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カトー 700系(C8編成仕様) レビュー

2020年8月、カトーより700系のリニューアル製品(C8編成に仕様変更)が発売された。

・10-1645 700系新幹線「のぞみ」 8両基本セット 20,800円
・10-1646 700系新幹線「のぞみ」 8両増結セット 14,600円

(税抜き表示)

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カトーの700系が主に印刷まわりのリニューアルを受けて発売。

カトーの700系は1999年12月に発売され、実に20年以上にわたるロングセラー製品である。実車の営業運転開始から1年経たずに発売され、車番にC3編成がチョイスされていたとおり、プロトタイプは必然的に最初期編成(C2~11編成)であった。ほどなくトミックスからも700系が発売されたが、JR西日本のE編成、B編成がプロトタイプだったのでバッティングしていなかった。実車が引退間近となった2019年にトミックスがC編成を発売するまで、カトー700系はJR東海のC編成を再現した唯一の製品だった。もっとも、トミックスは後期型がプロトタイプなので厳密にはバッティングしていない。

2005年11月には初代製品の基本セット8両+増結セット8両という構成から、基本セット4両+増結セット4両+増結セット8両という構成に変更した第2世代となった。特に基本セット4両は「ベストセレクション」というスターターを意識したウインドウ付き紙パックで発売された。模型自体は初代製品と変わらないものの、付属ステッカーに「AMBITIOUS JAPAN!」ロゴが追加された。また、同時期の700系スターターセットは両先頭車が印刷済みの「AMBITIOUS JAPAN!」仕様になっていた。

今回紹介するのは実車が引退した後に発売された、第3世代製品である。基本的には従来製品と同じだし、700系のレビューはメインサイトでがっつりやったつもりなので、そちらも参考にされたい。今回は変化点の紹介がメインである。

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セット2つを横に並べた写真撮り忘れたorz。

第2世代製品では「ベストセレクション」と称していたセット構成が、今回製品では初代製品と同様の基本セット8両+増結セット8両に戻った。増結セットは初代と第2世代で同じ品番だったが、今回は新規に振りなおされている。

カトーはいつもそうだが、編成順に並び替えることはできないので不便。基本セットのケースに1・2・11~16号車、増結セットのケースに3~10号車を収納するようにすれば多少マシにはなるが。

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パンタカバーとケーブルヘッドガイシは従来通りユーザ取り付けとなる。「ベストセレクション」だった第2世代の4両基本セットはスターターを意識してかこれらのパーツが取り付け済みだったが、今回は初代製品の仕様に戻ったといえる(第2世代も増結セットは自分取り付けだった)。

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ステッカーは一新された。上は行先表示類、下は車体装飾用ロゴ。

行先表示と座席表示は製品世代で内容が異なっており、初代製品は「のぞみ」で指定席のみ、第2世代は「自由席」が追加(実車は2003年10月から)、今回製品は「ひかり」「こだま」他も追加され、発売時期の実車の状況(今回製品は実車が廃車されてしまっているが)に合わせて変化しているのが面白い。

下の車体装飾用ロゴは第2世代からの「AMBITIOUS JAPAN!」を引き継ぎつつ(円形ロゴは行先表示側にある)、さよなら運転仕様の装飾を盛り込んでいる。トミックスよりも先駆けたことになるが、そもそも初期車のカトーではプロトタイプが異なるし、ステッカーはNゲージサイスではどうしても厚みを避けられない。あくまでもにお手軽に、遠めに見ればのなんちゃって仕様である。こだわるなら(これ書いてる)今月下旬のトミックスの「真・さよなら仕様」を待った方がいい。

この装飾ステッカー、車体に貼ることを想定して光沢が抑えられたものになっている(第2世代では光沢があるものだった)。なお、装飾の方はASSY販売はないとのこと。

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左が従来製品(第2世代)、右が今回製品。

今回製品は基本的には印刷表記と製品構成の変更が主なので、模型の基本的な部分・・・ボディなどは全く変わらない。屋根上の滑り止めを印刷で表現している点も同じだ。

塗装については今回製品は若干アイボリー寄りになっている。また、光沢は結構増しているようだ。

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左がトミックス、右がカトー今回製品。どちらもJR東海のC編成だが、トミックスは後期型、カトーは初期型とプロトタイプが異なる。造形その他の違いはメインサイトでもやっているのでそちらを参考にしてほしい(メインサイトではトミックスはB編成で比較しているが、基本的にはC編成も同じである)。ピュアホワイトに近いトミックスと比較すると、カトーはよりアイボリーに見える。

この写真でもわかるように、カトーは側面窓の引っ込みが大きく段差が目立つ。この引っ込みは同時期に発売された100系「グランドひかり」や500系でも見られるもので、カトーの新幹線の元祖である0系、200系の方がよほどツライチに近かった。今回製品のボディが従来製品と同じである以上、当然改善は見られない。

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左が従来製品、右が今回製品。

今回製品は前面窓上部に「C8」と編成番号が印刷されるようになった。ワイパー印刷やヘッドライト周りのリム印刷は相変わらず省略されている。また、今回製品の光沢の強さがここでもわかると思う。

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上から初代製品、第2世代、今回製品の1号車乗員室扉周辺。カメラのオートホワイトバランスの都合で色調の違いが出てしまっているのはスルーしてほしい。

この写真を貼るとき、どれが初代でどれが第2世代かわからなくなってしまった。今回製品は車番を見れば判断できるが、初代と第2世代は(後述するが)ヘッドライトを点灯させるくらいしか判別ポイントがない。禁煙マークの位置が微妙に違うのは個体差レベルの問題だろう。

そんなわけで、3製品並べてもボディはまったく、印刷もほとんど同じであることがわかる。今回製品では前面窓に「C8」が印刷されるようになったが、乗務員室扉窓や車体下部には印刷がない。もっとも、これは他のカトー新幹線製品に共通する仕様である。

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上から初代製品、第2世代、今回製品の1号車後位。今回製品は検電アンテナが少し傾いているが後で直した。

ここも3世代で違いはほとんどないが、今回製品はC3編成からC8編成になったので車番が変わった。JRマークが相変わらず赤にしか見えないのも変わらない。

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こちらはトミックスのC編成で、JRロゴはきちんとオレンジしている。車番と禁煙マークはインレタで再現する。靴ズリの印刷はトミックスでは伝統的に省略されている。また、こちらは後期型なので客用扉窓の高さがカトーと異なっている。

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実車の車番とJRマーク(しかもC1編成だ)。

客用扉下端と青帯の位置関係からすると、カトーは低め、トミックスは高めという感じ。点検ハッチと細い青帯の位置関係はトミックスに軍配が上がる。カトーはやや上方寄りだし、ついでに四隅のボルトも省略されている。

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上から初代製品、第2世代、今回製品の3号車。

今回製品最大の特徴であり改善点として、3・7・11・13号車にある「700」ロゴマークがこれまでのステッカー表現から印刷済みになったことだろう。今回製品のみ禁煙マークが印刷されているが、これについては後述しよう。

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上からカトー今回製品、トミックス(C編成のものだがB編成も同じ)、実車。

700系のイラストの主線が強いのはどちらも同じで、「700」の文字はトミックスよりも青味が強く、後ろの楕円形も黄味が強い。色調についてはトミックスの方が実車に近い。トミックスは細かいながらグラデーションも再現しているし、文字もはっきりしている(どのみち肉眼で読めるサイズではないが)。

カスレについてはカトーの方が優れているように見えるが、トミックスとて個体差レベルの問題だろう。今回のカトーは一応水準にはなっていると思うが、それ以上のモノもない気がする。

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今度は大きさや位置を確認。ロゴマークについて言及する前に、行先表示機、座席表示機ともにトミックスは横長、というより上下寸法が足りない気がする。この写真からではわかりにくいがトミックスの行先表示機はやや車端寄りで、実車はカトーとトミックスの中間くらいの位置である。

なので、行先表示機からロゴの距離感はおのずと差が出てしまうが、客用扉と青帯から位置関係はどちらもいい線言っているし、大きさも適切だと思う。

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ちなみに、従来製品のステッカーで表現したロゴマークはこんな感じ。位置は筆者の腕の問題だが、ロゴ自体もそもそも小さかったのだ。ステッカーなので段差も目立つ。

カトー700系が発売された頃はまだまだ新幹線のロゴマークは珍しく、700系ほどカラフルで凝ったデザインのものは印刷表現が難しかったのかもしれない。それでも、こうして見るとステッカー表現で済ませるのはどうなんよ?と改めて思う。

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上から初代製品、第2世代、今回製品の8号車。ここも車番以外変わらないが、色が赤いとはいえJRロゴは今回製品が一番良い気がする。

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上から初代製品、第2世代、今回製品の11号車身障者対応扉付近。ここも車番以外変わらないが、初代製品のみ禁煙マークがない。

メインサイトにも書いたが、700系はその歴史のなかで禁煙車が増加している。トミックスはインレタだからユーザが自分で設定すればよいが、印刷済みのカトーは発売時期に応じて変化している。1999年12月発売の初代製品は2001年10月までの3・4・10・11・15・16号車が喫煙可能だった時代(身障者対応車が喫煙可能だったというのは意外な気がする)、2005年11月の第2世代は2006年3月までの11号車が禁煙車となった時代、今回製品は実車が引退した後ということもあり、2011年3月以降の10・15・16号車のみが喫煙可能の晩年の姿となっている。

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最後にヘッドライト、上から初代製品、第2世代、今回製品。

初代製品は白色LEDだったが(当時はまだ珍しかった)、第2世代から電球色となり今回製品にも引き継がれている。ただ、今回製品はただでさえ眩しかったのにさらに光量が増した気がする。手元で点灯させた感じだと、今回>初代>第2世代という明るさの順だった。

●総評

今回製品はロゴマークの印刷が追加されたとはいえ、良くも悪くも模型自体は従来から変わっておらず、再生産に近いものである。個人的には700系は冒頭で書いた通りメインサイトでレビューしていることもあって、改めての評価は特にない。ロゴマークについても、そもそもステッカーだったのがどうかという気がするし、その印刷クオリティも平凡なレベルで、とびぬけて「改善」された印象はなかったのが正直なところだ。ぶっちゃけ、ここまでレビューしなくても・・・と思ってるくらいで。

もっとも、そろそろ古くなったとはいえ定評ある製品だし、大きな欠点であったロゴマーク問題が解決したことは確かだ。700系C編成の初期型を再現した模型はこれだけなので、後期型であるトミックスのC編成が出た現在でも価値はある。また、トミックスは通常版が約42,000円、今度出る「さよならセット」が約45,000円なのに対し、今回製品は約36,000円程度(いずれもフル編成)と、価格が安いのも利点だろう(こちらは動力車1両というのも大きい。走行性能はその分バーターになるが・・・)。

それにしても、カトーはあまり新幹線やらなくなってしまったなと。マイクロともども、新幹線に関しては覇気を感じられなくなってしまった。トミックスだけがひとり気を吐いていて、メジャーどころはもちろん、マイクロさえ食いかねないマニアックな製品までリリースしている状況だ。実際、ここ最近トミックス製品しかレビューしてないような・・・

鉄道模型の中でも新幹線は売れ筋だと思うが、そんな中カトーは新幹線をどうしていきたいのか。(ブランドが違うが)「とれいゆ」や「500EVA」のような明確な「タイプ製品」、今回製品のようにプロトタイプは異なるけども、さよなら運転仕様をステッカーで「気軽に」再現させるとか・・・細かいことは気にせず、イージーに楽しむライトユーザ向けへのシフトをひしひしと感じる。そうなるとマニアである筆者はよほどのこと(新形式とか)がなければ買わないし、レビューが少なくなるのも必然である。

もちろん、それはそれでいいのだが、N700系の全周幌カプラー、E2系などオープンノーズカプラーなど、欠点も多くちょっとやりすぎな感はあったけれども、あのころのカトーの意欲的なイケイケ感は間違いなく輝いてはいた。当サイトはそもそもカトーvsトミックスの比較から入ったこともあるけど、両社のガチ対決もたまには見てみたい気がする。ただ、最近のカトーを見てるとN700Sすらやらないような気がして不安&不満・・・

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はじめまして
先頭車の乗務員扉と客室扉の上部にある雨樋もそのままなんですね。初期型も中期型や後期型同様に一体化されていたけど、あんまり金型をいじりたくなかったのかな                                       
     

Re: タイトルなし

お名前不明 様

コメントありがとうございます。

今回製品のボディは従来製品と同じなので雨樋も変更なしです。カトーに限らない話ですが、メーカーとしてはなるべく金型はいじりたくないのだと思います。700系の雨樋レベルだと気付く人も少ないでしょうしね。
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友輝

Author:友輝
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