ロマンスカー「NSE」を取材
12月にカトーから小田急ロマンスカー3100形「NSE」の発売予定だけど、これを購入・レビューするとして実車の写真がほしいと思った。「NSE」は既に引退しているものの保存車が存在し、一つは喜多見の車両基地に、もう一つは小田急線の開成駅前にある。前者は非公開なのでどうしようもないが、後者は毎日ではないものの定期的に公開、見学が可能となっている。
開成駅前には2008年にも行っており、その際にも撮影しているが資料としてはろくな画像がない(当時はサイト制作の想定がなかった)。模型は12月発売予定とはいえ何日発売かまでは分からない。11月最後の公開日がチャンスと思い、急遽資料収集しに行くことに。

まず相鉄で海老名まで出て、そこから開成まで下るルートをチョイス。小田急乗車後はせっかくなので先頭部かぶりつき。小田急のかぶりつきなんて何年ぶりだろうか。乗った車両は3000形。本厚木以降は各駅停車になる急行なのでちとカッタルイけど、開成まで乗り換えなしの1本だ。

開成駅到着後、ターゲット確認!公開日であることを確認して来ているとはいえ、無事公開されているのを見て安心。手前の3000形は留置されているもの。開成駅には留置線があり、たいてい何かしらの車両がいる。

開成駅前の大型マンションそばに保存されている。1985年開業と比較的新しい駅ながら、すでに30年近く経っておりマンションや住宅が建ち並ぶ。しかし、そんな駅前の割には電車が到着するとき以外は人も車もほとんどなく、ひっそりしていて不思議な感覚だ。駅のこちら側にはコンビニ1件すらなく、反対側にスーパー「マックスバリュ」があるだけ。食事は別のところで済ませるのが吉。

3100形「NSE」。1963年に登場し、連接構造・低重心という前作3000形「SE」のコンセプトを継承しつつ、2階運転席、前面展望室というロマンスカーのイメージを作り上げた。途中で愛称表示器が自動化されるなどの改造を受けているものの、基本的にはオリジナルの姿と大きく変わらず、いかにも1960年代の車両という印象だ。
「NSE」は1999年に引退、前述したように現在は喜多見の車両基地と今回紹介の開成駅前に保存されている。ここのは元3181F(第5編成)の新宿寄り先頭車。オーナーは開成町で、原則第2・4日曜日と、夏休み中の毎日に公開されている。時間は10:00~15:00と短い。なお、「ロンちゃん」という愛称が付けられている。
車両の後ろにかかっているのは伸縮式ガレージのような格納庫で、公開時以外は完全に格納される。冒頭にも書いたが、いつでも見られるわけではないのだ。
しかし、野ざらしの保存車両がボロボロになっている例がいくつもあることを考えると、こんな簡易な格納庫でも屋根付きで風雨に曝されないというのは大きく、塗装に多少の退色や劣化が見られるものの保存状態は良好。しかも、雨天時には公開中止と徹底している。車両前にある2本のバーには監視カメラもあり、警備会社のステッカーがあるなどセキュリティも厳重。かなり大事に保存されていることがうかがえる。

床下機器は青梅鉄道公園の0系のように撤去されている。奥に見えるのはクーラーの室外機。
台車の撮影は少々苦しいが、先頭形状などいろいろな角度で撮影し、レビューで使える資料を集めることができた。晴天だったので影が気になったがやむを得まい。

車内見学も可能で、妻面にあるアルミ製のドアから入る。左の青い棚は下駄箱。内部は土足禁止でなのでスリッパに履き替える。

車内は絨毯敷きの、まさに土禁仕様。座席は撤去されていて写真などの展示室となっている。

歴代ロマンスカーの写真などが展示されている。前回来た2008年7月時点では「MSE」の写真がなかったが、今回追加されているのを確認。

この記念乗車券、今も持ってます。見てのとおり、駅ができたばかりのころは更地だった。中学生のころだったか、この駅の開業を記念した全68駅パンチ&スタンプを集める企画とかあったのだけど、コンプしたのもいい思い出(その時のパンチ&スタンプも現存)。
路線自体が新しい多摩線(1974年開業)の駅はともかく、小田原線・江ノ島線では1966年開業の湘南台駅以来、1985年開業の開成駅はかなり久しぶりの新駅といえた。その後は1990年に唐木田駅、2004年にはるひ野駅が開業し、現在は全70駅となっている。

この車両は運転席が2階にあるので、車掌氏は都合が悪い(車内巡回とかでいちいちハシゴを上り下りするのは)。そのため、車端には激狭の車掌室が設置さている。締切なので内部を見ることはできなかった。

目玉の展望室には座席が存置されており、2階運転席への階段もある。本来は左のモニタの上にあるシャッターからアクセスするのだけど、保存展示されるにあたり右側に階段が設置された。


展望席に座ってみた。後継車両と比べると窓の上下寸法が小さいものの、それでもなかなかの眺め。目の前に広がるのは開成駅前だが・・・本当に人通りがないな。ロマンスカー展望席はLSEで1回あるだけで、このNSEでは未経験である。

シートは一時期の車体更新でモケットは張り替えているものの、シートバックが低くリクライニングもしないレトロなもの。ただ、クッションはかなりの厚みがあり最近の硬い傾向にあるシートとは一線を画す「ふかふか」な座り心地。

テーブルは現在の主流のシートバック式ではなく、壁付けの折り畳み式。「LSE」「HiSE」にも引き継がれたが、「走る喫茶室(シートまで飲み物等運んでくれる)」の異名だった割には小さなテーブルだ。特に通路側からの使い勝手は悪そう。筆者が家族で乗っていた時は何とかなっていた気がするが、経験はないが知らない人が横だったらどうだったのだろうか。

天井もシンプルかつレトロな香りが。1つだけ色違ってるけど。右手には家庭用のエアコンが見える。夏場でも安心して見学できるというわけだ。

そして2階運転席へ。以前も来ているとはいえ、なかなか見られない場所だけにテンション↑。1963年登場なので0系と同期であり、モニタ装置などは一切ないアナログ感満載なコクピットだ。後継車の2階運転席はスペースの都合からかワンハンドルマスコンが採用されているが、「NSE」は唯一2ハンドル式になっている。

ドライバーズ・アイならぬ、モーターマンズ・アイ?上の方の写真でもわかるが、運転室の床は客室内に出っ張っていて案外高さがあり、やや立て膝気味ながらスポーツカーのように足を前に出すようなポジションではない。「LSE」など後継車はまさしくスポーツカーポジションらしいが。
保存車は1両だけなので、かなり撮ったとはいえおおよそ1時間程度で開成駅を後にした。帰りは小田原経由で東海道線で帰ることにしたが、時間があったので少しだけ小田原で新幹線撮影を。

久々に来たので失敗写真多し。この写真が一番まともだった。もっとも、他の写真を掲載するにもN700系ばかりである。3連休の真ん中なのと、来た時間帯のせいか列車本数も少なく、途中で飽きてしまい入場券の制限時間をかなり余らせて撤収。
p.s.
アーカイブ用の撮影は0系が撮り終わり、現在100系を撮影中。この後は500系・700系・N700系と、どれも16両編成ばかりなので撮影だけで年内終わってしまいそうな予感。
開成駅前には2008年にも行っており、その際にも撮影しているが資料としてはろくな画像がない(当時はサイト制作の想定がなかった)。模型は12月発売予定とはいえ何日発売かまでは分からない。11月最後の公開日がチャンスと思い、急遽資料収集しに行くことに。

まず相鉄で海老名まで出て、そこから開成まで下るルートをチョイス。小田急乗車後はせっかくなので先頭部かぶりつき。小田急のかぶりつきなんて何年ぶりだろうか。乗った車両は3000形。本厚木以降は各駅停車になる急行なのでちとカッタルイけど、開成まで乗り換えなしの1本だ。

開成駅到着後、ターゲット確認!公開日であることを確認して来ているとはいえ、無事公開されているのを見て安心。手前の3000形は留置されているもの。開成駅には留置線があり、たいてい何かしらの車両がいる。

開成駅前の大型マンションそばに保存されている。1985年開業と比較的新しい駅ながら、すでに30年近く経っておりマンションや住宅が建ち並ぶ。しかし、そんな駅前の割には電車が到着するとき以外は人も車もほとんどなく、ひっそりしていて不思議な感覚だ。駅のこちら側にはコンビニ1件すらなく、反対側にスーパー「マックスバリュ」があるだけ。食事は別のところで済ませるのが吉。

3100形「NSE」。1963年に登場し、連接構造・低重心という前作3000形「SE」のコンセプトを継承しつつ、2階運転席、前面展望室というロマンスカーのイメージを作り上げた。途中で愛称表示器が自動化されるなどの改造を受けているものの、基本的にはオリジナルの姿と大きく変わらず、いかにも1960年代の車両という印象だ。
「NSE」は1999年に引退、前述したように現在は喜多見の車両基地と今回紹介の開成駅前に保存されている。ここのは元3181F(第5編成)の新宿寄り先頭車。オーナーは開成町で、原則第2・4日曜日と、夏休み中の毎日に公開されている。時間は10:00~15:00と短い。なお、「ロンちゃん」という愛称が付けられている。
車両の後ろにかかっているのは伸縮式ガレージのような格納庫で、公開時以外は完全に格納される。冒頭にも書いたが、いつでも見られるわけではないのだ。
しかし、野ざらしの保存車両がボロボロになっている例がいくつもあることを考えると、こんな簡易な格納庫でも屋根付きで風雨に曝されないというのは大きく、塗装に多少の退色や劣化が見られるものの保存状態は良好。しかも、雨天時には公開中止と徹底している。車両前にある2本のバーには監視カメラもあり、警備会社のステッカーがあるなどセキュリティも厳重。かなり大事に保存されていることがうかがえる。

床下機器は青梅鉄道公園の0系のように撤去されている。奥に見えるのはクーラーの室外機。
台車の撮影は少々苦しいが、先頭形状などいろいろな角度で撮影し、レビューで使える資料を集めることができた。晴天だったので影が気になったがやむを得まい。

車内見学も可能で、妻面にあるアルミ製のドアから入る。左の青い棚は下駄箱。内部は土足禁止でなのでスリッパに履き替える。

車内は絨毯敷きの、まさに土禁仕様。座席は撤去されていて写真などの展示室となっている。

歴代ロマンスカーの写真などが展示されている。前回来た2008年7月時点では「MSE」の写真がなかったが、今回追加されているのを確認。

この記念乗車券、今も持ってます。見てのとおり、駅ができたばかりのころは更地だった。中学生のころだったか、この駅の開業を記念した全68駅パンチ&スタンプを集める企画とかあったのだけど、コンプしたのもいい思い出(その時のパンチ&スタンプも現存)。
路線自体が新しい多摩線(1974年開業)の駅はともかく、小田原線・江ノ島線では1966年開業の湘南台駅以来、1985年開業の開成駅はかなり久しぶりの新駅といえた。その後は1990年に唐木田駅、2004年にはるひ野駅が開業し、現在は全70駅となっている。

この車両は運転席が2階にあるので、車掌氏は都合が悪い(車内巡回とかでいちいちハシゴを上り下りするのは)。そのため、車端には激狭の車掌室が設置さている。締切なので内部を見ることはできなかった。

目玉の展望室には座席が存置されており、2階運転席への階段もある。本来は左のモニタの上にあるシャッターからアクセスするのだけど、保存展示されるにあたり右側に階段が設置された。


展望席に座ってみた。後継車両と比べると窓の上下寸法が小さいものの、それでもなかなかの眺め。目の前に広がるのは開成駅前だが・・・本当に人通りがないな。ロマンスカー展望席はLSEで1回あるだけで、このNSEでは未経験である。

シートは一時期の車体更新でモケットは張り替えているものの、シートバックが低くリクライニングもしないレトロなもの。ただ、クッションはかなりの厚みがあり最近の硬い傾向にあるシートとは一線を画す「ふかふか」な座り心地。

テーブルは現在の主流のシートバック式ではなく、壁付けの折り畳み式。「LSE」「HiSE」にも引き継がれたが、「走る喫茶室(シートまで飲み物等運んでくれる)」の異名だった割には小さなテーブルだ。特に通路側からの使い勝手は悪そう。筆者が家族で乗っていた時は何とかなっていた気がするが、経験はないが知らない人が横だったらどうだったのだろうか。

天井もシンプルかつレトロな香りが。1つだけ色違ってるけど。右手には家庭用のエアコンが見える。夏場でも安心して見学できるというわけだ。

そして2階運転席へ。以前も来ているとはいえ、なかなか見られない場所だけにテンション↑。1963年登場なので0系と同期であり、モニタ装置などは一切ないアナログ感満載なコクピットだ。後継車の2階運転席はスペースの都合からかワンハンドルマスコンが採用されているが、「NSE」は唯一2ハンドル式になっている。

ドライバーズ・アイならぬ、モーターマンズ・アイ?上の方の写真でもわかるが、運転室の床は客室内に出っ張っていて案外高さがあり、やや立て膝気味ながらスポーツカーのように足を前に出すようなポジションではない。「LSE」など後継車はまさしくスポーツカーポジションらしいが。
保存車は1両だけなので、かなり撮ったとはいえおおよそ1時間程度で開成駅を後にした。帰りは小田原経由で東海道線で帰ることにしたが、時間があったので少しだけ小田原で新幹線撮影を。

久々に来たので失敗写真多し。この写真が一番まともだった。もっとも、他の写真を掲載するにもN700系ばかりである。3連休の真ん中なのと、来た時間帯のせいか列車本数も少なく、途中で飽きてしまい入場券の制限時間をかなり余らせて撤収。
p.s.
アーカイブ用の撮影は0系が撮り終わり、現在100系を撮影中。この後は500系・700系・N700系と、どれも16両編成ばかりなので撮影だけで年内終わってしまいそうな予感。