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小田急「F-train」終了について

小田急の「F-train」が今月いっぱいで終了というニュースがあった。

「F-train」とは、川崎市にオープンした「藤子・F・不二雄ミュージアム」のPRのため(だと思うが)、小田急が3000形10両編成1本を、「ドラえもん」などのキャラクターでラッピングした車両のことだ。最寄駅が向ケ丘遊園駅であるなど、同ミュージアムは小田急といろいろ関連が深い(詳細は別途調べてほしい)。

先日、小田原駅で新幹線の撮影をしていたら偶然見ることができた。急いで撮った動画から切り出したのが以下だ。

Ftrain1.jpg
小田原駅に入線する「F-train」。3000形は銀色のステンレス車だが、元がわからないくらいフルラッピングである。300系が止まっているホームで、フェンス越しに子供が見ている。

Ftrain2.jpg
「スーパービュー踊り子」が来たのでついでに。それにしてもカラフルである。

本格的な撮影はもう少し落ち着いてからと思っていたが、東京都の条例に引っかかり今月中で終了を余儀なくされてしまった。ここまでわかっていることをまとめると、

・都から「F-train」のラッピングは「広告」に該当するという指摘あり。
・都の条例では、広告ラッピングは車体の1/10までしか認められない(鉄道の場合)→フルラッピングはダメ。
・「広告」は都への申請が必要だが、小田急は申請していなかった。
・申請しなかったのは「広告」ではなく「塗装変更」という認識だったから。
・しかし、よくよく調べるとやはり「広告」に該当するらしい。
・小田急は認識不足および条例違反を認め、「F-train」の運行中止を発表。

この件については様々な意見が出ているが、都の条例が悪い、子供に人気があるから特例を認めるべきだといった、小田急を擁護する意見のほうが多いようだ。中には荒唐無稽な陰謀論まで出ている有様である。

だが、今回の件は認識不足だったとはいえ、小田急の条例違反は明らかだ(少なくとも、当事者が認めてしまっている)。その上で筆者の意見を言わせてもらうと、

小田急が迂闊だったので、中止やむなし。都は粛々と条例に従ったにすぎない、である。

当件は「広告」に当たるかどうかは微妙な部分があるから、小田急はそこまで気が回らなかったんだと思うが、それでも事前調査が一切なかったようだ。いい悪いは別として、コンプライアンス(法令順守)は非常にうるさい時代である。大企業であるほどその傾向は強いのに、(そもそも当事者が認めているが)「知らなかった」というのはちょっとお粗末だと思った。

今回のラッピングが「広告」かどうかは議論の余地があると思うが、確かにミュージアムの文字は入っていないが、当ミュージアムをPRする目的は明らかなわけで、「広告ではない」と完全否定するのは無理があるように思う。おそらく条例で決めらた定義によれば「広告」に該当するのだろう。だからこそ、小田急もこの件で都と争うようなことはしなかったと考えられる。

この件で気になるのは、子供に人気だから見逃せとか、子供の夢を壊す気かといった意見が多いこと。

でも、ダメでしょそれは

確かに1/10だとか、なにを根拠にした数字なのか不明だし、くだらない基準だなと思わなくもないが、それでも決まりごとは決まりごとだ(例外を認めていたらキリがなくなるから「法」なんだけどね)。筆者は小田急ファンだけども、人治国家じゃあるまいし、感情論で法を曲げろという意見には与することはできない。

いずれにしても、「F-train」が現在の条例に適合せず、それを小田急が認めている以上は運行中止はやむを得まい(神奈川県内だけで運転をという意見もあるが現実的ではない)。とはいえ、この列車が施設のPRに役立ち、子供に人気があったことは確かで、完全にお蔵入りにするのももったいない。

となると、新生「F-train」で仕切り直すのが一番スムーズではないだろうか。もちろん、次はきちんと事前調査および、申請した上でだ。面積1/10というのは厳しいが、新幹線のポケモンラッピングのようにするなど、デザインの余地もあると思う。それ以上のことは、条例を変更する以外あるまい。

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吉岡海底に隠すんだ

おばんです。
F-Train、一段落したら見に行こうと思った矢先の条例抵触は思いがけないだけに残念です。
私も条例に対して認識が甘かったのではないかとは考えてはいるのですが、それ以上にやはり条例の方に問題があるように思ってしまいます。
というのも、私の地元青森には以前(というには少々厳しくなりますが)ドラえもん達がたくさん描かれた781系「ドラえもん海底列車」が走っていたからです。東京と北海道では話が違うとは思いますが、沿線を華やかな電車が走ることを否定されるとやはり疑問になってしまいます(自分が言うのも何ですが、今回のラッピング中止の件で沿線にカメラが寄りまくる方が景観を壊しかねないようにも感じてしまうw)。

しかし、失敗によって人は学んでいくものです。今回の事を教訓にしつつ、より楽しくなる鉄道を走らせてほしいですね!

Re: 吉岡海底に隠すんだ

Tak701 様

こんばんは。そういえば青函トンネルに走ってましたね。ドラえもん列車。

私も結局、小田原で見たのが最初で最後になってしまいましたが、今回の件は残念ながら、小田急に最も問題があったと考えています。条例の内容以前に、事前調査や申請漏れがそもそもの問題だと思うので。塗装変更という認識も、やはり「単なるドラえもんが描いてあるだけの電車」ではないわけで。

ただ、申請のことはともかく、条例の面積1/10に妥当性はあるの?という疑問はありますね。広告(宣伝媒体)といってもピンキリですし、今回のようなラッピングの場合、作風によって基準を変えるのは難しいので(どうしても主観が入る)、ある程度数値化するのはやむを得ないと思いますが、フルラッピングが景観を壊すと感じるかどうかも、結局主観なわけでして。

おっしゃる通り今回の件を糧にして、条例の基準を下げていくとか、少しづつ改善していけばいいと思います。小田急は今回の件で懲りたと思うので、他の事業者も含めて今後は大丈夫かと思います。

ただまあ、もしこれがきちんと申請していて、最初から1/10面積に準拠したものが出ていたら、それはそれで受け入れられていたと思うんですが、なまじ最初のインパクトが大きかっただけに、仕切り直すにしてもハードルが上がってしまったのが悔やまれますね。
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