続・N700Sの量産車と確認試験車の比較
ひとつ前の記事でN700Sの量産車と確認試験車を比較したが、実車の営業運転も始まり「新幹線EX」最新号を見て新たに分かったこともあったので、補足、追記として記事を書いてみた。
今のところN700Sは4本稼働しているようだが、時刻表では従来のN700系と区別がつかない。ただし、公式twitterで運用列車が公表されているので助かる。


上がJ5編成(量産車)、下がJ0編成(確認試験車)。※以降、比較写真は量産車、試験車の順にしている。
一応、前回の記事には書いたことだが、前回は量産車山側の写真がろくに撮れなかった(14番線だった)ので、3号車山側喫煙ルーム窓の有無を改めて画像にて。


上がJ3編成、下がJ0編成。
10号車海側、11号車寄り車端の業務用室の窓が量産車では省略された。山側では窓が2つ並んだ喫煙ルームの向かい側にあたる箇所である。
この業務用室の窓はN700系から続くものだが、X0(Z0)編成では喫煙ルームがなく、両側とも乗務員室で窓の開閉ができるタイプだった。


上がJ3編成、下がJ0編成。
少しわかりづらいかもしれないが、量産車では11号車の客用窓のうち、行先表示機真下の窓から2つは間隔がやや広い。理由は身障者対応座席の回転機構の都合とのこと。J0編成は等間隔である。
写真ではJ3編成とJ0編成で多目的室の窓の有無に差があるように見えるが、この窓は山側にしかないからそう見えるだけで(J3編成は海側、J0編成は山側)、量産車もJ0編成も窓の大きさ含めて同じである。

真横から量産車の該当箇所。右二つが身障者対応座席の窓で間隔がやや空いていることがわかる。


該当箇所を車内側から見たほうがわかりやすいかもしれない。シートピッチと壁パネルの間隔に差があることが明らかだ。
普通車の標準シートピッチ1040mmに対して身障者対応座席はシートピッチ1138mmで、グリーン車の1160mmに迫る広さである。一方、11号車の他の座席は先頭車と同じ1023mmにして帳尻を合わせている。そのため、定員や座席数は従来のN700系から変わっていない。
今回は量産車の屋根上も撮れたので改めて比較してみる。以降、上がJ3編成、下がJ0編成。言及していない号車は特に差異が見られなかった。


J0編成の2号車にはパンタ及びパンタカバーの取り付け準備工事(取り付け実績はある)があり、滑り止めはそれを避けるようなパターンになっているが、量産車には準備工事はなくシンプルで素直なパターンになっている。


5号車のパンタ部分比較。量産車ではスロープ部分の滑り止めが細くなっている。また、スロープ手前の滑り止めは量産車では左右がつながったパターンになっている。車端の投光器はJ0編成のみ搭載。


8号車は基本的には変わりないが、7号車寄りにあるハッチ(赤枠)周辺の滑り止めパターンが異なる。ちなみに、N700系はJ0編成と同じパターンになっている。


10号車はJ0編成は大型ジョイントが採用されているが、量産車は他の号車と同じ通常の形状になっている。この車両にも屋根上にハッチがあるが(写真右側)、滑り止めはどちらも同じパターンである(N700系から変わっていない)。


5号車と異なり、12号車のパンタカバーはJ0編成でも量産車同様、滑り止めが細いものになっている。また、屋根上の滑り止めも同じパターンになっており量産車も左右でつながってない。
J0編成には架線計測用センサーと思われる装置があるが、そのうち量産車でも搭載される編成が出てくるかもしれない。カバー内の照明は見た感じ数も位置も同じようだ。


15号車も2号車と同様の差異があるが、J0編成は16号車寄り車端の検電アンテナの準備工事がない。

量産車の車端の床下には号車番号が表記されているが、撮影当日に一部のG編成、X編成でも確認している。いずれもきれいな状態だったので全検のタイミングで表記を追加しているらしく、N700S量産車ならではのモノではなさそう。J0編成にもいずれ表記されるだろう。X12編成がすでに廃車になってしまったし、N700系初期車はこの表記をつけることはないかもしれない。
なお、JR西の車両(K・F編成)ではこの表記を確認できなかった。
前回の記事から改めて量産車とJ0編成の差分を羅列するとするとこうなる。
1.前面窓上部の手すりの有無
2.先頭部の台車カバー切り欠きの有無
3.ロゴマークの濃さ(ただし、J0編成全検時に量産車と同じになる可能性あり)
4.2・15号車のパンタ設置準備工事有無
5.3号車山側の喫煙ルーム窓の有無
6.検電アンテナ形状
7.中間車台車カバーの分割線2本タイプの配分
8.10号車海側の業務用室窓の有無(New!)
9.11号車身障者対応座席部分の窓ピッチ(New!)
10.5号車パンタカバーのスロープ部分滑り止め太さと屋根上の滑り止めパターン(New!)
11.8号車屋根上ハッチ周辺の滑り止めパターン(New!)
12.10号車のジョイント形状の違い(New!)
13.12号車パンタカバーの架線計測用センサー有無(ただし、量産車に波及する可能性あり)(New!)
N700Sの量産車とJ0編成の比較は以上。
それ以外に今回の調査で「気づい」ちまったことがあって・・・


上がN700S(J0編成)、下がN700A(G1編成)。車体の腰部(青帯の下)にエッジが入っていて影になっているんだけど、N700系(N700Aでも初期N700系でも同じ)には濃い影筋があるのに対し、N700Sはフラットな影になっている。また、窓の上にあるエッジもN700Sは強い。


N700AはG1編成運用前の試運転時であり、純粋に「影」であり「汚れ」ではないはずだ。窓上のエッジの強さの差がここでもわかる。


この写真だと上部のエッジはあまり差はないように見える・・・他の写真だとけっこう差がわかるのだけど。一方、車体下部の影はわかりやすいと思う。
N700S確認試験車の模型レビューで書いた、N700Sでは肩の部分が角ばっていることがこの写真からもわかるが、それ以外にも車体断面形状にはわずかながら違いがあったようだ。

模型(トミックスJ0編成)ではどうかというとN700系の形状だった。実車ではできないことだが、逆さまにすると影の部分がハイライトになる。肩部の違いはよく再現していたが、側面部の形状違いまでは無理だったようだ。N700Sはボディがすべて新規制作だから共用化や手抜きとかではなく、気付かなかったのだろう。
正直わかるかー!ってレベルなので、この件についてはメーカーを責める気はしないな。写真まで載せて書いといていうのもなんだけど(汗)、黙ってりゃ気づかない程度の差ではあるし・・・
今のところN700Sは4本稼働しているようだが、時刻表では従来のN700系と区別がつかない。ただし、公式twitterで運用列車が公表されているので助かる。


上がJ5編成(量産車)、下がJ0編成(確認試験車)。※以降、比較写真は量産車、試験車の順にしている。
一応、前回の記事には書いたことだが、前回は量産車山側の写真がろくに撮れなかった(14番線だった)ので、3号車山側喫煙ルーム窓の有無を改めて画像にて。


上がJ3編成、下がJ0編成。
10号車海側、11号車寄り車端の業務用室の窓が量産車では省略された。山側では窓が2つ並んだ喫煙ルームの向かい側にあたる箇所である。
この業務用室の窓はN700系から続くものだが、X0(Z0)編成では喫煙ルームがなく、両側とも乗務員室で窓の開閉ができるタイプだった。


上がJ3編成、下がJ0編成。
少しわかりづらいかもしれないが、量産車では11号車の客用窓のうち、行先表示機真下の窓から2つは間隔がやや広い。理由は身障者対応座席の回転機構の都合とのこと。J0編成は等間隔である。
写真ではJ3編成とJ0編成で多目的室の窓の有無に差があるように見えるが、この窓は山側にしかないからそう見えるだけで(J3編成は海側、J0編成は山側)、量産車もJ0編成も窓の大きさ含めて同じである。

真横から量産車の該当箇所。右二つが身障者対応座席の窓で間隔がやや空いていることがわかる。


該当箇所を車内側から見たほうがわかりやすいかもしれない。シートピッチと壁パネルの間隔に差があることが明らかだ。
普通車の標準シートピッチ1040mmに対して身障者対応座席はシートピッチ1138mmで、グリーン車の1160mmに迫る広さである。一方、11号車の他の座席は先頭車と同じ1023mmにして帳尻を合わせている。そのため、定員や座席数は従来のN700系から変わっていない。
今回は量産車の屋根上も撮れたので改めて比較してみる。以降、上がJ3編成、下がJ0編成。言及していない号車は特に差異が見られなかった。


J0編成の2号車にはパンタ及びパンタカバーの取り付け準備工事(取り付け実績はある)があり、滑り止めはそれを避けるようなパターンになっているが、量産車には準備工事はなくシンプルで素直なパターンになっている。


5号車のパンタ部分比較。量産車ではスロープ部分の滑り止めが細くなっている。また、スロープ手前の滑り止めは量産車では左右がつながったパターンになっている。車端の投光器はJ0編成のみ搭載。


8号車は基本的には変わりないが、7号車寄りにあるハッチ(赤枠)周辺の滑り止めパターンが異なる。ちなみに、N700系はJ0編成と同じパターンになっている。


10号車はJ0編成は大型ジョイントが採用されているが、量産車は他の号車と同じ通常の形状になっている。この車両にも屋根上にハッチがあるが(写真右側)、滑り止めはどちらも同じパターンである(N700系から変わっていない)。


5号車と異なり、12号車のパンタカバーはJ0編成でも量産車同様、滑り止めが細いものになっている。また、屋根上の滑り止めも同じパターンになっており量産車も左右でつながってない。
J0編成には架線計測用センサーと思われる装置があるが、そのうち量産車でも搭載される編成が出てくるかもしれない。カバー内の照明は見た感じ数も位置も同じようだ。


15号車も2号車と同様の差異があるが、J0編成は16号車寄り車端の検電アンテナの準備工事がない。

量産車の車端の床下には号車番号が表記されているが、撮影当日に一部のG編成、X編成でも確認している。いずれもきれいな状態だったので全検のタイミングで表記を追加しているらしく、N700S量産車ならではのモノではなさそう。J0編成にもいずれ表記されるだろう。X12編成がすでに廃車になってしまったし、N700系初期車はこの表記をつけることはないかもしれない。
なお、JR西の車両(K・F編成)ではこの表記を確認できなかった。
前回の記事から改めて量産車とJ0編成の差分を羅列するとするとこうなる。
1.前面窓上部の手すりの有無
2.先頭部の台車カバー切り欠きの有無
3.ロゴマークの濃さ(ただし、J0編成全検時に量産車と同じになる可能性あり)
4.2・15号車のパンタ設置準備工事有無
5.3号車山側の喫煙ルーム窓の有無
6.検電アンテナ形状
7.中間車台車カバーの分割線2本タイプの配分
8.10号車海側の業務用室窓の有無(New!)
9.11号車身障者対応座席部分の窓ピッチ(New!)
10.5号車パンタカバーのスロープ部分滑り止め太さと屋根上の滑り止めパターン(New!)
11.8号車屋根上ハッチ周辺の滑り止めパターン(New!)
12.10号車のジョイント形状の違い(New!)
13.12号車パンタカバーの架線計測用センサー有無(ただし、量産車に波及する可能性あり)(New!)
N700Sの量産車とJ0編成の比較は以上。
それ以外に今回の調査で「気づい」ちまったことがあって・・・


上がN700S(J0編成)、下がN700A(G1編成)。車体の腰部(青帯の下)にエッジが入っていて影になっているんだけど、N700系(N700Aでも初期N700系でも同じ)には濃い影筋があるのに対し、N700Sはフラットな影になっている。また、窓の上にあるエッジもN700Sは強い。


N700AはG1編成運用前の試運転時であり、純粋に「影」であり「汚れ」ではないはずだ。窓上のエッジの強さの差がここでもわかる。


この写真だと上部のエッジはあまり差はないように見える・・・他の写真だとけっこう差がわかるのだけど。一方、車体下部の影はわかりやすいと思う。
N700S確認試験車の模型レビューで書いた、N700Sでは肩の部分が角ばっていることがこの写真からもわかるが、それ以外にも車体断面形状にはわずかながら違いがあったようだ。

模型(トミックスJ0編成)ではどうかというとN700系の形状だった。実車ではできないことだが、逆さまにすると影の部分がハイライトになる。肩部の違いはよく再現していたが、側面部の形状違いまでは無理だったようだ。N700Sはボディがすべて新規制作だから共用化や手抜きとかではなく、気付かなかったのだろう。
正直わかるかー!ってレベルなので、この件についてはメーカーを責める気はしないな。写真まで載せて書いといていうのもなんだけど(汗)、黙ってりゃ気づかない程度の差ではあるし・・・