想いは、引き継がれる。小田急イベント「THE LAST GREETING」レポート

3月16日、小田急から3形式が同時に引退となったが、それらを集めたさよならイベント「THE LAST GREETING」が3月24・25日に開催された。今これを書いている最中も開催中だと思うが、筆者は24日に行ってきたので早速レポート。

この日は午前中は武蔵浦和に用事があり(鉄関係ではない)、その後埼京線で新宿に行き、海老名に向かうスケジュールとした。60000形「MSE」充当の「あさぎり/えのしま」が時間的にもちょうどよいため、相模大野まで利用することにした。

MSEは筆者が小田急沿線を離れてから登場したロマンスカーなので、なかなか利用機会がなかったが今回が初乗車となったので、まずは乗車インプレを。

●MSE乗車インプレ編

MSE「あさぎり/えのしま」は12:50発だけど、12:00ちょい過ぎくらいに新宿に着いたので、改札内の「ロマンスカーカフェ」で昼食&休憩(食事系はあまり充実してないけど・・・)。

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ロマンスカー用ホームに向けられたカウンター席は特等席と言っていいだろう。

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お目当てのMSEは2・3番線(専門的には2号線というやつか)に入線。充当は60051F+60251Fのトップナンバー編成。同車は東京メトロ千代田線との乗り入れを中心に運用されてきたので、これまでは代走以外で新宿に顔を出すのは珍しいイメージがあったが、このたびの改正で新宿発着が多数設定、「あさぎり」運用も含めてレギュラー化した。先のVSEの前の「はこね」もMSEが充当されていたくらいだ(ただし、本来はLSEなので代走)。

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従来、分割ロマンスカーは30000形「EXE」の独壇場だったが、今回の改正でMSEにも分割が登場。今回乗車する「あさぎり/えのしま」もその一つで、これは御殿場線に乗り入れできるMSEならではの運用だ。

江ノ島線ユーザだった筆者にとって、JR(国鉄)に乗り入れていることも含め、「あさぎり」は特別な存在と言うか、遠い存在だった。他社線に乗り入れるという性質上、専用の形式で運用されてきたし、過去に「あさぎり」で活躍していた3000形「SSE」は「えのしま」でも数多く活躍していたものの(筆者には後者のイメージのほうが強い)、完全に別運用だった。

EXEが登場してから小田原線・江ノ島線で分割併合する列車が登場し、「はこね/えのしま」とかならまあアリだよね、という感じだったが、まさか「あさぎり」と「えのしま」とくっつく日が来るとは思わなかった。御殿場線乗り入れ可能+分割併合運転可能+さらにはメトロ乗り入れも可能という、文字通りMSEの「マルチっぷり」を見たような気がした。

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前6両が「あさぎり」で、後ろ4両が「えのしま」となり、相模大野で分割する(「あさぎり」が相模大野に停車するというのも不思議な感じ)。連結部は3000形(通勤車のね)後期車のように「車両連結部です・・・」みたいな音声が流れることを初めて知った。

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フルカラーLEDの行先表示には愛称と行先が交互に表示されるが、「あさぎり」には赤い「特急」の文字が付く。「えのしま」も含め、メトロ・線内運用にはないが、これもJRに乗り入れるという特殊事情によるものか。

今回の改正で御殿場まで運転区間が縮小されたものの、さすがに「連絡急行」への格下げはなかったようだ(w。

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車内のイメージはVSEに良く似ている(デザイナーが同じだしね)。荷棚の下にはVSEのようにLED灯がビシッとあるのだが、節電のためか消灯していた。

この車両はシートが硬いとか酷評されるけど、座ってみたら想像よりは悪くないと感じた。確かに従来車と比べると硬めのシートで、特に背中の腰あたりの出っ張りを強く感じるけど、フル乗車しても疲れは少ないんじゃないかな。ただ、シートバックが「板」という感じなので、サイドのホールド感はもう少し欲しいかも。

今回は相模大野までなので、そのうち小田原あたりまで乗ってみようか。足元はけっこう広いし、個人的にはそんなに不満を感じなかった。

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VSEもそうだが、EXE以前の形式と比べると窓の上下サイズが狭い。下端が上がったようで、ご覧のように肘掛との距離がけっこう開き、(必要性はともかく)窓枠に肘を置くのは困難。E4系の階下席にいるようだ。

当日、この列車は点検で出発が10分程度遅れた。車内清掃後、出発時刻になってもドアが開かないから何があったのかと・・・イベントも遅くまでやっているわけではないから、ちょっと焦った。結局、半自動扱いでアテンダントが操作するドアコックで開けるという事態に。

乗車率は50%くらいとあまり振るわず(横に誰も座らなかったので快適だったが)、時間的に需要が少ないようだ。

点検によるダイヤ乱れで、なかなか速度が上がらず相模大野に着いた時には20分遅れ。影響で後ろの急行も遅れてきたので、海老名に着いた時には30分遅れとなってしまった。

●「THE LAST GREETING」イベント編

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3月16日に引退した10000形「HiSE」、20000形「RSE」、5000形を一堂に集めて展示するというイベント「THE LAST GREETING」が海老名の車両基地で行われた。海老名のイベントというと、毎年秋に開催される「ファミリー鉄道展」があるが、今回のイベントはそれを縮小して春に実施した感じである。

車両展示が主で保線機械の実演もないし、物販も小田急関係のみだったり、ビナウォークでも特になにも行われていないが、確かにノリとしては「ファミ鉄」とよく似ている。

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昨年のファミ鉄を考えると、25日は天気が良かったのでかなり混雑したに違いないが、24日はあいにくの雨だったものの、おかげで車両展示コーナーには待つことなく入場できた。

午後から晴れると聞いていたので傘を持って出なかったのだが、海老名に着いたら急に激しく降り出し、結局駅でビニール傘を買うハメに・・・カメラを濡らさないよう、注意して撮影した。

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昨年秋のファミ鉄にも5000形・5200形が展示されていたが、今回は最後に残った5063Fが展示。ラストラン仕様ということで、小田急ブランドマークは消されていた。

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車内の広告は、すべて今回の引退車両のもので統一されていた。

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ロマンスカー2車は時代の流れに負けて短命になってしまったが、5000形は老朽廃車ということもあって、2段窓、網棚、バケットタイプでないシート、寒色系の車内など、近年の通勤車にはない味を見せている。

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ロマンスカー「HiSE」は昨年のイベントでも見ているが、最後なので今回も車内見学をしてみた。車内は見学者が多く、通路で渋滞しなかなか動けなかったけど。

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昨年は10月なのに真夏日、しかも空調OFFだったので車内に長くいることができなかったが、今回は座席に座ってじっくり堪能。リクライニングしないし、シートバックも低いが、乗ってきたMSEと比べても座り心地が良いシートだ。壁から引き起こすタイプで、通路側からは利用いにくいテーブルも時代を感じる(テーブル下には栓抜きがある)。

こうして見ても、先のMSEは窓の下端が上がっていることがわかると思う。

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2階建車が特徴の20000形「RSE」も車内見学可能で、特に2Fのスーパーシート(御殿場線内はグリーン車扱い)を公開。

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前述のように、筆者は「あさぎり」には縁がなかったので、RSEもデビューしたてに新宿→町田で1回乗っただけという、非常に馴染みの薄い車両である。そのため、2階のスーパーシートは最初で最後の立ち入りである。2階建のグリーン車は筆者の地元でイヤというほど走っているが、こちらは座席指定の特急だし、2+1列配置なのでシートの幅が広く、まるで新幹線のグリーン車のようないでたちだ。

HiSEもそうだが、営業運転はすでに終わっているため、シートカバーは外されている。

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「地元のグリーン車」もそうだが、今さらながら2階席からの眺望は素晴らしい。目の前にある出っ張りは雑誌置き場になっていて(この一角だけ座席がない)、現役で走っていたころはいろいろ置いてあったのだろうか。

ところで、窓の外に人の頭!?ここ2階だよね?まさか心霊写真(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

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(゚Д゚)ハァ?

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要するに、階下席の見学もやっていたと。階下席は通り抜けできないので、客用扉から入った後、非常口から降りていたというわけ。筆者が座っていた前にある出っ張りは、非常口の階段スペースだったのだ。RSEがデビューして以来、最後にして初めて知った事実だった。

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というわけで、階下席も見学しましたよ。階下は簡単なガラス仕切りで区切られた4人個室(セミコンパートメント)になっていて、ソファタイプのシートになっている。ただし、窓はかなり上方にあり眺望はよくない。グループでワイワイおしゃべりしながらの席ってことですかね。

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車内見学を終えたころに青空が広がってきた。傘買ったのに(w。でも、おかげでなかなかのショットを撮ることができた。イベント会場と考えれば、上出来だろう。

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そろそろ引き上げようとしたら、EXEの乱入キター!周りの声を聴いていると、一般の家族連れは「エグゼ」って呼ぶのね。正しくは「エクセ(エクセレント・エクスプレス)」なのだけど、まあ「EXE」という表記ではやむを得ないか。中には「新幹線の300系がきた!」と言った、すごい子供もいましたが(苦笑)。

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かなり奥に停車したので、並びはきついが・・・

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しかし、入れ替えのためだったのかすぐに折り返しで動いてきた。というわけで、強引にロマンスカー3並び実現。この後、車両展示会場を後にした。

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会場出口に3形式分用意された寄せ書きが(写真はHiSE用)。筆者は書かなかったが、これだけ愛されていたということで、各車両も幸せだったに違いない。

3形式とも今後の処遇は不明だが、HiSEはすでに2編成が長野電鉄で活躍中で、今回展示車両が保存されるかどうかは微妙なところだ。RSEは富士急と譲渡の交渉が伝えられているがまだ未確定。5000形は車歴的に他社譲渡はありえず、保存についても特にアナウンスはない。似たような2600形が保存されているので、はたしてどうなるか・・・

いずれにしても、筆者には少しでも保存されるように祈るばかりだ。

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新幹線模型のために節約しなきゃならないから(?)、数多くのグッズのうち記念の乗車券・入場券セット(2,000円)のみ購入した。LSEからMSEまでの歴代ロマンスカーが写っているポストカード付き。模型ではない小田急グッズは久しぶりの購入となった。

今回は3形式が一気に引退してしまったが、小田急ではしばらく引退車両はないと思う・・・と思ったらLSEがあったか。引退時期は明らかにされていないが、そう長くはないはずだ。これも引退騒ぎになる前に撮影しておいた方がいいだろう。

というわけで、今年は新幹線だけだはなく、なるべく小田急も撮っていくつもり。長々と書いてしまったが(いつものことだけどね)、お付き合いありがとうございました。
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