トミックス E7系上越新幹線(朱鷺色) レビュー
2020年3月、トミックスよりE7系上越新幹線(朱鷺色)が発売された。
●97920 限定品 JR E7系上越新幹線(朱鷺色)セット 34,700円
(税抜き表示)

上越新幹線向けに「朱鷺色」が追加されたE7系。
北陸新幹線用として製造されたE7系だが、2019年3月から上越新幹線にも導入されることになり、増備された編成のうちF21・22編成は期間限定で「朱鷺色」帯と特別なロゴマークが追加され上越新幹線導入をアピールすることになった。そもそも北陸新幹線との車両共通化という目的もあり、特別ラッピングは1年程度の想定で比較的簡易なものである(2020年4月5日時点でラッピングが解かれたという話は聞かないが)。
2019年10月の台風19号でE7/W7系の10編成が水没廃車という事態になり、その後上越新幹線向けに増備された編成は軒並み北陸新幹線運用に回されることになったが、件のラッピングをまとったF21・22編成は引き続き上越新幹線で限定運用されているようだ。
実車が登場した段階で「まあこれは模型で出るよな」と思っていたが、案の定トミックスから限定品として発売されたので今回紹介、レビューしてみる・・・といっても、模型自体は従来製品のE7系の塗装・印刷変更程度のものである。よってボリュームはそんなにないし、いつも同じことしか言ってなくて申し訳ないが(苦笑)、詳細なレビューについてはメインサイトも参考にしてほしい。

トミックス限定品名物の特製外箱入り。ピンク主体の背景にE7系のブルーが映える。E7/W7系には初回生産の限定品が存在しているので、今回で3回目の限定品セットとなる。

これまでの限定品と同様、1セットで12両フル編成が揃う。当然、編成順に並べた状態で収納されている。付属品は後述のインレタ以外には動力車台車外し用の補助棒くらいである。

インレタの収録編成はF21・22編成で、プロトタイプとなる実車をどちらも再現できる。なお、今回製品は車番と編成番号の印刷は一切ない。その他の収録内容は従来のE7系製品に準じている。

今回製品(右)とE7系従来製品(左)並べる。模型自体は同じなので、先頭部の形状、ヘッドライトや運転席窓の部品構成はまったく変わらない。

従来製品(左)に対し、今回製品(右)は運転席キャノピーのブラックアウト塗装の光沢が若干抑えられた。金色の帯はキャノピーに接触するくらいになり実車に近づいたが、改良ではなく単に個体差の可能性がある(今回製品はノーズ先端部の金色ラインが若干安定していない)。ブルーの塗装は従来同様強い光沢で見栄えする。


上段は左がE7系従来製品、右が今回製品。下段はでW7系従来製品、右が今回製品という組み合わせで屋根上のブルーの濃さを比較したものだ。メインサイトのレビューでも書いたが、W7系はE7系よりもブルーが濃くなっており、今回製品はW7系に準じた濃いものであることがわかる。ただし、比較に用いたE7系従来製品は初回ロットであり、再生産品は濃くなっている可能性がある。


目玉となる「朱鷺色」のピンク帯は色調、太さともに良好。位置関係も基本的には問題ないが、模型では側面のハッチに若干かかってしまっている。このピンクは「朱鷺色」と呼ばれているが、E1系、E4系の「ときピンク」よりもE2系、E5系の「はやてピンク」に色調が近い。
号車番号、禁煙車マークは印刷済みだが、前述のとおり車番の印刷はないので再現する場合はインレタを施す必要がある。


ピンク帯は連結部まで到達していないため、可動幌には帯が追加されていない。ここの位置関係も特に問題ないだろう。

3・11号車には朱鷺をイメージさせる特別ロゴが追加されている。既存のE7系ロゴと比べるとややザラついた印象があるが、模型を肉眼で見る限りは大きな問題はないと思う。


拡大してみるとさすがに砂絵みたいになってしまうけど、色調の再現度はまあまあやっているのではないだろうか。


「朱鷺色」仕様ならではのものではないが、2018年以降に実施されている荷物スペース設置による窓埋め(偶数号車の中間普通車のみ)を、既存のE5系増備型、E6系後期型製品と同様に窓ガラスへの塗装という形で再現している。上の10号車はボディの色と合っているが、他の号車は若干違いが見られた(塗膜が薄い?)。

この窓埋め処理、この記事も参考にされたいがF21編成とF22編成(写真)では見た目が若干異なっている。模型は周囲の枠が目立つので、どちらかといえばF21編成が近いかもしれない。
●総評
元々、出来の良い従来製品をベースにピンク帯とロゴが追加された程度であり、強いて言うなら運転席キャノピーの光沢が抑えられたのと特別ロゴのザラつきに不満はあるが、概ねハイレベルな製品といっていいだろう。(標準的なところだと思うが)価格はともかくフル編成が一度に揃えられるのも手軽だし、バリエーション的に外見の変化が乏しいE7/W7系で現在のところ唯一、ひときわ存在感を放っている編成の製品として価値があると思う。
●余談
今回、比較対象に従来製品のE7系、W7系を引っ張り出してきたが・・・


トミックスのケース弱くね?
当時は特に言及しなかったが、E5系増備型、E6系後期型のレビューの時も従来製品のケースが写真のように裂けてしまっていた。現在の(開けやすい)ケースになったのは新幹線ではN700系Z0編成(2007年12月発売)からだったと記憶していて、そのZ0編成のケースもすでに裂けてしまっているが10年以上経過しているのでともかく、E7/W7系は初回ロットから5、6年程度で裂けてしまっている。少なくとも保管場所は直射日光に当たらない等注意しているし、頻繁に開けているわけでもない(白状すると、W7系はレビュー以降開けてなかったくらい)。つまり、保管していただけで裂けてしまうほどケースが劣化しているわけで、これはちょっといただけない。
マイクロエースのケースでも裂けてしまっているものが出ているから、同じようなプラスチック製ケースの宿命なのかもしれないが、トミックスでも過去の「空けにくい」ケースで裂けてしまったものは筆者の環境では現在のところ皆無なので、現行のケースは耐久性についてはむしろ劣化してしまったようだ。
どうせまた裂けると考えるとケースを買い換えるのもアレだし、とりあえずメンディングテープで応急処理している。
●97920 限定品 JR E7系上越新幹線(朱鷺色)セット 34,700円
(税抜き表示)

上越新幹線向けに「朱鷺色」が追加されたE7系。
北陸新幹線用として製造されたE7系だが、2019年3月から上越新幹線にも導入されることになり、増備された編成のうちF21・22編成は期間限定で「朱鷺色」帯と特別なロゴマークが追加され上越新幹線導入をアピールすることになった。そもそも北陸新幹線との車両共通化という目的もあり、特別ラッピングは1年程度の想定で比較的簡易なものである(2020年4月5日時点でラッピングが解かれたという話は聞かないが)。
2019年10月の台風19号でE7/W7系の10編成が水没廃車という事態になり、その後上越新幹線向けに増備された編成は軒並み北陸新幹線運用に回されることになったが、件のラッピングをまとったF21・22編成は引き続き上越新幹線で限定運用されているようだ。
実車が登場した段階で「まあこれは模型で出るよな」と思っていたが、案の定トミックスから限定品として発売されたので今回紹介、レビューしてみる・・・といっても、模型自体は従来製品のE7系の塗装・印刷変更程度のものである。よってボリュームはそんなにないし、いつも同じことしか言ってなくて申し訳ないが(苦笑)、詳細なレビューについてはメインサイトも参考にしてほしい。

トミックス限定品名物の特製外箱入り。ピンク主体の背景にE7系のブルーが映える。E7/W7系には初回生産の限定品が存在しているので、今回で3回目の限定品セットとなる。

これまでの限定品と同様、1セットで12両フル編成が揃う。当然、編成順に並べた状態で収納されている。付属品は後述のインレタ以外には動力車台車外し用の補助棒くらいである。

インレタの収録編成はF21・22編成で、プロトタイプとなる実車をどちらも再現できる。なお、今回製品は車番と編成番号の印刷は一切ない。その他の収録内容は従来のE7系製品に準じている。

今回製品(右)とE7系従来製品(左)並べる。模型自体は同じなので、先頭部の形状、ヘッドライトや運転席窓の部品構成はまったく変わらない。

従来製品(左)に対し、今回製品(右)は運転席キャノピーのブラックアウト塗装の光沢が若干抑えられた。金色の帯はキャノピーに接触するくらいになり実車に近づいたが、改良ではなく単に個体差の可能性がある(今回製品はノーズ先端部の金色ラインが若干安定していない)。ブルーの塗装は従来同様強い光沢で見栄えする。


上段は左がE7系従来製品、右が今回製品。下段はでW7系従来製品、右が今回製品という組み合わせで屋根上のブルーの濃さを比較したものだ。メインサイトのレビューでも書いたが、W7系はE7系よりもブルーが濃くなっており、今回製品はW7系に準じた濃いものであることがわかる。ただし、比較に用いたE7系従来製品は初回ロットであり、再生産品は濃くなっている可能性がある。


目玉となる「朱鷺色」のピンク帯は色調、太さともに良好。位置関係も基本的には問題ないが、模型では側面のハッチに若干かかってしまっている。このピンクは「朱鷺色」と呼ばれているが、E1系、E4系の「ときピンク」よりもE2系、E5系の「はやてピンク」に色調が近い。
号車番号、禁煙車マークは印刷済みだが、前述のとおり車番の印刷はないので再現する場合はインレタを施す必要がある。


ピンク帯は連結部まで到達していないため、可動幌には帯が追加されていない。ここの位置関係も特に問題ないだろう。

3・11号車には朱鷺をイメージさせる特別ロゴが追加されている。既存のE7系ロゴと比べるとややザラついた印象があるが、模型を肉眼で見る限りは大きな問題はないと思う。


拡大してみるとさすがに砂絵みたいになってしまうけど、色調の再現度はまあまあやっているのではないだろうか。


「朱鷺色」仕様ならではのものではないが、2018年以降に実施されている荷物スペース設置による窓埋め(偶数号車の中間普通車のみ)を、既存のE5系増備型、E6系後期型製品と同様に窓ガラスへの塗装という形で再現している。上の10号車はボディの色と合っているが、他の号車は若干違いが見られた(塗膜が薄い?)。

この窓埋め処理、この記事も参考にされたいがF21編成とF22編成(写真)では見た目が若干異なっている。模型は周囲の枠が目立つので、どちらかといえばF21編成が近いかもしれない。
●総評
元々、出来の良い従来製品をベースにピンク帯とロゴが追加された程度であり、強いて言うなら運転席キャノピーの光沢が抑えられたのと特別ロゴのザラつきに不満はあるが、概ねハイレベルな製品といっていいだろう。(標準的なところだと思うが)価格はともかくフル編成が一度に揃えられるのも手軽だし、バリエーション的に外見の変化が乏しいE7/W7系で現在のところ唯一、ひときわ存在感を放っている編成の製品として価値があると思う。
●余談
今回、比較対象に従来製品のE7系、W7系を引っ張り出してきたが・・・


トミックスのケース弱くね?
当時は特に言及しなかったが、E5系増備型、E6系後期型のレビューの時も従来製品のケースが写真のように裂けてしまっていた。現在の(開けやすい)ケースになったのは新幹線ではN700系Z0編成(2007年12月発売)からだったと記憶していて、そのZ0編成のケースもすでに裂けてしまっているが10年以上経過しているのでともかく、E7/W7系は初回ロットから5、6年程度で裂けてしまっている。少なくとも保管場所は直射日光に当たらない等注意しているし、頻繁に開けているわけでもない(白状すると、W7系はレビュー以降開けてなかったくらい)。つまり、保管していただけで裂けてしまうほどケースが劣化しているわけで、これはちょっといただけない。
マイクロエースのケースでも裂けてしまっているものが出ているから、同じようなプラスチック製ケースの宿命なのかもしれないが、トミックスでも過去の「空けにくい」ケースで裂けてしまったものは筆者の環境では現在のところ皆無なので、現行のケースは耐久性についてはむしろ劣化してしまったようだ。
どうせまた裂けると考えるとケースを買い換えるのもアレだし、とりあえずメンディングテープで応急処理している。