後ずっとこれていいよもう)、最低限の買い物以外はどうしても家にいることが中心になる。そんな中どう過ごすか・・・ここはやはり定番「家でゲーム」だ。ただし「あつ森」ではないし(そもそも本体ない)、「FF7R」でもない。

●ゲームも古けりゃハンコンも古い

世ズレしてるにもほどがあるが、PC用の古いゲームを引っ張ってきた。「Out Run2 Corst 2 Corst(以降「アウトラン2」)」だ。

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ボータフォンの看板が懐かしい。筆者は視点変更できるクルマゲーは必ずと言っていいほどコクピット視点でプレイするが、このゲームだけは旧作への敬意もあって後方視点にしている。

1986年に登場した名作「アウトラン(セガ)」の続編にあたる。「2」は2003年登場で旧作同様アーケードゲームであり、シミュレータ系とは正反対の、レースというより美しい景色とBGM(「Splash Wave」は何年経っても神曲でしかない)で気持ちよく走り続けるような、ドライブゲーという趣である。「2」では3Dになったものの走行方向は前方に進むしかなく、逆走という概念はない。フェラーリの正式ライセンスを取得しており、自分で運転する車種はすべてフェラーリとなっている。

今回引っ張り出したのはWindows版で、2015年にAmazonで3,500円くらいで購入したものである(現在はプレミアがついている模様)。海外版となるがWindowsなので特にリージョン制限を受けずに遊べる。日本語には対応していないが走るだけのシンプルなゲームだし、そもそも国内のアーケード版の時点で日本語表記はないに等しかったから問題ない。

さて、久々に遊んでみたはいいものの、手持ちのゲームパッド(PS3用のホリパッド)ではいまひとつ楽しめない。ステアリング操作はアナログスティックとはいえ微調整が難しいし、アクセルブレーキはアナログですらない。いくら「非リアル系」なゲームだとしても、やはりクルマゲーにはハンドルコントローラー、いわゆる「ハンコン」が欲しくなってくる。

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そこで、これまた古いがロジクール「GT-FORCE」を押し入れから出してきた。2001年、PS2の「グランツーリスモ3」と同時期に発売されたハンコンで、PS2時代は「グランツーリスモ」シリーズのほか、「首都高バトル」「バトルギア2」「頭文字D」等でも活用していたが、それ以降は長いこと使っていなかった。

この「GT-FORCE」、PS2向けの製品といいながら専用ポートではなくUSBなのでPCにそのまま接続できるし、「WingMan Formula Force GP」というPC向けの同一製品が発売されており、そのドライバをインストールすればPCでも使うことができる(ドライバはVistaまでの対応となっているがそれ以降のWindowsでも問題なく使用可能)。そのため、「アウトラン2」を購入した当時も「GT-FORCE」でプレイしており、5年ぶりにこの組み合わせを引っ張り出してきたことになる。

しかし、今日にいたって「GT-FORCE」を使うには大きな問題があった。

それは、ステアリングのサイドにある青いラバーグリップが経年劣化でベタベタになっており、シンナーのような異臭を放っていたことだ。カーボンラッピングしたりラバースプレーしてみたが全くダメ。ベタベタはともかく臭さだけはマジ無理。お手上げ。とても使えない。

現在はスペックが足りないのでPC買い替えが前提になるが、最近の新しいクルマゲーをやる想定もあるから買い換えも考えた。古すぎる「GT-FORCE」なんていい加減捨てろと。

しかし、ハンコンといってもピンキリで、同じロジクールの「G29」は本格的だけども高いし(PS4が買えてしまうレベル)、フォースフィードバック(FFB)がないものなら10,000円以下の安価なものもあるが、耐久性等が未知数だ。そもそもそこまでガチる気はないし、「GT-FORCE」もラバーグリップが腐っているだけで、操作に関する部分はまったく問題はない状態である。

だったら、「もったいない」精神で活用する方向で考えた。具体的には、「GT-FORCE」のステアリング部分をごっそり交換してしまおうということだ。保証なんてとうの昔に切れてるし、誰かに売却するわけでもない。改造に失敗したことろでダメージは小さく、そうなったら新しいハンコンに買い換えればよいのだと。

結局、GWはこの「GT-FORCE」の改造に費やしたのだった。以降、その改造の行程をレポートする。

●「GT-FORCE」改造

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まずは分解。本体側のカバーを開け、ステアリングの裏にあるネジ(本体カバーを外さないとアクセスできない)をすべて外すと表側の部品を分割できる。

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分解するとラバーグリップが外せる。写真は外した状態で、ベタベタになったラバーグリップがとにかく臭いので一刻も早く廃棄したかった。ラバーグリップは外した際に弾力や柔軟性なくボロボロと崩れていたので、もはや「ラバー」としては死んでいたのかもしれない。

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ステアリングの裏側には2つの基板があり、基板上の黄色い丸型のタクトスイッチがパドルシフト左右に対応。基板裏側にはステアリング表側のボタン4つに対応するタクトスイッチがある。

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パドルシフトボタンはステアリングパーツに切込みが入っていて、プラの弾力で戻るだけのシンプルなもの。十字型の突起が前述のタクトスイッチを押している。

ステアリングのシャフトは中空の筒状になっており、本体のメイン基板から各タクトスイッチへの信号線とGND線が延びている。

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本体側も見てみる。「GT-FORCE」にはFFBの動力となるモーターが見える。センタリングもバネ等ではなく電動であり、基本的にはACアダプタによる給電が必要なハンコンである。

ステアリングシャフトの先端には可変抵抗があり、ゲームへの操舵はこれを回しているだけなので電気的には案外シンプルな印象。

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今回交換するのはAmazonで4,000円くらいで買った、実車用としては格安のステアリング。中古でもよかったが、ヤフオクでも結局それなりの値段がついているし、サイズや形状が条件を満たして4,000円以下で買う手間や時間を考えると、新品でも割に合うと判断した。

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下部が平らになったD型シェイプで、メタリックレッドの樹脂部品が使われている。値段が値段だけにフェイクレザーですらないし、全体的に作りも安っぽい。ステアリングの名門「MOMO」のロゴが入っているものの、どう見ても中華のパチモンです(以下略)という感じ。

自分のクルマだったらこんなクオリティのものは絶対付けないが、今回はゲームのハンコン用。遊び半分に改造するのだと考えればこれで十分だ。

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大きさを比較する。購入したステアリングは32パイ(320mm)で、一般的な乗用車のステアリングは370mmくらいなので相当小さく、一昔前なら車検は通らないサイズである。一方、「GT-FORCE」のステアリングはおおよそ250mmくらいだったので、それと比べると結構大きいといえる。

本格的なハンコンは実車用のステアリング交換に対応しているものもあるが、「GT-FORCE」はほとんどがプラ製の悪く言えばおもちゃの延長で、あまり大掛かりなステアリングは付けられない。現在発売されているハンコンがだいたい280mm程度と考えると、320mmならまあ許容範囲だろう。

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そうと決まればステアリングをこんな感じで切り落とし、センターとスポーク部分だけ残す。

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裏側はこんな感じ。基板はきちんと残せている。

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本体側も同じように切り落とす。スイッチ等が実装されていない下方向のスポークは不要に思えるが、ネジ穴がある関係で残している。格安ステアリングは軽い部類とはいえ、元のプラスチック製よりは相当重い。左右2か所のネジだけでは強度的に不安があった。

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取り付けるとこんな感じ。見事に(?)ステアリングが切り落とされた状態。

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スポーク部は前方に向けて「反り」があるためそのままではステアリングを付けられない。15mmのボススペーサー(1000円くらいだった)で逃げる。

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中心を出すのが難しかったが、位置決めしたらボルトを通すための穴を開ける。中心にもやや大きめの穴を開けた(理由後述)。

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ボススペーサーを介してステアリングを取り付ける。ボルト穴は6つあるが、一番上は「GT-FORCE」側に余裕がなく省略。実車だったら絶対ダメだが今回はゲーム用なので強度的にも問題ないと判断。

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裏側からボルト5箇所をナットで止める。中心に穴をあけたのはステアリングのホーンボタンを活かしたかったから。ゲームによってはホーンが実装されていることがあるので、それに使えるのではないかと。

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いったんステアリングを取り付けてみる。きちんと回せるし、強度的にも問題なさそうだ。

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次はパドルシフトだ。本来は実車のパドルに取り付けるエクステンションパーツ(スバル用)だが、アルミ製でクオリティは悪くなさそうだったので、今回はこれをそのまま「GT-FORCE」のパドルに採用。楽天で1,600円くらいで購入。

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パドルシフトの位置を少し手前側に持ってきたいので、アルミアングル(L字型)を加工してこんな部品を作る。接着は強力両面テープを使用した。見た目が雑だがキニシナイ。

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実車のパドルにフィットさせるためのプラ部品は外し、残ったビス穴を使用して前述のアングルを加工したパーツに穴を開けたうえで取り付ける。

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ステアリングの裏側、パドルシフト部分に穴を開ける。もともとモールドがあったのでそれを基準に2つ開けた。

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アルミアングルに穴をあけ、ステアリングのパドル部分に取り付ける。

アングルでなくてもいいのでは?と思われるかもしれないが、今回はなるべく「家にある余り物」を材料にするようにしている。DIYでいろいろ作っていた関係でアルミや木材の余りがけっこうあり、もったいなかったので。

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裏側はこんな感じ。パドルシフトボタンの根元あたりを4箇所ボルトナット止めしている。

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基板にあるタクトスイッチ横の白いソケットが干渉しそう・・・これは後述の配線時に撤去した。

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最初は上写真のようにそのまま付けたら、パドルボタンのプラに変な力がかかり押せなくなってしまった。そこで、下写真のようにナットをスペーサーにしたら期待通りの動作するようになった。

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前述のパドルを取り付けた。

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ステアリング操作の邪魔にならず、かつ指が十分届く絶妙な位置になった。さすがに実車の「ゴクッ」という感触はないけど、操作感あるストロークは十分確保。タクトスイッチのクリック音も聞こえてきているため、とりあえずパドルシフトの取り付けは問題ないといえるだろう。

ここまでで「車を操作する」インターフェースは実装が終わったが、ゲームではメニュー操作のほか、走行中の視点変更やサイドブレーキなどの操作がある。「GT-FORCE」ではステアリングスポーク部分備わった4つのボタンにその役割があったので、それも再現する必要がある。

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ゲーム用のものではないが、パネル実装型の押しボタンスイッチ(モーメンタリ式、押したときだけON)を必要数分用意し、一方でアクリル板を切り出して、ボタンが通る穴を開けたものを用意。穴あけ時に一回割ってしまったので裏から補強している。補強は取り付け時のスペーサーも兼ねている。

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アクリル板にカーボンラッピングシートを貼りつけ押しボタンを実装。両端の赤ボタン4つは「GT-FORCE」の4ボタンに対応し、その他のボタンはゲームパッドを1つ追加したイメージである。

「追加したゲームパッド」は左の黒4つが十字キー、右のカラフルな4つはトリガーボタン。配色は(なんとなく・・・)スーパーファミコンを意識、中央の白3つはスタートボタン等、ステアリング中央のホーンボタンも追加ゲームパッドの一部になる想定だ。

今回は「アウトラン2」をダシにしているが、PC向けに改造していることもあって他のゲームで使用することも視野に入れている。「GT-FORCE」の4ボタン足りない分はキーボードや別途ゲームパッドを用意すればいいかもしれないが、なるべくステアリング部分で操作できるようにした方が便利であるはず。

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ボタンを実装したパネルをステアリングに取り付け。両端の4ボタンはステアリングを持ったまま操作できる位置になっている。

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各ボタンに電気的な配線を施していく。

左右に残した基板は「GT-FORCE」に4つのあるボタンとパドルシフトLRを受け持つが、今回は後者のみ使用する。4つのボタンは追加したパネルのボタンからリード線を引き込んだ。写真でいうと下側(1列)のピンソケットにそれらを接続。

一方、「追加ゲームパッド」はパネルのボタンから青と緑のリード線(これらもすでに家にあるもので間に合わせたが、色は一応左右で揃えておいた)を引き込み、GND線は各ボタンを被覆のないすずメッキ線で数珠つなぎで結線。ホーンボタンのリード線も含めて上側(2列)のピンソケットに接続。

さて、「GT-FORCE」にある4つのボタンはもともと存在するものだからいいとしても、「追加ゲームパッド」のボタン(上下左右、トリガーボタン×7、ホーンボタン)は「GT-FORCE」のメイン基板で受けることはできない。

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そこで、「追加ゲームパッド」をPCに接続、認識させるために写真の「REVIVE USB MICRO(ビットトレードワン社)」を使用する。

この装置については別途記事を起こす予定なので詳細は避けるが、簡単に言えばボタンの入力信号をUSB変換し、ハンダ付けは必要になるがゲームパッドなどを簡単に作れるマイコンである。12ボタンまで対応し、GND線を接続するだけだ。

サイズは1円玉くらいで非常にコンパクト。写真のようにソケット化してベースのユニバーサル基板に取り付けている。ベース基板はこの後長さを短くした。

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ベース基板に穴を開け、5mmのプラ棒でスペーサーを作成。M4のボルトが通るようにする。

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「GT-FORCE」本体内の任意の場所にM4ボルトが通る穴を開ける(写真中央付近)。

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ベース基板をボルトナットで固定する。ベース基板には必要なリード線(12ボタン信号線+GND線)を基板裏でピンヘッダに結線している。

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リード線をステアリングシャフト(筒状になっている)に通す。今回使用したリード線は割と太目で13本もあるのでシャフトに通るかどうか、通ったとしてもステアリングの動きに干渉しないかが心配だったが特に問題なかった。すでに通っている黒いケーブルはもともと「GT-FORCE」で使用しているものである。

ピンソケットを付けた「REVIVE USB」をベース基板に取り付け、USBケーブル(Micro USB端子に対応)を差し込もうとしたところ・・・ケーブルの根元が本体側の柱に干渉orz

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ベース基板を縦方向にして難を逃れた。本体内の上方はかなり余裕があるのでケーブルも干渉しなかった。リード線は結束バンドでまとめた。

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「GT-FORCE」のメイン基板を元に戻す。本体から外部に出ているケーブルのうち、上が「GT-FORCE」のオリジナル、下が今回追加した「REVIVE USB」からのケーブル。後者は本体ボディの一部を半円状に削って外部に出せるようにした。

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リード線を通したステアリング側はこんな感じに。

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長さをそろえてピンヘッダに取り付ける。上から2つが「追加ゲームパッド」で使用する「REVIVE USB」からのもので、リード線の色はある程度揃えているが特に意味を持たない。というのも、「REVIVE USB」では各信号線をどのボタンに割り当てるかはソフトで設定するため、GND線以外はどのピンに結線してもよいのだ。

一番下が「GT-FORCE」オリジナルのリード線で(太さがまったく違う)。元の白いピンソケットは外して別途ピンヘッダ化した。これらを前述のステアリング側のピンソケットに差し込んで接続することになる。

なお、GND線はそれぞれで分けており、「GT-FORCE」と「追加ゲームパッド」は回路・配線的には完全に独立している。

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ピンヘッダとピンソケットを接続しステアリングをビスで取り付け、ステアリング動作に支障することがないことを確認。これで少なくとも、操作に関する物理的なハードウェアは完成となる。

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「REVIVE USB」の設定ソフトを起動した状態でいよいよPCに接続。事前にテスターで通電確認はしているが、認識してくれるのかどうか緊張する一瞬である。

各ボタンを押すと画面に反応が返ってきた。すべてのボタンが問題なく結線、動作できている証拠でひとまず安心。

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「REVIVE USB」の設定画面。左側を見てのとおり、各ピンに「ジョイパッドのレバー上」みたいに割り当てていく。今回は使わないが、マウスボタンやキーボードのキーを割り当てることもできる。ここで設定した内容は「REVIVE USB」に記憶され、以降はこの設定ソフト無しでも普通にUSBゲームパッドとして動作する。

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Windowsのデバイス一覧を見ると一番右の「Wingman・・・」が「GT-FORCE」、右から3番目の「REVIVE Micro」が「追加ゲームパッド」でそれぞれ認識されている。「GT-FORCE」からのケーブルが2本刺さっている状態である。

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「GT-FORCE」のプロパティ画面でステアリングもペダルも反応することが確認できた。基本的なキャリブレーションもここで行える。別途「追加ゲームパッド」もプロパティで動作を確認できた。

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ようやく本体カバーをかぶせて完成。「GT-FORCE改」が爆誕(?)した。元のステアリングよりも重心がかなり前に来ることになったが特に問題なさそうだ。

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ハンコンだけができてもしょうがない。シートはこれ、フルバケに交換した際に発生したECR33のシートだ。なにせ本物のクルマのシートなわけで、ハンコンと組み合わせるのに申し分ない。

もっとも、今回用意したわけではなくかなり前から自室でPCチェアとして使っているものである。余談だが、模型のレビューする際の撮影は奥にある机の上で行っている。

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シートは回転できるキャスター付きのベースを自作して一般的なPCチェア並みの座面高さになっているため、ペダルをそのまま床に置くとバスやトラックのような「踏みおろす」ようなポジションになってしまうのでイマイチだ。

そこで、自作のキャスター付きベースにする以前、かつてシートが乗っていた金属のパイプフレームにベニヤを付けてペダルを置くようにした。ペダルは特に不具合はなかったので拭き掃除した程度。踏み込んだ際に後方に移動しないようベニヤ側にストッパーは付けたものの、固定はしていない。

これにより、高さを稼いである程度前に足を投げ出す乗用車っぽいポジションにできた。

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デスクに取り付ける。今後導入予定の新パソコンの準備工事とテレワークのため、モニター下がケーブルだらけだ。

「GT-FORCE」にはクランプがあるのでしっかり固定できるが、ステアリングの重さでややガタつきが出たため底面に薄いゴム板を貼ることで解消した。さっそく「アウトラン2」を遊んでみる。

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「アウトラン2」のコントローラー設定画面、「GT-FORCE」がきちんと認識されている。なお、追加ゲームパッドは認識、動作自体は確認はできたものの同時使用はできなかった。ホーンボタンは用意されているが、今回はお預けである。

そもそもシンプルなゲームなので設定項目が少なく、「GT-FORCE」のボタンだけで事足りてしまう。複数コントローラーに対応していない仕様はある意味当然か。なお、このゲームはFFBには対応していない。

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これだけではパッドで遊んでいたとしてもわからないが、「GT-FORCE改」で遊んでいるときのショット。ドリフトしながら「PRTSCN(筆者のキーボードの場合)」キーを押して・・・

このゲームは「リッジレーサー」シリーズと同様、ドリフトに入るとレールの上に乗ったような強烈な補正がかかる。そんな挙動もさることながら、コースによっては遺跡の中を走るとか荒唐無稽なものも。そこをバスも含めた一般車が平然と走っているのはかなりシュールな光景で、このゲームはリアリティよりも「ノリと勢い」なんだなと。

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とりあえずゴールできるくらいに遊べることを確認。練習なしで途中ミスもしてるのでタイムが遅いのは勘弁いただきたい(苦笑)。ミルキーウェイは難しいけど星空がきれいなので好きなのよ。

●最後に

ファミコン時代のようにデジタル操作でゲームデザインされたものではなく、少なくともアーケードの移植や高度なカーシミュレータではなおさら感じられることだと思うが、やはりクルマゲーはハンコンに限ることを再認識した。

今回改造した「GT-FORCE」は左右90度程度しか舵角がなく、昨今のハンコン、特にG29あたりと比べたらショボイし実車感覚とは程遠いのは確かだけども(「アウトラン2」くらいだとちょうどよかったり)、それでもキーボードのやゲームパッドに比べたら何百倍も面白いと断言できる。特に緩いカーブでの舵角保持は本当に楽だし、今回は特に改造しなかったがペダルの微妙な加減ができるのもハンコンならではだ。ドリフト時のカウンターも気持ちいい。

「アウトラン2」のようなアーケードライクで「非リアル」ゲームでもその良さを実感できるのだから、現在の高度なクルマゲーではハンコンはたとえ安価なものでも、もはや必須なんじゃないかと思う。デメリットがあるとすれば場所を取るくらいか(結構大きい問題かもしれないが・・・)。

「GT-FORCE」本来の性能からは無茶させてる感はあるが、もともと捨ててもおかしくないくらいのモノを(少々手間はかかったものの)ここまで復活させることができたのはよかったと思っている。今後の耐久性は未知数だけども、冒頭で書いた通り売るわけでもないし、壊れたらその時はその時だ。PC買い換えたらそのうち他のゲームでも使っていきたい。

トミックス 小田急ロマンスカー7000形「LSE」新塗装 レビュー

2020年1月、トミックスより小田急ロマンスカー7000形「LSE」(新塗装)が発売された。

●98687 小田急ロマンスカー7000形LSE(新塗装)セット 18,700円
(税抜き表示)

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7000形「LSE(Luxury Super Express)」は公式的にはロマンスカー3代目にあたる。「NSE」の1963年から17年ぶりの1980年に登場したが、その後のロマンスカーがおおよそ数年程度で新型が出ていることを考えると、かなりスパンが空いたことになる(そう考えると、現在最古の「EXE」が大規模リニューアルしている最中なので今後10年以上は走るだろうし、「GSE」の次は長くなりそうではある)。

前面展望室、連接構造の11両編成、塗装と先代の3100形「NSE」のキープコンセプトで、それをモダナイズしたような車両となったが、「SE」「NSE」にあった軽量、低重心構造といった高速化志向は鳴りを潜め、一般車並みの床下高さとなり速度よりも快適性を重視する方向となった。「NSE」が登場した当時と比べ沿線利用客は急増、「LSE」が登場した頃は過密ダイヤとなっていたし、複々線化は計画はあったものの当時は代々木上原~東北沢だけが複々線で他は工事すら始まっておらず、高速化どころではない環境で無理はなかったといえる。

4編成が揃い後継車両が出ても自社線内の特急として幅広く活躍。1996年に身障者設備設置などのリニューアルが行われ「HiSE」に準じた「新塗装」となったが、2007年に1編成が、最終的に残った2編成はすべて旧塗装に戻され新塗装は姿を消した。2018年に70000形「GSE」登場に伴い「LSE」は引退したが、ノーマルデッキで身障者設備もあったことから、小田急車としては後継の「HiSE」「RSE」よりも長生きした結果となった。

さて、模型の世界では「LSE」のNゲージ製品はトミックスから発売されたが、ガレージ製品を除いた一般的な量産品としてはロマンスカー初のNゲージ製品である。1981年発売と、実に40年近い歴史を持つ(筆者は当時小学生である)。現在でこそロマンスカーはすべての形式(それこそ「SE」より前の車両でさえ)が製品化されているが、先輩の「SE」「NSE」がマイクロエースが発売されたのは2000年代に入ってからの話だから、その発売時期の早さは突出している。トミックスが私鉄特急のラインナップを増やしていた時代、当時最新鋭だった「LSE」を選択したのだろう。おそらく連接車としてもNゲージ初で、スナップ式の連結方式が珍しくて特徴的だったのを覚えている。

一番最初の製品は時代的なものもあるが、両ヘッドライトとヘッドマークが一体のクリアパーツで構成、間の塗装はステッカー表現、点灯は緑色LEDのヘッドライトとヘッドマークのみでテールライトは非点灯、窓枠も印刷塗装なし、床下機器もグレー(実車は黒)というものだった。

しばらくこの仕様でカタログに載っていたが、2005年に身障者対応のボディを新規制作した新塗装が発売、ヘッドライトとヘッドマークまわりの構成が見直されテールライトも点灯するようになった第2世代となり、2006年には登場時の旧塗装が発売された。その後、2013年に前述の1編成のみ旧塗装になった編成の製品、2016年に旧塗装のブランドマーク付きが発売となり、実車引退後の2019年にはラストラン仕様が発売。ヘッドライトとヘッドマークまわりがさらに改良され、先頭車の車高も見直された第3世代となった。

そして2020年1月に発売されたのが、今回紹介する「LSE」の中でも1996~2012年の姿である新塗装の製品である。前述のラストラン仕様はいろいろ改良されたことは知っていたけど、「ラストラン」には特に興味はなかったのでスルーしていた。通常仕様が出るならまあ、という感じだったが、言っても所詮40年近く前の製品だし・・・と、トミックス「LSE」はノーマークだった。ところが、ある時読者様より新しい「LSE」について聞かれ、その流れでいつの間にか新塗装が発売されたことを知ったのである。出とったんかワレ!と。そして購入、レビューと相成ったわけである(コメントをいただいた読者様、ありがとうございます)。

基本的には40年前の最初期製品がベースで見直し箇所は前面および先頭車に集中しているから、今回は主に御顔を中心としたレビューになる。

ついでに、ちょっとした資料としてこれまで発売された製品をまとめておく。4編成すべてが製品化されたことがわかる。

1981年 7001F 最初期製品 登場時の姿
2005年9月 7003F 第2世代 新塗装、身障者対応車、シングルアームパンタ
2006年10月7002F 第2世代 登場時の姿
2013年3月 7004F 第2世代 ロマンスカー50周年の復活旧塗装(前面窓枠が黒)、ブランドマークはインレタ、動力改良
2016年1月 7003F 第2世代 晩年期の旧塗装(前面窓枠が銀)、ブランドマーク印刷済み
2019年3月 7004F 第3世代 ラストラン仕様
2020年1月 7001F 第3世代 新塗装、身障者対応車、シングルアームパンタ、ブランドマークはインレタ

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11両フル編成が1つのケースに収まるが、最初期製品から変わらず1段目が11・10・9号車、2段目が8・7・4号車、3段目が5・6号車、4段目が3・2・1号車と、トリッキーで直感的ではない並びになっている。同社のVSEや他社の連接ロマンスカーは編成順になっているのだから、そろそろ手を入れてほしい気もする。

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動力車用の補助ウエイト2つ、交換用ヘッドマークパーツ2つ(ビニール袋に入っている)、ヘッドマークステッカー、ブランドマークのインレタが付属品となる。

各種後述するが、今回製品は動力車のウエイトが薄型で軽量になったので、補助ウエイトはトラクション不足の場合に取り付ける。ヘッドマークはデフォルトで「はこね」がセットされているため、変えたい場合はステッカー+付属パーツで交換する。ブランドマークは再現したい時期(付き始めたのは2008年3月から)に応じて施す。

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奥が今回製品、手前が2005年発売の従来製品の新塗装。約15年の変化を顔を中心とした比較でみていきたい。

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上段が今回製品、下段が従来製品。

ボディや窓などのパーツは大部分従来製品と同じものを流用しているが、ヘッドライトとヘッドマークは大幅な変更を受けており、銀色のリムは太くてハッキリしたものとなりパーツの精度感も向上、ぱっと見でもキリっとして男前な印象になったことがわかる。

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実車と比べても、ヘッドライトとヘッドマークのリムの目立ち方もさることながら、四隅のR付けがよく似てると思う。一つだけ惜しいのはやや扁平気味なところで、窓下の黒帯との位置関係を考えても、従来製品と今回製品の間くらいだったらちょうどよかったかもしれない。逆にいえば、従来製品はちょっと大きめだと感じている。なお、公式を見る限りラストラン仕様はヘッドライト内部の構造は今回製品と同様に改良(後述)されているが、大きさやリムの太さは従来製品に準じている。

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左が今回製品、右が従来製品。後述するが、従来製品は先頭部の車高が高い。

最初期製品は両ヘッドライトとヘッドマークの部分が一体型のクリアパーツで構成されていて(間の塗装はステッカー表現)、上の写真を見るとどちらの製品にもその周囲に名残の分割線が見られる。右の従来製品から各パーツが分割されてその間も塗装表現になったが、パーツ精度はよくなくて福笑いみたい(ちょっと大袈裟か)になっている。今回製品もこの範囲内での調整ながら精度感が向上し、見た目がかなり改善されたといえるだろう。

今回製品はヘッドマークに印刷済みの「はこね」がデフォルトでセットされており、カトーの「NSE」を思わせるが最初から印刷されているのは楽。個人的には新塗装「LSE」は「はこね」よりも「さがみ」「えのしま」な印象なんだけど、印刷済みヘッドマークパーツが付属していたカトーと異なり、こちらは付属パーツにステッカーを貼って交換することになる。

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今回製品はヘッドマーク4隅にある小さな突起も表現されていることがわかる。また、やはりヘッドライトとヘッドマークは扁平気味だと思う。ヘッドライト直下の赤とアイボリーの塗り分け線、実車ではエッジの部分で塗り分けられているが模型ではやや下にあり、この点は従来製品から改善されていない。

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上が従来製品、下が今回製品。前面回りの改善と並んで大きいのが先頭部の車高が下げられたことだろう。従来製品は集電スプリングによって上がってしまっていて、触るとボヨヨンと揺れてしまっていたほどだが、ここが改善されただけで随分落ち着いているというか、見た目の安定感が劇的に向上している。

展望席の窓は一部が車体も構成しておりボディと同色で塗装されているものの分割線が出ている。離れて見ればまあまあ気にならないが、そこは設計の古さが出てしまっている。

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運転席下の赤とアイボリーの塗り分けは実車はなだらかなラインを描いていて模型は少々異なるようだ。

各種窓や扉の位置といった基本的な造形はかなり良く、相当古い設計の製品ながら「モデリングのトミックス」を見せつけられる。ただ、それ故に古い設計が使いまわされ続けてきたのかもしれない。

写真が傾いて見えるが、現場がかなりの下り勾配だからである(定番の渋沢~新松田間で撮影)。

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上が従来製品、下が今回製品。前述のとおり、先頭部の車高が下がったおかげでウィリー気味だった車高がほぼ水平になった。「先頭車の車高」ではなく「先頭部のみ」が高かったのである。設計が古いとはいえ、よくこんな状態で最近まで売っていたなと思うが、遅きに失したとはいえこの改善は高く評価したい。なお、この改善はラストラン製品から適用されている。

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奥が今回製品、手前が従来製品。運転席の屋根周りはパーツの分割が古めかしい。アンテナの色は今回製品は濃いグレーになった。従来製品は取り付けが良くなくて両先頭車とも同じ状態だったから、ここも改善されたのだろうか。

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パンタグラフ周りも全く同じだが、避雷器とヒューズ箱のグレーが先頭車のアンテナと同じグレーに変更されている。濃いほうが今回製品だ。

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上が従来製品、下が今回製品。6号車に設定された動力車(ここだけ両側に台車がある)は従来製品では車内いっぱいウエイトで埋め尽くされていたが、今回製品は高さが抑えられてう向こう側が見通せるようになり、室内灯も取り付けできるようになった。ただ、車体長が短いので相当軽量になってしまっており、レイアウトの条件によってはトラクションが足りず、前述のとおり付属品の補助ウエイトを付けることになる。この動力の改善は復活旧塗装(前面窓枠が黒)から適用されている。

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従来製品ヘッドライト点灯。

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今回製品ヘッドライト点灯。フォーカスが少しずれたみたい。

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従来製品テールライト点灯。

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今回製品テールライト点灯。

今回製品でもっとも顕著に改良を感じるのは灯火類周りだろう。緑色LEDでヘッドライトしか点灯しなかった最初期製品と比べたら(ここで挙げてる)従来製品はマシになったのかもしれないが、それでも今回製品と比べたら大雑把すぎるといわざるを得ない。

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正面から見ると従来製品はひどすぎて(苦笑)もはや次元が違うレベル。今回製品も正面からだとパーツの隙間から光が透けてしまっているし、特にテールライトはやや下方にずれているうえにヘッドライトに少し光が漏れてしまっているが、それでも劇的に改善されたといっていいだろう。

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今回製品は上方から見た場合の光漏れ対策も抜かりない。もしかしたら、ヘッドライトの光漏れ対策のためにヘッドライトがやや扁平気味になったのかもしれない。個人的にはヘッドマークの光り方がすごく気に入っていて、古い製品をベースにここまでやったのは称賛に値する。これの前では従来製品はもはやオモチャ。

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実車のヘッドライトとテールライト。それぞれの大きさの比率も良く再現できていて、かなり頑張ったといえるだろう。一応、ラストラン仕様もこの構成になっている。

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左が今回製品、右が従来製品。床下は同じパーツながら、今回製品は先頭部の下部に部品が追加されており、これがヘッドライトの改良の種なのかもしれない(分解はしてないので詳細は不明)。台車も同じパーツだが集電方式が変更されていることがわかる。

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上が従来製品、下が今回製品。身障者対応工事が行われた3号車の客用扉付近を見る。従来製品新塗装で初めて新規制作されたボディで、その後の復活塗装やラストラン製品でも使用されている。逆に使っていないのは登場時を再現した製品のみである。

色調は新旧変わらず、扉横のステップに塗り残しがある点も変わらない。というか、動力車を除けば中間車は従来製品との見分けは付きにくいくらい。

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扉や窓の位置関係などは問題ない。号車番号や禁煙マーク等は一切印刷がなく、その下のプレートがモールドされているだけである。ロゴマークの位置は従来製品の方が近く、今回製品はやや上方&客用扉寄りである。今回製品が悪くなったというより単に個体差レベルの問題だろう。

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ロゴマークの比較。上から従来製品、今回製品、実車。今回製品はロゴの主線が濃くなり、花の茎の部分のグリーンがきちんと枠内に収まって印刷されていることがわかる。実車は花は白で地がアイボリーで模型ではそこまで再現していないのだけど、従来製品の方がアイボリーという感じである。

このロゴは神奈川県の県花である山百合をモチーフにしたもので、「SE」より前の1700形第2編成(後に第1編成にも装備)より採用された。エッチング製の立派なもので2300形にも採用され、「SE」「NSE」「LSE」の旧塗装では採用されなかったものの、「LSE」の新塗装化と併せて「HiSE」「RSE」にもステッカーによるものとはいえ復活した。「EXE」以降はそれぞれ専用のロゴが用意されたため採用されることはなく、「LSE」も旧塗装に戻ったことで姿を消した。

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両先頭車でシートの色が異なるため(5・6号車に境界がある)、展望席から室内パーツの色違いが見えてしまう。比較的新しいカトー「NSE」も同様で、編成を組めば並ぶことはないとはいえやはり興ざめする一瞬。なお、登場時仕様は編成を通してシートの色が統一されているためこのような状態は見られない。

●総評

根本的には40年近く前の製品がベースであり、実際にそれが分かってしまう・見えてしまう部分はあるし、いくら弄ったところで所詮古いもんは古い。正直、そう思うところはある。しかし、それにしても今回製品はできる範囲でのことは目一杯やったうえに、最大限に良い結果も出していると感じており、よくやったなという感想の方が優る。扁平気味なヘッドライトなどやや惜しい部分はあるもの、ここまで良くなるとは想定外だった。

カトー「NSE」のレビューで従来製品のトミックス「LSE」は「論外」と評したが、正直なところ今回製品はここ最近のロマンスカー製品(他社製含めて)と並べても遜色ないレベルになったと思う。今回の改良をもっと早くやってくれてたらよかったのにと思うところはあるものの、それでも従来のトミックス「LSE」への認識を覆すくらいの製品になったと評価したい。

今回の仕様で「登場時の」旧塗装も欲しくなってくる。ついでに、「HiSE」もヘッドライトの中身なら今回製品並みに修正してくれると嬉しい。今後に期待したい。

700系特別装飾撮影後のプチ乗り鉄~伊豆箱根鉄道

2月下旬の小田原駅で700系撮影の後のお話。※今回は新幹線の話メインではないです。

その前の東京駅での撮影以降、久々に新幹線を間近に見ていたら「乗りたい」と思ってしまった。とはいえ、急な思い立ちで「のぞみ」とかには乗れないし、小田原撮影の日は3連休最終日で翌日は仕事なので早く帰りたい=そんな遠くには行けない事情があった。そこで、小田原から三島まで「プチ新幹線乗り」することに。

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三島駅到着直前、富士山がきれい。ただ、さすがに2駅では正直なところ物足りない・・・急な思い立ちではこれが限度、がっつり乗るのはお預けだ。コロナ収束しないとどうしようもないが。ちなみに、この頃は外出自粛もそこまでではなく車内はそこそこ混んでいた。

さて、三島ですんなり帰るのかといえば・・・せっかく来たんだ。

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伊豆箱根鉄道駿豆線(三島~修善寺)を走る、「ラブライブ!サンシャイン!! Over The Rainbow」ラッピング仕様でプチ乗り鉄だ。ヘッドマークに「LAST RUN」とあるが、こいつも3月で運行終了・・・だったのだが、今公式見に行ったらさよならイベントが中止になり6月まで運行延長とのこと。まだ走ってたんかーい!とツッコんでしまった。700系は中止→そのまま廃車となってしまったが、こちらは車両が廃車になるわけではなく装飾だけの問題なので延長は容易なのだろう。「システム」として強固な新幹線と、そのへんがいい意味で緩いローカル私鉄の差もあるかもしれないが。

駿豆線にはもう1本、ラブライブの「HAPPY PARTY TRAIN」ラッピング車両が存在し、この日は「Over The Rainbow」と往復で乗ろうと思ったら、よりによって検査運休とのこと。ムムム・・・

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「Over The Rainbow」号は7000系という形式が充当されていて、転換クロスシートが並び同社の中では一番豪華な車内といっていいだろう。三島発車時点でもそこそこ乗っており、ローカル線とはいえ地元の足として根付いている印象。沿線には住宅も工場も観光地もあるから(そもそも終点の修善寺が東京から「踊り子」号が乗り入れて来るレベル)当然なのだが。逆に言えば、昨年乗った大井川鐡道(こちらもいつかレポしたいな)などと比べると、そこまで「ローカル感」はないともいえる。

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20分ほどで伊豆長岡駅到着、今回はここで降りた。

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作中にも出てきた同駅は韮山反射炉、伊豆長岡温泉への最寄り駅となる。駅も完全に「そっち」仕様になっているが、写真では見づらいが左下に「劇場版製作決定」とあり、劇場版公開は2019年1月だったので結構前からこのデザインだったことになる。

#1期13話と2期(一部除く)は糞アニメだったと思っているが、劇場版に関しては無印より好きだったりする。

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そして、三津シーパラダイス行きのバス(写真)を使えば聖地・内浦方面にも出ることができる。内浦には沼津駅からバスという手もあるが、途中の道が渋滞しがちなので電車+バスならこっちの方がスムーズかもしれない。内浦は魚がおいしい店が多いので、もはやラブライブ関係なしにちょいちょい食べに行ってたりするが、午後を回っており時間がないので今回はパス。

沼津・内浦エリアはクルマでしか行ったことがないが、時間さえ気を付ければ電車バスで回るのも十分いけると思った。というか、大部分のライバーの人たちはそうしてるんだけどね。

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そんなわけで、気持ちを鉄オタモードに切り替えて駅の周辺を散策。富士山がよく見える。駅の跨線橋からはもっとよく見える。

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伊豆長岡駅は同線内では比較的大きい駅で2面3線ある。一番右にもホームと線路があるが先の方は端頭式の留置線になっていて客扱いはしていない。番線は左から3、2、1になっていて、基本は上下線とも3番線を使用し、列車交換時は2番線も使用。1番線は使っていないようだ。

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ローカル線らしいこじんまりとしたコンコースながら、タッチパネル式券売機や自動改札機(ただしSuica等は未対応)があり、コンビニ(ヤマザキショップ)併設とそれなりの規模である。単線ながら約15分ヘッドの高頻度運転で踊り子号まで停まる。首都圏の大手私鉄でもこれ以下の規模の駅はごまんとある。

駅に入場し、「Over The Rainbow」号が修善寺から戻ってくるまで撮影することに。

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1300系「イエローパラダイストレイン」は元西武の新101系でオリジナルの塗装に復元されている。西武では後にブラックアウトされた前面窓周りが登場時のベージュになっているという凝りよう。幼少のころ西武線沿線民だったので懐かしい。当時は赤電もまだ走っていて101系も「旧」の時代で2000系が登場し始めたころだった。

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一瞬江ノ電かと思ってしまったが、軌道線と呼ばれていた時代の復刻塗装らしい。

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3000系は同線の主力車両でオリジナル塗装は左側。写真はどちらも1次車だが、2次車はステンレス製で「HAPPY PARTY TRAIN」号にも割り当てられている。

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1300系(元西武新101系)の伊豆箱根鉄道におけるオリジナル塗装はこちら。東京オリンピックのラッピングが施されているが、延期になったのでどうなることやら・・・元西武の譲渡車が白にライオンズブルーをまとっていることになるが、そもそも伊豆箱根鉄道は西武グループの一員である。

それにしても、同じ色形の車両がほとんどないことに驚く。前述のとおりローカル線の割に高頻度運転なので、わずかな時間で豊富なラインナップが撮影出来て楽しい。

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上りの「Over The Rainbow」号で三島に引き返す。進行方向左側はずっと富士山が見えていた。途中に富士山を絡められる定番撮影地が存在しており、(当時は)運行終了が近かった「Over The Rainbow」号を狙っていたのか、多くの撮影者が見られた。

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「Over The Rainbow」は劇場版のサブタイトル。車内には劇場版のシーンが掲示されていた。ドア窓と戸袋窓には外側からはラッピングしてあるが、車内からはキャラの顔がちょっと見える程度で眺望を妨げていない。

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ほどなく三島駅に到着。最初の写真と似たような構図になってしまったが、実は往路は新幹線から乗換時間ギリギリでかろうじて撮ったのだった。今度は折り返しまでかなり時間があり、向かい側のホームは基本的に使用していないのでディテール撮り放題だ。

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この7000系は両端の先頭車は3ドアなのに対し、中間車は2ドアというのがユニーク。もともとJR東海区間への乗り入れを想定していたが計画は中止、快速で指定席も導入していたそうだが快速自体が廃止となり、現在は完全に普通運用になっている。想定通り使われていない不運な車両にも思えるが、乗る方からすれば「当たり車両」だと思える。

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修善寺寄りは日光があたり、陰影が強くて形式写真には厳しい。前面のゴールドは当初は車体に合わせたシルバーだった。

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前述のとおりJR乗り入れの想定があったからだと思うが、20mのステンレス車で側面上部に2本、下部に3本のビードが走り、窓枠とか見ても国鉄末期~JRの205、211系あたりによく似ている。一方で、台車や屋根上のアンテナは西武グループだなと思わせる。

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帰りは新幹線ではなく在来線(東海道線)に乗るためホームを移動。向こうに「Over The Rainbow」号がまだ見える。

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ちなみに、7000系では「Dr.STONE」のラッピング車も走っている。筆者は「るろ剣」~「ワンピース」くらいの時期にジャンプ読むのをやめてしまったので、その後は「リボーン」と「暗殺教室(アニメ)」くらいしかわからず。「鬼滅の刃」がヒットしているが中身はまったくわからなかったり。

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東京口の東海道線では絶滅したが、こちらでは211系がまだまだ現役で走っている。JR東海になってから製造されたグループで片側の窓が大きいのが特徴。JR東海区間の東海道線は3両または6両で運転されており、グリーン車組み込み10両まはた15両のJR東日本区間のそれとは一線を画している。

この車両、沼津方面から来たにもかかわらず折り返しで沼津行である。隣の沼津まで1区間しか走らないことになるがシャトル列車的な?

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こうしてみても、やはり各部のディテールが7000系と似ている。JR東日本のE231系、E233系のような標準車両ではないだろうけど、やはり乗り入れ計画の影響で近い設計になったようだ。

この時間(15:00くらい)は東京方面への直通がないので熱海で乗り換える必要がある。逆に言えば、時間帯によっては東京・・・どころか、上野東京ライン経由で栃木県の宇都宮や小金井まで直通する列車もある。

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三島から熱海へはJR東海の主力313系で来た。僅か3両編成で前述のとおり東京口の東海道線とは別次元のものだが、車内は結構混んでて最低6両でもいいような気がする。

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東京方面の列車が来るまで時間があるので、伊豆急のホームに止まっていた伊豆急8000系を撮影。元東急の8000系で、伊豆半島西側の伊豆箱根鉄道は西武系なのに対し、東側の伊豆急行は東急系という組み合わせが面白い。

この手の大手私鉄通勤車の譲渡車はそれ自体が目的でないと、特に他に同格のクロスシート車が走っている路線だとロングシートでハズレ感があるが、この8000系は見た目は武骨なステンレス通勤車両ながら、車内は海側のみ西武の特急「ニューレッドアロー」(そこは西武なんだね・・・)の発生品クロスシートを流用しており、観光路線を走る車両としての体裁が整っている。

この8000系で乗り鉄するのも楽しそうなんだけど、伊豆急にはとても各駅停車のレベルではない「リゾート21」があるからな・・・まあ、そのうち狙ってみようと思う。

この後は「いつもの」E233系東海道線で帰りましたとさ。

トミックス E7系上越新幹線(朱鷺色) レビュー

2020年3月、トミックスよりE7系上越新幹線(朱鷺色)が発売された。

●97920 限定品 JR E7系上越新幹線(朱鷺色)セット 34,700円
(税抜き表示)

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上越新幹線向けに「朱鷺色」が追加されたE7系。

北陸新幹線用として製造されたE7系だが、2019年3月から上越新幹線にも導入されることになり、増備された編成のうちF21・22編成は期間限定で「朱鷺色」帯と特別なロゴマークが追加され上越新幹線導入をアピールすることになった。そもそも北陸新幹線との車両共通化という目的もあり、特別ラッピングは1年程度の想定で比較的簡易なものである(2020年4月5日時点でラッピングが解かれたという話は聞かないが)。

2019年10月の台風19号でE7/W7系の10編成が水没廃車という事態になり、その後上越新幹線向けに増備された編成は軒並み北陸新幹線運用に回されることになったが、件のラッピングをまとったF21・22編成は引き続き上越新幹線で限定運用されているようだ。

実車が登場した段階で「まあこれは模型で出るよな」と思っていたが、案の定トミックスから限定品として発売されたので今回紹介、レビューしてみる・・・といっても、模型自体は従来製品のE7系の塗装・印刷変更程度のものである。よってボリュームはそんなにないし、いつも同じことしか言ってなくて申し訳ないが(苦笑)、詳細なレビューについてはメインサイトも参考にしてほしい。

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トミックス限定品名物の特製外箱入り。ピンク主体の背景にE7系のブルーが映える。E7/W7系には初回生産の限定品が存在しているので、今回で3回目の限定品セットとなる。

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これまでの限定品と同様、1セットで12両フル編成が揃う。当然、編成順に並べた状態で収納されている。付属品は後述のインレタ以外には動力車台車外し用の補助棒くらいである。

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インレタの収録編成はF21・22編成で、プロトタイプとなる実車をどちらも再現できる。なお、今回製品は車番と編成番号の印刷は一切ない。その他の収録内容は従来のE7系製品に準じている。

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今回製品(右)とE7系従来製品(左)並べる。模型自体は同じなので、先頭部の形状、ヘッドライトや運転席窓の部品構成はまったく変わらない。

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従来製品(左)に対し、今回製品(右)は運転席キャノピーのブラックアウト塗装の光沢が若干抑えられた。金色の帯はキャノピーに接触するくらいになり実車に近づいたが、改良ではなく単に個体差の可能性がある(今回製品はノーズ先端部の金色ラインが若干安定していない)。ブルーの塗装は従来同様強い光沢で見栄えする。

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上段は左がE7系従来製品、右が今回製品。下段はでW7系従来製品、右が今回製品という組み合わせで屋根上のブルーの濃さを比較したものだ。メインサイトのレビューでも書いたが、W7系はE7系よりもブルーが濃くなっており、今回製品はW7系に準じた濃いものであることがわかる。ただし、比較に用いたE7系従来製品は初回ロットであり、再生産品は濃くなっている可能性がある。

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目玉となる「朱鷺色」のピンク帯は色調、太さともに良好。位置関係も基本的には問題ないが、模型では側面のハッチに若干かかってしまっている。このピンクは「朱鷺色」と呼ばれているが、E1系、E4系の「ときピンク」よりもE2系、E5系の「はやてピンク」に色調が近い。

号車番号、禁煙車マークは印刷済みだが、前述のとおり車番の印刷はないので再現する場合はインレタを施す必要がある。

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ピンク帯は連結部まで到達していないため、可動幌には帯が追加されていない。ここの位置関係も特に問題ないだろう。

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3・11号車には朱鷺をイメージさせる特別ロゴが追加されている。既存のE7系ロゴと比べるとややザラついた印象があるが、模型を肉眼で見る限りは大きな問題はないと思う。

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拡大してみるとさすがに砂絵みたいになってしまうけど、色調の再現度はまあまあやっているのではないだろうか。

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「朱鷺色」仕様ならではのものではないが、2018年以降に実施されている荷物スペース設置による窓埋め(偶数号車の中間普通車のみ)を、既存のE5系増備型、E6系後期型製品と同様に窓ガラスへの塗装という形で再現している。上の10号車はボディの色と合っているが、他の号車は若干違いが見られた(塗膜が薄い?)。

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この窓埋め処理、この記事も参考にされたいがF21編成とF22編成(写真)では見た目が若干異なっている。模型は周囲の枠が目立つので、どちらかといえばF21編成が近いかもしれない。

●総評

元々、出来の良い従来製品をベースにピンク帯とロゴが追加された程度であり、強いて言うなら運転席キャノピーの光沢が抑えられたのと特別ロゴのザラつきに不満はあるが、概ねハイレベルな製品といっていいだろう。(標準的なところだと思うが)価格はともかくフル編成が一度に揃えられるのも手軽だし、バリエーション的に外見の変化が乏しいE7/W7系で現在のところ唯一、ひときわ存在感を放っている編成の製品として価値があると思う。

●余談

今回、比較対象に従来製品のE7系、W7系を引っ張り出してきたが・・・

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トミックスのケース弱くね?

当時は特に言及しなかったが、E5系増備型、E6系後期型のレビューの時も従来製品のケースが写真のように裂けてしまっていた。現在の(開けやすい)ケースになったのは新幹線ではN700系Z0編成(2007年12月発売)からだったと記憶していて、そのZ0編成のケースもすでに裂けてしまっているが10年以上経過しているのでともかく、E7/W7系は初回ロットから5、6年程度で裂けてしまっている。少なくとも保管場所は直射日光に当たらない等注意しているし、頻繁に開けているわけでもない(白状すると、W7系はレビュー以降開けてなかったくらい)。つまり、保管していただけで裂けてしまうほどケースが劣化しているわけで、これはちょっといただけない。

マイクロエースのケースでも裂けてしまっているものが出ているから、同じようなプラスチック製ケースの宿命なのかもしれないが、トミックスでも過去の「空けにくい」ケースで裂けてしまったものは筆者の環境では現在のところ皆無なので、現行のケースは耐久性についてはむしろ劣化してしまったようだ。

どうせまた裂けると考えるとケースを買い換えるのもアレだし、とりあえずメンディングテープで応急処理している。

トミックスから「ありがとう東海道新幹線700系」発売決定

トミックスから700系のさよなら運転仕様「ありがとう東海道新幹線700系」の発売が発表された。

・97929 限定品 JR700-0系(ありがとう東海道新幹線700系)セット 45,600円
(税抜き表示)

2020年9月発売予定。

実車のさよなら運転はコロナ騒ぎで残念ながら幻に終わってしまったが、トミックス恒例の「さよならセット」である。歴代の東海道新幹線車両と同様、最後の特別装飾を再現した製品となる。トミックスの700系(JR東海車)は発売時期からして当初から「さよならセット」を想定していた節があったし、模型のプロトタイプも装飾されたC53・54編成に合致していたから、まあ出るのは既定路線というか時間の問題だったといえる。

前述のとおり、実車とプロトタイプが同じなので従来製品に装飾を施した程度だと思うが、モーターが新型に変更されるほか車番はC53編成が印刷済み、インレタでC54編成に変更できるが前面窓は印刷がないパーツを別途付属するというのがユニーク。その他、特製パッケージや冊子が付属するというのは過去の「さよならセット」と同じだ。

今回は(発売されるのが当然すぎて)模型について触れる内容があまりないので、特別装飾の写真を撮ってきたのでちょっと紹介。個人的にはさよなら運転とか混むので行きたくないし、特に「最終列車だから」という記録には興味はないのだけど、模型のレビューの資料として(買うと言ってるようなもんだね)撮らざるを得なかった。乗り納めについては時機を逸してしまったが、700系は散々乗ったので特に後悔はなかった。たぶん東海道新幹線の車両で一番乗ってるんじゃないかな?N700系しか走っていない現在、いずれ更新されると思うが・・・・

700系特別装飾の運転は8年前の300系(記事)と比べると多かったが、東京駅で考えると夜間、しかも結構遅い時間がほとんどだった。もっとも、最近は残業が多かったので(帰りがさらに遅くなるけど・・・)好都合で、混雑もそれほどではないと判断し東京駅での夜間撮影から始めることにした。停止している車両なら夜間でも撮影は難しくない。

●2月12日 東京駅

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時間は21:00近い。こんな時間に東京駅で撮影するのは初めてだし、特別装飾運転初日からカチコミとは筆者にしてはなかなか攻めるじゃないか。なお、東京駅での撮影は会社帰りなのでデジカメではなくスマホ(Zen Phone 3 Ultra)を使用した。

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今回は16号車側(神田寄り)で撮影することにした。ターゲットは18番線到着で回送で折り返すので、向かい側(筆者がいる側)の17番線で30分以上前からポジションに着く。やはり同業者は多いが、さすがに平日の夜遅くなので8年前の300系の時よりマシな感じである。あの時は平日とはいえ昼間だったのでとんでもない混雑だった。

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21:30、上ってきた臨時「のぞみ」で特別装飾700系が到着。この日はC54編成が充当されていた。

700系の形状からして仕方がないが、蛍光灯の光で反射してしまい装飾がよく撮れなかった。筆者のいる17番線にはN700系(X27編成)がいてターゲットが覆われてしまっているが、700系よりも先に発車するのはわかっているのでここは不動の構えだ。18番線側なら700系が間近に見られるが今の東京駅はホームドアがかっつり装備されたのでディテール撮影には向かないと判断。

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少しポジションを変えてノーズ部分の装飾を撮る。でも「LAST RUN」のあたり、少し剥がれちゃってるね。

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しばらくして狙い通り、N700系が出発して700系がオープン状態に。ここからはディテール撮影タイムだ。次の列車が入線してくるまであまり時間がないので手早く進める。

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ややブレてしまったが、ノーズ横の装飾とロゴを・・・と思ったが、こちらは細かい文字が落ちてしまっている状態。いつものブルーのライン先端には700系のシルエットがあしらわれている。

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15号車のほか、1・5・9号車にも特別ロゴが貼られている。LEDではない幕式の行先表示は東海道新幹線以外も含めてこれて見納めとなる。「回送」の表示がちょっと切ない。

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JR東海の新幹線車両では初の側面ロゴは健在。もともと3・7・13号車にしか貼られておらず、前述の特別ロゴとはかぶっていない。アナログな行先表示と合わせて700系C編成らしい絵面だと思う。

●2月19日 東京駅

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1週間後に再び東京駅へ。充当列車は同じなので時間も到着番線も12日と同じ。やはり30分以上前から駅に入場しポジションを確保した。今回は1号車側(有楽町寄り)で狙う。順当にいけば、18番線(右側)のN700系と入れ替わるはずだ。

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今回は有楽町寄りなので入線から見られた。N700系と違いヘッドライトの位置が高くシールドビーム(いわゆる電球色)なので夜間でも遠くても一発で700系と判別できた。

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蛍光灯の反射は前よりはマシかな?

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今回はC53編成で側面ロゴに特に剥がれは見られなかった。運転室内で照らされた形式番号が印象的。

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なにげに隣のX59編成はレア編成である。2015年に発生した火災事件(事件については論評する立場ではないのでノーコメント)で1号車が激しく損傷したため別途新製した車両に差し替えられたが、ヘッドライトは当時増備中だったN700A仕様になっており、1号車と16号車でヘッドライトの形状が違う状態になっている。

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想定通りN700系が出発し今回もディテール撮影開始!

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ロゴは剥がれてないし、ブレもなく前回よりきれいに撮れたと思う。レビューに使うならこっちだな。B編成という前例があるからかもだけど、「700」がこの位置にあるのは妙な安定感。

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500系ではよく使ったアングルで撮影。平日の21:30過ぎでもこの人出だが、特別装飾狙いの場と考えたら比較的少ないかもしれない・・・休日の昼間とか想像しただけでもイヤすぎるが。

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1号車後位にも特別ロゴがある。屋根上の検電アンテナと無線アンテナが妙にきれいだが、両先頭車は特別装飾にあたって屋根上が清掃された模様。

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5号車にも特別ロゴ。N700系が出発して17番線側からは700系がよく見えるようになるが、こんな時間にもかかわらずすぐに次の列車が入線してくるので5号車あたりまで撮るのが限界だった。

●2月24日 小田原駅

やはり明るい環境でも撮っておきたいとのことで、3連休最終日に小田原駅での撮影を慣行。「こだま」だったらじっくりディテール撮影できたはずだが、700系はすでに臨時「のぞみ」のみで通過列車を狙うしかない。東京駅?最初から行きたくなかった。

この時期はそろそろコロナ騒ぎが本格化してきた頃で、そのためか以前よく見られた外国人観光客がほとんどいなかった。そのかわり、2時間前にもかかわらず700系狙いの同業者が400mあるホームにびっしりである。黄医者走行日でもこれほどにはならないが、筆者がいつも使っている撮影場所は空いていたのは幸いだった。

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700系の小田原駅通過予定時刻は10:30くらい(正確な時間は失念)。小田原駅の午前中はあまり光線状態がよくないが(個人的には13:00~14:00あたりがベスト)、こればかりはどうしようもない。

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何度か「こだま」が停車するが、N700系の量産車トップナンバー、X1編成が来た(筆者も写ってる)。

2007年7月から運用開始したN700系の最初期編成はX1~5編成(当時はZ編成)で、今年の7月からN700Sが導入されると置き換え対象として真っ先に廃車にされるはずだ。13年で廃車は早い気がするが、初期編成はデビュー時からガンガン東京~博多「のぞみ」に投入されるので過酷なのは間違いなく、過去の車両もだいたいそんな感じである。対して後期編成は最初から「こだま」運用だったりするのでやや寿命が長くなる傾向にある。700系の後期編成となる件のC53・54編成は2003年登場であり、寿命は約17年程度とX1編成よりも長い。

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いよいよターゲットが現れたが・・・

筆者は小田原駅では安全柵内でしゃがんで撮るので、その意味では安全柵の上部がどれだけ混雑していても、カメラの射線に邪魔が入ることはないと踏んでいた。それだけに撮る直前になって安全柵の外側に踏み出して撮る奴は想定外だった。結果はごらんの有様。白飛び気味なのは自分のミスだし、そもそも装飾700系を記録に残すことではなくレビュー用の写真が撮りたかっただけなので写真自体はそれほど不満はないが・・・

これだからこういう場(さよなら運転とか)には来たくないんだし、滅多にしか来ないのだが。

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気を取り直して・・・撮影者が去った後も久々に撮影を続行。F編成(JR西日本のN700A)の最新編成、F21編成を撮ることができた。

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N700S同様、15号車の海側の喫煙室部分に窓がない。現在はN700系の3号車と15号車の海側喫煙室は業務用室に変更されており、この施策が行われた後に落成したN700S、N700AのG47編成以降、写真のF21編成は最初から窓が設けられなかった。G47編成以降は未確認で、F編成もF21編成だけなのかその前にもあるのかは不明。

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こちらはN700系のX72編成で、元喫煙室の箇所にも窓がある。東海道新幹線がN700系で統一されても、筆者的にはまだまだネタは多い。N700系全体の本数と窓無し編成の本数を考えると、当たるのは相当大変そうだが・・・

この後、久々に新幹線に乗りたくなって三島までプチ乗り鉄してきた。機会があれば別途記事にする予定だ。

●3月1日 浜松町

「のぞみ」運用ではなく、この日は団体臨時列車としての運用である。俯瞰した絵が欲しかったのでいつもは屋根上のディテール撮影に使っている浜松町をチョイス。11:25あたりで通過予定だったが、家を出る時間を間違えて3分前ギリギリで到着した。

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窓ガラス越しにも関わらず撮影者はたくさんいたがなんとか撮影場所は確保、時間ギリギリで練習もできずやや動体ブレしてしまったが、なんとかカメラに収めることはできた。前述したが、両先頭車の屋根上が清掃されていることがわかる。

すでにご存じのとおり、翌週の3月8日に予定されていたラストランは中止になってしまった。ラストラン日は検査周期等を熟考して設定されたのだろうし、3月14日以降のダイヤがN700系で統一されることが前提である以上、延期の芽もなく図らずもこの日が700系のラストランになってしまった。どのみち最終日に出向くつもりはなかったが、筆者にとってもこれが最後の700系撮影となった。

700系は(特に500系の後だったので)デザインは悪く言われがちだし、最高速度も同時期の500系「のぞみ」の300km/hに対し285km/hに抑えられていたためフラグシップ感も薄かった。そして、歴代の東海道新幹線の車両で正式なラストラン、さよなら運転が実施されなかった初の例になってしまった。しかもその原因がウイルス騒ぎという極めてレアな状況である。ちょっと報われていないというか、悲運な感じは否めない。

だが、東海道新幹線完成形のN700系の高速性能は300系、500系から受け継いだものだとしても、快適性は間違いなく700系あってのものだ。923形ドクターイエローや台湾新幹線、800系といった派生モデルの存在はベースの素性が良かったからに他ならず、700系は東海道新幹線のみにとどまらない、新幹線車両としても立派な功労者だったと断言する

筆者にとっても、新幹線趣味に入ってきた頃の主力車両であり、前述のとおりよく乗った・撮ったので思い入れが大きい。500系とダブルエース感すらあったほどだ。そして、メインサイトの実車編でも書いたとおり、300系とN700系の過渡期ゆえのバリエーション。このことがわかる人は少ないだろうが、700系は面白い車両であると。少なくとも筆者はそう思っている。

山陽新幹線ではE編成(レールスター)は引き続き走り続けているが、これもN700Sの登場により予断を許さない。まだ1~2年くらいは猶予がありそうだが、500系ともども記録するなら今のうちにやっておいたほうがよさそうだ(遠征フラグ?)。
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