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トミックスからE7系上越新幹線(朱鷺色)と500系「のぞみ」発売決定

トミックスからE7系上越新幹線色と500系「のぞみ」の発売が発表された。

●97920 限定品 JR E7系上越新幹線(朱鷺色)セット 34,700円
(税抜き表示)

2020年2月発売予定。

●98363 JR 500系東海道・山陽新幹線(のぞみ)基本セット 11,800円
●98364 JR 500系東海道・山陽新幹線(のぞみ)増結セットA 9,900円
●98365 JR 500系東海道・山陽新幹線(のぞみ)増結セットB 21,000円

(税抜き表示)

2020年3月発売予定。

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熊谷駅を通過中のF22編成。

発売されるのは時間の問題と思っていたが、昨年3月より運転されているE7系の上越新幹線向けの一部編成にピンク帯+専用ロゴが施された姿を再現した製品。限定品で12両編成で1セットとなる。実車がオリジナルの塗装を活かしつつピンク帯とロゴを追加した程度の変更なので、模型化も比較的容易だったと思われる。なお、昨年発売のE5系・E6系製品でも再現されていた荷物室の窓埋め(対象となるF21・22編成は最初から埋まっているが)も再現される。

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山手線・京浜東北線と並走し、東京駅に乗り入れていた頃の500系。

500系は「のぞみ」で運用されていた16両編成時代の製品。トミックスはここしばらく8両編成に改造された後の製品は再生産も含めて数多く出しているが、16両編成は久々のテコ入れということになる。

もっとも、新モーターやフック・U字型通電カプラーの採用はあるものの、従来製品から製品構成の変更が行われる程度と考えた方がよさそうだ。従来製品は一部単品を揃える必要があって前時代的だったが、他製品並みに水準になったといえるだろう。

筆者は従来製品持ってるのでたぶんスルーだが、欲しいと思っていた人にとっては揃えやすくなり朗報ではないだろうか。

p.s.
E7系に触れたついでに。台風被害で水没したE7系の映像はショックだった。E7系8編成、W7系2編成が被害にあったという(編成は不明)。自動車だとエンジンに水が入るとダメといわれるが、見た感じ床下機器はすべて水没、車内も荷棚や天井以外は水没しているように見え、鉄道車両にとっても厳しい状態であることには変わりない。

素人の筆者がどうこういっても詮無いが「修理はできる」のだろう。ただ、そのコストが新車で作り直した場合と比較して見合わないと判断された場合、水没車両は(ある程度パーツは流用するにせよ)全編成廃車の可能性も否定できない。今回は被災車両が多すぎて修理・新製いずれにしても時間がかかるだろうが、北陸新幹線を走れる車両は実質E7・W7系しかないから上越新幹線に配備されている&配備予定のE7系でなんとかするしかなさそう。その分、E4系は廃車予定が延期される可能性がありそうだが・・・

1日も早い復旧を願ってやまない。

トミックス700系0番台に行先表示ステッカーを貼る

少し時間が経ってしまったが、トミックス700系0番台の無償交換対応が完了し戻ってきた。

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行先表示機が正常な大きさになった8号車と12号車(エラーがあった時の状態はレビュー記事にて)。

さて、せっかく戻ってきた700系、快気祝い(?)に行先表示ステッカーを貼る方法を検討してみた。なお、トミックスの新幹線は伝統的に行先表示ステッカーは付属しないので、カトーの700系やマイクロの300系からの流用、もしくはサードパーティ製を用意する必要がある。今回はカトー700系のステッカーを流用した。

●中間部編

偶数号車のように、客用扉間に行先表示機があるパターンをここでは「中間部」と呼ぶことにする。

中間部の場合、もともとガラスは入っているのでステッカーを貼るだけならば簡単なんだけど、所謂「はめ込みガラス」ではないのでガラス面が相当奥まっており、そのままでは行先表示も奥まりすぎてしまう。

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そこで、プラ板を使ってかさ上げしてみる。小さいので貼り合わせるのが大変だったが、とりあえずエバグリの0.4mmを重ねて0.8mmにする。

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プラ板を行先表示機部分にはめ込む。形状は行先表示機にピッタリ合わせる必要はなく、おおよそのサイズが合っていればよい。座席表示も同様の方法でかさ上げするが、こっちが小さいので一苦労・・・

プラ板の固定は(これも小さくて切り出すのが大変だったけど)両面テープを使った。貼って剥がせる接着剤とかでもいいかもしれない。もちろん、可逆性をガン無視するなら「男は黙ってプラ接着剤」でも構わないが。

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かさ上げしたプラ板に行先表示ステッカーを貼る。カトーのサイズだと微妙に上下に大きく、結構ギリギリで切らなければならなかった。一応、直接ガラスに貼るよりはかなりマシなのではないだろうか。「これじゃ室内灯の光が通らんだろタコ」と思われる場合は透明プラ板でかさ上げすればよいだろう。後述の車端部は光が来ないので、個人的には中間部でも光を透過させる価値はあまりないと思うが・・・

座席表示は一度貼ってみたがミスで剥がしてしまった。こっちはグリーン車除く13両に4箇所あるわけで、かさ上げ以前にステッカーを切り出すだけでも大変だと思われ。ただ、貼り方自体は行先表示と同じだ。

●車端部編

「レースルター」もそうだが、トミックス700系に行先表示ステッカーを貼る場合、奇数号車のように行先表示機が車端にある場合だとガラスが実装されておらず、そのままでは貼りようがないという問題がある。

つまり、「ステッカーを貼る方法」から考えなくてはならない。

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そこで、プリンタで印刷できるラベル(裏に糊がある)を使用する。白でも透明でもよいが、なるべく薄いものを使用するのがポイント。写真のPLUSのやつだと0.1mmとのことだ。ただし、結構前に買ったラベルなので今も同じ製品が売っているかはわからない。裏にスペックが書いてある製品も多いので確認するのがよいだろう。

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ボディを床下から外し、行先表示機の裏から写真のようにラベルを貼る。「なるべく薄く」と書いたのは可動幌との干渉を避けるためで、今回使用した0.1mmであれば問題なかった。当初は可動幌の干渉を避けるために段差の高いほうに貼ることも考えたが、後の作業を考えると可動幌が干渉しないのであれば写真のように貼った方がよい。

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表面から見るとこんな感じになる。

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そこに中間部でやったのと同じようにプラ板をはめ込む。今回は0.4mmのプラ板を1枚だけでかさ上げした。プラ板は行先表示機の半分くらいの面積でしか支えられていないことになるが、実用上は問題ないと思われる。ラベルだと糊があるので、そのままプラ板が固定できるのが非常に楽。

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ステッカーを切り出して貼ってみた。結構いいんじゃね!?

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ここで床下を復元。「新大阪」の右側、少し隙間ができてしまった。表示機の四隅に曲線があるので、きっちり大きさを決めるのが難しいんだよね。座席表示はもっと大変、申し訳ないが今回はパスで。

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車端部もなんとか、行先表示機の「穴」から可動幌がひょこひょこ見えるのが改善されたと・・・客用窓からの可動幌はどうしても消せないが。

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ツライチ度にかなり差が出てしまったが、こうして比べてみると下の車端部(11号車)はちょっとツライチが過ぎるというか、「表示機のガラス面」としてはこんなもんだと思うけど、幕式は幕が奥まった位置にあるから影が落ちてる中間部(12号車)の方が個人的にはリアリティを感じるな。LED式なら11号車くらいの表現でいいかもしれないけど。

12号車(中間部)は0.8mmくらいのかさ上げでちょうどよいとして、11号車(車端部)は0.2mmくらいのかさ上げで良かったかもしれない。車端部はラベルの糊で貼り付いているだけだから調整・交換は楽だと思う。

今回はここまで。サイズがさらに小さいので苦労しそうだが、一応「レールスター」にも応用できると思う。あとは可逆性をどこまで確保するか、ツライチ度をどのくらいにするかなど(12号車の方がリアルだというのは筆者の好みに過ぎない)、お好みで各自調整してみてほしい。

第59回全日本模型ホビーショーのレポート

恒例の全日本模型ホビーショーのレポート。

・・・と、会場行く前にN700Sの試運転情報を手に入れたので急遽浜松町で屋根上動画撮影。
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少しだけN700Sのレビュー記事に情報足しときました。

浜松町からモノレール→天王洲アイル経由りんかい線で東京テレポート駅へ。

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今年は「いつものビックサイト」ではなく、青海会場で実施となった。お台場のど真ん中、東京テレポート駅のすぐ前なので本家よりアクセスがいいかもしれない。

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カトーの瑞風(ピントが先頭に来てないな)。もう新幹線は後で紹介するトミックス以外はすっかり新作がなくなってしまった。小田急もGMの8000形バリエーション展開だけで。

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あちこちに出店しまくってるポポンデッタは最近はメーカーにもなりつつある。南海30000系とか出てそうで出てない製品化など、ニッチ狙いでマイクロのような立ち回りを思わせる。ネタがあまりなさそうだが、そのうち新幹線も出したりするんだろうか・・・ポポンデッタ製新幹線、レビューしてみたい(w。

そして、現在唯一の新幹線Nゲージメーカーといえるトミックスブースへ。

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すでに発売済みの先頭車のみ「ファーストカーミュージアム」のほか、1/80の「鉄顔コレクション」なるものが発表されていた。コレクションを飾りたい、でもスペースが厳しいとなるとこういう路線になるのかなと。

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来年1月発売予定のN700系4000番台(JR西日本のN700A)。まあ、試作品といっても既存のN700A製品のJRロゴ色が変わっただけなので・・・

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同じく来年1月発売予定の0系1000番台も試作品があった。既製品があるN700Aと違い、こちらは試作品展示はないと踏んでいたので意外だった。

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すでにアナウンスされているが、見た感じにも大窓車の製品がベースになっていることがわかる。未塗装品とはいえ行先表示機や側面の非常口のモールドも確認できたし、出来については心配なさそうだ。

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食堂車ユニット(27形+36形)も確認。実車では3両づつしか存在しなかった1000番台の食堂車ユニットで、カトー製品以来のものである。床下機器などは確認できなかったが、そのへんは製品を入手してからのお楽しみということで。

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800系のミッキーマウスラッピング仕様2種。並べるとなかなか映えるね(スルー予定だが・・・)。

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トミックスも瑞風を展示していた。後ろの写真が先ほどのカトーのジオラマみたいで、瑞風の有名撮影地だったりするんだろうか。

鉄道模型はここまで、以降は会場で気になったものを。

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バンダイのブースに展示されていた南ことりはフィギュアではなくプラモデルなんだそうで。しかも未塗装・・・というか、ガンプラのような着色済みのキット。ガンプラの技術がここまで進んだってことだよね。すごい!

なお、数日前にリリースされた「スクスタ」も早速やってます。筆者の「ZenFone 3 Ultra(Snapdragon 652搭載)」ではけっこうギリギリで、発熱と電池の消耗が・・・ハイスペックなスマホにしようにも、画面が小さくなるのは困りもの。

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ファミコンなどの「ミニ」製品がいろいろ出ているが、これは懐かしのパソコン「NEC PC-8001」のミニ。Windowsやインターネットなんて微塵も存在しなかった時代のパソコンだ。

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初代プレイステーションとセガサターンのプラモ・・・まではいかないかもだが、「組み立てることで理解できる」がコンセプトのようで。

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1/12のテーブル筐体やアップライト筐体で懐かしいゲームセンターを再現。後方にある「ダライアス」は画面が動いていて「すげえ」と思ったが、よく見ると後ろにスマホが刺さっていた。

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X68000もミニが出るのかと思ったらラズパイのケースだった。でも、「X68000ミニ」は心の中で期待が大きかったりする。このツインタワーみたいな見た目、惹かれるんですよ(今でも自室に本物が静態保存されてる)。

今回は自動車と航空機に目を引く製品がなかったので、鉄道模型以外はゲーム・パソコンばかりになってしまった。工具とか塗料とか他にも面白そうなものはたくさんあったが、これにて今年のレポは終了。

トミックスから0系1000番台、N700系4000番台、800系ラッピング車発売決定

トミックスから新幹線製品がいくつか発売発表された。まずは0系1000番台から。

●98680 国鉄 0-1000系東海道・山陽新幹線基本セット 18,200円
●98681 国鉄 0-1000系東海道・山陽新幹線増結セットA 8,000円
●98682 国鉄 0-1000系東海道・山陽新幹線増結セットB 17,200円

(税抜き表示)

2020年1月発売予定。

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R9編成、2002年新大阪にて。新幹線趣味に入って最初に遠征した時に撮影した写真で、色調・明るさは少し調整した。

昨年下旬くらいから発売された新幹線製品に付属のアンケートキャンペーン「リリースコンテスト」で、0系1000番台が新幹線編で第1位になったため製品化が決定した(製品化発表自体はすでに公表されていたが、製品仕様が出るまで記事化を保留していた)。ちなみに、筆者は300系後期型やE5・E6系のアンケートで「とれいゆ」と半々で入れていたが(911形はまあ・・・)、別に「とれいゆ」だって発売してもいいのよ?

1000番台についてはすでに発売されているマイクロエースのレビューも参考にしてもらうとして、今回のプロトタイプは全車1000番台で構成されたN97~99編成である。当時ひかり用編成(H編成)が96本あったので連番になっており、特に食堂車ユニットが小窓なのはこの3編成のみ。カトーの2000番台は小窓で揃えたかったのか食堂車ユニットを1000番台にしていたが、今回の製品化でようやく本来の編成に組み込まれることになる。

N97・98編成はJR東海、N99編成はJR西日本に継承されたが、編成内の車両入替が日常茶飯事だった0系において、N98編成は唯一入れ替えがなかった編成である(編成解体後、一部他の編成に組み込まれた車両はある)。

模型の仕様は2014年に発売された大窓車をベースに、1000番台のボディが新規制作される形となる。小窓や方向幕になった行先表示だけでなく、ボンネット搬入口の形状、側面の非常口形状も忠実に再現されるとアナウンスされている。床下は偶数形式の整流器ダクトの数が従来製品の2から1になるはずだが、ここまでやるかは不明だ。ただ、ここをやっておけば大窓車の後期型(16次車以降)にも活きるから、是非という願いはある。

それにしても、1000番台は0番台との混在編成が圧倒的に多くて、実際にマイクロ製品はそれを再現していたのだけど、トミックスはまずは1000番台の形式を一通り作っておいて、追々混在編成も製品化していく算段だろうか。なかなか焦らすじゃあないか。これで大窓の後期車(16次車以降)の製品があれば、今後0系のバリエーション展開はしばらく困らないだろうし非常に楽しみ。

なんなら、この勢いでドクターイエローT3編成も!

お次はN700系4000番台(F編成)。

●98683 JR N700-4000系(N700A)東海道・山陽新幹線基本セット 21,500円
●98684 JR N700-4000系(N700A)東海道・山陽新幹線増結セット 20,800円

(税抜き表示)

2020年1月発売予定。

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新幹線に限らず「4000番台」って珍しい。

「N700A」はJR東海所有の1000番台(G編成)は発売されているが、今回の4000番台(F編成)は「JR西日本版のN700A」となる。実車の時点でG編成との差異がほとんどないので仕方がないが、製品は従来の1000番台からJRロゴの色がJR西日本のブルーになり、収録インレタの内容が変わる程度だと思われる(そして、相変わらずZ0編成ベースと・・・)。上の写真でも確認できるが、台車カバーの中心上にある空気ばねカバーの塗装が白とグレーで塗り分けられているのがG編成とのわかりやすい差ではあるけど、ここは再現されないだろう。

なんとなく今更感がある製品だけど、G編成発売当時は1編成しかなかったF編成も、その後の増備で現在では従来型のN700系(K編成)より多い勢力になっているので、同社のバリエーション展開的にも製品化されておかしくないともいえる。この調子だとK編成もしれっと製品化されそうな気もするが・・・

最後に800系ラッピング車。10月発売の「黄色のやつ」は過去記事でも扱わなかったので今回まとめて。

●97914 限定品 九州新幹線800-1000系(JR九州 Waku Waku Trip 新幹線)セット 30,000円
●97915 限定品 九州新幹線800-1000系(JR九州 Waku Waku Trip 新幹線 ミッキーマウス&ミニーマウス デザイン)セット 30,000円

(税抜き表示)

上は「黄色」でU007編成、2019年10月発売予定。
下が「赤色」でU009編成、2019年12月発売予定。

こちらはさすがに画像はないので(今から九州に行くのは・・・)ビジュアルはメーカー公式等を見ていただきたいが、ミッキーマウスのスクリーンデビュー90周年を記念したキャンペーンに伴うラッピング仕様の製品。「黄色」は2019年5月から運転の第1弾、「赤色」は2019年8月から運転の第2弾となる。なお、それぞれ運転終了が9/1、11/27とアナウンスされており、この2編成が同時に見られるのは今月いっぱいということになる。

模型の仕様は従来の800系1000番台そのもので、さすがに先頭部のレタリング類はきちんと印刷されていると思うが、連結部は相変わらずの外幌レス仕様である。黄と赤を揃えて並べると「非常に映えそう」だが、とりあえず筆者はスルー予定。前述の0系やN700系に向けて予算を温存しておきたいというのもあるが、正直筆者がミッキーマウスを好きじゃない・・・のが最大の理由(苦笑)。

トミックス N700S確認試験車(J0編成) レビュー

2019年6月、トミックスよりN700S確認試験車(J0編成)が発売された。

●98670 JR N700-9000系(N700S確認試験車)新幹線 基本セット 21,500円
●98671 JR N700-9000系(N700S確認試験車)新幹線 増結セット 20,800円


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N700Sは東海道・山陽新幹線向けの新型車両で、2018年3月に「確認試験車」J0編成が登場した。現在は各種試験を行っており、2020年度に量産車が営業運転を開始する予定である。N700SのSは「Supreme(スプリーム、最高の)」からのもので、N700S系とはいわないし、かといってN700系〇〇番台でもなく、それでいて新しい形式番号が割り振られているというこれまでにない扱いになっている。

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編成記号は300系で使用されていた「J」。現在試験走行を繰り返している確認試験車はJ0編成となる。

基本的にはN700系を発展させたような車両で、特に見た目は先頭形状以外はほとんど変わらず新形式といわれてもぱっとしない部分もあるが、走行機器類は新形式と呼ぶにふさわしいほど大幅に刷新されている。従来のN700系、700系は4両で1ユニットを構成していたが、N700Sでは機器類の小型化で2両1ユニット化しており、JR東海では「標準車両」と呼んでいるが、同じく2両1ユニットだったかつての0系のように柔軟な編成構成に対応できるとしている。

同車は16両編成で落成しているが8両編成に組み替えての試験も行っており、東海道新幹線のみならず山陽新幹線や九州新幹線の500系、700系、800系の置き換えも想定していると考えられる。リニア開通後に東海道新幹線の利用客が減ったとしても16編成からの減車が容易になるし、東海道・山陽新幹線で行う予定はないものの360km/hの速度試験も実施しており、海外への売り込みも想定。まさに高汎用性の「標準車両」とえるだろう。

さて、そんなN700Sの模型がトミックスより発売された。プロトタイプは当然、現在それしか存在していない確認試験車J0編成で、N700Sが営業運転に入る前に発売されたことになる。ただ、トミックスはN700系の時も先行量産試作車Z0編成を先立って発売、量産車が登場すればそちらも発売しており、今回も同じパターンを踏んだだけだといえる。したがって、N700Sも今後量産車が発売されることは既定路線だ。

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N700系ではZ0編成や3000番台(N編成)はスターターを意識した3両基本セット+増結セットだったが(最近3両基本セット自体やらなくなった気が)、今回は基本セット8両+増結セット8両のシンプルな構成。ウレタンは先日発売の700系0番台と同じくパンタの位置を調整できるタイプが採用され、16両編成を号車順に収納することができる。

製品名は「N700-9000系」となっておりZ0編成とかぶりそうな気がするが、Z0編成の製品名は「JR N700系 東海道・山陽新幹線(Z0編成)」だったので、とりあえず重複していない。量産車の製品名が気になるところだが・・・

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付属品はこれだけ。基本と増結にそれぞれ同梱されている。

インレタは形式番号が同じく印刷済みだったN700系Z0編成と似た構成。ただし、前面窓の編成番号と禁煙マークは印刷済みになったので含まれない。Z0編成は営業運転に用いられることはなかったが、N700系では唯一喫煙ルームがない(とされている)ため、禁煙マークが貼られていない車両が存在した。

左はパンタ車の車端部に取り付ける投光器のパーツ。これはZ0編成の付属品と同じものだ。

最近の新幹線模型はバリエーション展開が主だったので、久々に新しい先頭形状の製品が出たといえる。なので、先頭部は少し詳しく見ていこう。

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「デュアルスプリームウイング」という先頭形状はなんとなくLMPクラスのレーシングカーを思わせる稜線を両側持っていて、このためにヘッドライトに至るまでのサイドラインが水平に近く、ここはN700系との大きな差といえる。3段になった青帯もこれまで以上にスピード感を演出している。

模型ではこれらをひっくるめて忠実に再現。造形についてはトミックスは本当に安定しており、まったく問題ないと思う。

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ライティングを変えてみると「デュアルスプリームウイング」の特徴である両サイドの稜線がよくわかる。

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模型はフォーカス合わせがきつい・・・ヘッドライトがきちんとノーズの造形に収まっており精度の高さがうかがえる。

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非常に小さいにも関わらず、3次曲面の中にある複雑な形状のヘッドライトも見事に再現。ノーズカバーの分割線からの距離感も含め、まったく破たんが見られない。

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模型のヘッドライトはややツリ目気味だが、正面からの見た目もいい感じだ。サイドから回り込んでいる青帯が眉毛みたいに見えるのも忠実に再現。

ところで模型の正面の写真、撮影に使用しているパナソニック「DC-TX2」の「フォーカスセレクト」という機能を使ってみた。画面各所に片っ端からフォーカスを当てながら連続撮影し、後からピントが合っている画像を選択できるというもので、合っている各ピントを合成して画像を出力することもできる。ロングノーズの車両でも先端から後方までピントが合った写真を作成できるという寸法だ。画像の継ぎ目が不自然になる事も多くてあまり多用はできないものの、上の写真は上手く撮れたので採用した。

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N700系Z0編成と並べてみる。スマートなN700系に対し、N700Sは幅広でいかつい感じ。

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1つ上の写真のような構図だとN700系の方が先端が細く見えるが、真上からに近い構図で見ると寸法的にはほぼ変わらないことがわかる。ヘッドライトの形状の違いにも注目。

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前面窓はN700系と同じパーツを使っているようだ。内部のコクピットパーツも同じ。N700SとN700系の先頭形状の違いはノーズ部分に集中していることがわかる。Z0編成では前面窓の編成番号の印刷がなくインレタ対応だったが、今回製品は「J0」が印刷済みになった。

また、この写真からもサイドの青帯がN700Sではかなり前方に伸ばされたことがわかるだろう。

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N700系でも一部編成が装備しているセンサー窓はN700Sでは1号車山側、16号車海側にあり、模型でも目立ちにくいながらも印刷で表現再現されている(乗務員室扉の少し前方にある黒い小窓)。モールドにすると量産車の時に困るし、500系のセンサーも印刷だったので特に問題はないだろう。ドクターイエローがモールド表現にできたのはその編成しかないからである。

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青帯が3段になった以外、この部分の見た目はモールドの強さを含めてN700系から変わっていない。

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実車の方はがっつりホームドアに邪魔されてしまっているが、1号車後位もロゴマーク以外はN700系と同じである。確認試験車はこれだけなので車番は印刷済みだが、量産車ではインレタから選択する方式になると思う。号車番号、禁煙車マークも印刷済みで、N700系と同じく綺麗に印刷できている。

屋根上の検電アンテナ、実車は見慣れない形状のアンテナを装備しているが模型は標準的な形状である。実車はテストのためにパーツを変えまくるので、筆者が撮影した時はたまたまこの形状だったというだけである(16号車は標準的な形状だったし)。したがって、模型が間違っているわけではない。

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N700Aと同様、ロゴマークは奇数号車に貼りつけられよく目に付く。従来のN700系と比べると柔和なロゴマークだと思う。

ただ、砂絵みたいになってしまって印刷クオリティがいまひとつなのは気になった。離れて見る分にはそれほど問題ではないし、写真は異常に拡大している事も確かだが、これまでのトミックスは印刷が少々悪いと思ったものでも、シャープさだけは譲らないと思っていたので。量産車登場後に発売するあろうカトー製品がどうなるかわからないが、かつては印刷では劣っていたカトーも力を付けてきている。この状態では印刷は負けてしまってもおかしくない。

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9号車はロゴマークが行先表示機をよける配置になっているので、海側(模型の側)は車端側に、山側(実車の側)は客用扉側にそれぞれオフセットされている。模型でもそのあたりは忠実に再現しているし、グリーン車マークなどの印刷クオリティも従来通り高い。それだけにロゴマークのザラザラ感は本当に惜しまれる。

一見同じように見えるN700SとN700系の側面だが、改めて模型を見比べ、そして実車も確認すると結構差があることに気づく。

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まず、N700Sは3号車の両側、15号車の海側に喫煙ルームの窓がない。実車写真はN700系になるが、3号車車端にある小窓がN700Sにはないことがわかる。確認試験車なので該当部分に喫煙ルーム自体がない可能性もあり、量産車では復活する可能性もあるが実際のところは不明だ。

(2019/8/10追記)
調べてみると、現在のN700系の3・15号車海側の喫煙ルームは過去の物騒な事件を受け、防護用品や医療品置き場として業務用室に用途変更されているとのこと。したがって、N700Sの上記箇所は喫煙ルームではないことになるし、量産車で復活することもなさそう。筆者はまだ未確認だけど、N700AのG47編成以降でもN700Sと同様に窓が省略されているらしい。3号車の山側は喫煙ルームがあるにも関わらず窓がなくなったことになるが、15号車と異なりサイズが小さいので省略されたのではないだろうか。

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11号車の山側にある多目的室の窓がグリーン車と同じサイズに拡大されている。N700系では普通車の大きさで正方形に近いものだった。

また、N700Sでは客用扉下部の横にあったドア点検ハッチが廃止されている。N700系ではハッチがある箇所とない個所があり、さらにその位置がZ0編成と量産車で異なっている有様だったが、N700Sではそういうことはなさそうだ(量産車で復活しなければだけど・・・)。

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実車においてもN700系とN700Sでは車体断面が微妙に違っているが、模型でもきちんと再現されている。奥がN700Sでより四角い形状になっている。ボディがすべて新規制作とはいえ、よくここまで再現したなと驚く。

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窓配置がN700系と同じ号車が多いので、窓ガラスパーツはさすがに流用しているだろと思いきや、これも新規パーツのようだ(左がN700S)。ただし右のN700系はZ0編成なので、同社のN700系では最も古い製品である。その後の量産車製品や再生産によりパーツが更新された可能性はある。

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N700Sでは高圧線が屋根内に潜ったので屋根上がスッキリしているが、E5系等と異なり車端では従来通りジョイントでケーブルを露出させて渡している。これらは模型でも再現しているがジョイント形状は全号車同じ。もっとも、N700SにはN700系にあった一部車両の大型ジョイントがあるかどうか不明なので、完璧に再現できているかは判断しかねる。

(2019/9/29追記)
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N700Sにも大型ジョイントがあることを確認。位置は3・6・11号車の東京寄りでこれはN700系から変わっていないが、N700Sでは10号車は両端も大型ジョイントになっている。ただし、ケーブルは両端とも1本出ているだけとなっている。確認試験車という性格上、今後状態が変わる可能性はある。

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2・15号車の屋根にはパンタ及びパンタカバー取り付けの準備工事がされており、実際8両編成のテストではパンタが搭載されたこともあるが、こんなところもモールドで再現されている。確認試験車ならではのものであり、量産車製品ではおそらくボディが差し替えられるはずだ。

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パンタグラフは似ているがN700S(右)は上部のカバー形状が異なり新規パーツであることがわかる。パンタ支えるガイシの数もN700系の2本から1本に変更されている(写真に見える範囲の話で、パンタ全体では3→2本に変更)。

また、パンタ下部を覆う前後がスロープになっている「ガイシ覆い」もN700Sでは僅かに幅が狭くなっていることがわかるだろうか?これは実車においても同様に変更された箇所であり、一見わからないにも関わらず忠実に再現。車体断面ともども、これはグッジョブだ。

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ヘッドライトの光量は十分明るく色味も全く問題ない。ただ、N700系と同様に「ヘッドライト全体が光るだけ」であり、見る角度によっては先端側が光って見えるのも変わらない。カトーのN700系はヘッドライトが非常に凝ったものだったが、N700Sはどう出るのだろうか。

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N700S(左)とN700系(右)では室内灯の保持部分が異なっており、室内パーツは新規であることがわかる。また、可動幌も一見同じに見えるが前述の車体断面変更の関係で新規パーツになっている(可動幌パーツ上部の厚みが違う)。一方、特に変える理由もないので当然だけど、座席パーツは同じパーツを使用している。

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写真小っさ・・・床下は新規制作されたもので、ここに至ってまでZ0編成の床下流用はさすがにやらなかったようだ。先頭車は新規にせざるを得ないとしても、ダクト形状をZ0編成に合わせるだけで中間車はすべて流用してきても個人的にはまったく驚かなかっただろうが、それはさすがに見くびりすぎか。

中間車は写真の2パターンしかないが、実車においても雑誌の形式写真を見る限りはこの2パターンだけのようだ。細かなハッチの有無の違いやパネルの分割線差はあるかもしれないが、同じく中間2パターンで済ませていたN700系と比べたら(少なくとも確認試験車では)忠実に再現されているといえる。実車の機器構成がシンプルになったことに救われたともいえるが、メーカーにとっても仕事が楽に?

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台車はN700系と同じ、両端の空気ばねが削られている点も同じだ。一応、集電板が改良され車輪の転がりがよくなったとのこと。写真ではわからないけど・・・

台車カバーは分割線2本のタイプで実車の中間車では2・7・8・ 9・10・15号車が該当するが、分割線1本タイプの方が数は多い。いずれにしても実車とは異なってしまうがここを作り分けていないのはカトーも同じ。トミックスのN700系製品(S・R編成除く)はすべてZ0編成の分割線なしタイプだったことを考えたら、マシになったと考えていいのかもしれない。もちろん、確認試験車としての話で量産車製品がどうなるかはわからない。

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カプラーはフックリング式からフック・U字式に変更された。左はZ0編成となるが、新幹線では通電カプラー初採用の製品である。それからすでに10年以上を経過した現在、トミックス新幹線はフック・U字式が主流になっている。

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連結部の印象もN700系からまったく変わっていない。

●総評

特徴的な先頭形状はもとより、パンタのガイシ覆いとか車体断面形状とか、言われなければ分からない個所も手抜くことなく再現、単にボディ・床下を新規制作しましたという以上に、N700Sの確認試験車を忠実に再現した製品であることは間違いない。そのおかげで、一見同じに見えるN700系との差異に気づかされる箇所も多々あり、実に勉強になる製品でもあった。

予想以上に新規率の高い今回製品だけど、先日発売の700系0番台もボディ・床下が新規制作ながら基本設計は従来の700系製品に準じていたように、今回製品も基本的には従来のN700系と同じである。

したがって、各種造形や窓ガラスの精度感とか良いところは引き継いでいる一方、無難すぎて「すげえ」と思えるギミックもない。床下がよくなったと思えばロゴマークの印刷は悪くなるなど「プラマイゼロ」な点もあって、とにかく長所・短所とも同社のN700系製品のクオリティそのもので、進化も退化もしていない。その意味では今回も良くも悪くもガワがかわっただけという印象だ。

とはいえ、実車も見た目に関してはN700系からそれほど変わっていないし、N700SもN700系のバリエーションと考えれば差が出すぎてもそれはそれで問題があるかもしれない。細かな不満はあるとはいえ同社のN700系だって水準以上のクオリティは持っているわけで、そこから変わらないのも間違っていないと考える。

なので、トミックスの従来のN700系製品に特に不満がないのであれば、今回のN700Sでも不満が出ることはないと思う。あとは「確認試験車」というマニアックな編成に興味があるかどうかがポイントだろうか。後にカトーも含めて量産車製品が出てくるのは既定路線ではあるけれど、いち早くN700Sの模型を手元に置きたいならこの機会に入手しておくのが良いと思う。

あと気になるのは過去に100系、N700系でもあったことだけど、量産車製品が今回製品(確認試験車)に引っ張られて、実車と異なる部分がどこまで出てくるかだろう。N700Sは少なくとも外見上は完成されていて量産車との差はあまりなさそうだから、そこまで大きな違いは出ないと勝手に予想(願望)しているが・・・量産車製品の発売をカトーともども待ちたい。

p.s.
今年の前半は(トミックスばっかりだけど)わりと新幹線製品が多かったが、11月くらいまでの新幹線模型の予定は800系(スルー予定)しかないので、しばらく(お財布的にも)のんびりできそう。ブログの更新頻度が少し下がるかもしれないけどご了承のほど。
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