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トミックス E7系上越新幹線(朱鷺色) レビュー

2020年3月、トミックスよりE7系上越新幹線(朱鷺色)が発売された。

●97920 限定品 JR E7系上越新幹線(朱鷺色)セット 34,700円
(税抜き表示)

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上越新幹線向けに「朱鷺色」が追加されたE7系。

北陸新幹線用として製造されたE7系だが、2019年3月から上越新幹線にも導入されることになり、増備された編成のうちF21・22編成は期間限定で「朱鷺色」帯と特別なロゴマークが追加され上越新幹線導入をアピールすることになった。そもそも北陸新幹線との車両共通化という目的もあり、特別ラッピングは1年程度の想定で比較的簡易なものである(2020年4月5日時点でラッピングが解かれたという話は聞かないが)。

2019年10月の台風19号でE7/W7系の10編成が水没廃車という事態になり、その後上越新幹線向けに増備された編成は軒並み北陸新幹線運用に回されることになったが、件のラッピングをまとったF21・22編成は引き続き上越新幹線で限定運用されているようだ。

実車が登場した段階で「まあこれは模型で出るよな」と思っていたが、案の定トミックスから限定品として発売されたので今回紹介、レビューしてみる・・・といっても、模型自体は従来製品のE7系の塗装・印刷変更程度のものである。よってボリュームはそんなにないし、いつも同じことしか言ってなくて申し訳ないが(苦笑)、詳細なレビューについてはメインサイトも参考にしてほしい。

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トミックス限定品名物の特製外箱入り。ピンク主体の背景にE7系のブルーが映える。E7/W7系には初回生産の限定品が存在しているので、今回で3回目の限定品セットとなる。

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これまでの限定品と同様、1セットで12両フル編成が揃う。当然、編成順に並べた状態で収納されている。付属品は後述のインレタ以外には動力車台車外し用の補助棒くらいである。

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インレタの収録編成はF21・22編成で、プロトタイプとなる実車をどちらも再現できる。なお、今回製品は車番と編成番号の印刷は一切ない。その他の収録内容は従来のE7系製品に準じている。

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今回製品(右)とE7系従来製品(左)並べる。模型自体は同じなので、先頭部の形状、ヘッドライトや運転席窓の部品構成はまったく変わらない。

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従来製品(左)に対し、今回製品(右)は運転席キャノピーのブラックアウト塗装の光沢が若干抑えられた。金色の帯はキャノピーに接触するくらいになり実車に近づいたが、改良ではなく単に個体差の可能性がある(今回製品はノーズ先端部の金色ラインが若干安定していない)。ブルーの塗装は従来同様強い光沢で見栄えする。

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上段は左がE7系従来製品、右が今回製品。下段はでW7系従来製品、右が今回製品という組み合わせで屋根上のブルーの濃さを比較したものだ。メインサイトのレビューでも書いたが、W7系はE7系よりもブルーが濃くなっており、今回製品はW7系に準じた濃いものであることがわかる。ただし、比較に用いたE7系従来製品は初回ロットであり、再生産品は濃くなっている可能性がある。

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目玉となる「朱鷺色」のピンク帯は色調、太さともに良好。位置関係も基本的には問題ないが、模型では側面のハッチに若干かかってしまっている。このピンクは「朱鷺色」と呼ばれているが、E1系、E4系の「ときピンク」よりもE2系、E5系の「はやてピンク」に色調が近い。

号車番号、禁煙車マークは印刷済みだが、前述のとおり車番の印刷はないので再現する場合はインレタを施す必要がある。

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ピンク帯は連結部まで到達していないため、可動幌には帯が追加されていない。ここの位置関係も特に問題ないだろう。

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3・11号車には朱鷺をイメージさせる特別ロゴが追加されている。既存のE7系ロゴと比べるとややザラついた印象があるが、模型を肉眼で見る限りは大きな問題はないと思う。

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拡大してみるとさすがに砂絵みたいになってしまうけど、色調の再現度はまあまあやっているのではないだろうか。

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「朱鷺色」仕様ならではのものではないが、2018年以降に実施されている荷物スペース設置による窓埋め(偶数号車の中間普通車のみ)を、既存のE5系増備型、E6系後期型製品と同様に窓ガラスへの塗装という形で再現している。上の10号車はボディの色と合っているが、他の号車は若干違いが見られた(塗膜が薄い?)。

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この窓埋め処理、この記事も参考にされたいがF21編成とF22編成(写真)では見た目が若干異なっている。模型は周囲の枠が目立つので、どちらかといえばF21編成が近いかもしれない。

●総評

元々、出来の良い従来製品をベースにピンク帯とロゴが追加された程度であり、強いて言うなら運転席キャノピーの光沢が抑えられたのと特別ロゴのザラつきに不満はあるが、概ねハイレベルな製品といっていいだろう。(標準的なところだと思うが)価格はともかくフル編成が一度に揃えられるのも手軽だし、バリエーション的に外見の変化が乏しいE7/W7系で現在のところ唯一、ひときわ存在感を放っている編成の製品として価値があると思う。

●余談

今回、比較対象に従来製品のE7系、W7系を引っ張り出してきたが・・・

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トミックスのケース弱くね?

当時は特に言及しなかったが、E5系増備型、E6系後期型のレビューの時も従来製品のケースが写真のように裂けてしまっていた。現在の(開けやすい)ケースになったのは新幹線ではN700系Z0編成(2007年12月発売)からだったと記憶していて、そのZ0編成のケースもすでに裂けてしまっているが10年以上経過しているのでともかく、E7/W7系は初回ロットから5、6年程度で裂けてしまっている。少なくとも保管場所は直射日光に当たらない等注意しているし、頻繁に開けているわけでもない(白状すると、W7系はレビュー以降開けてなかったくらい)。つまり、保管していただけで裂けてしまうほどケースが劣化しているわけで、これはちょっといただけない。

マイクロエースのケースでも裂けてしまっているものが出ているから、同じようなプラスチック製ケースの宿命なのかもしれないが、トミックスでも過去の「空けにくい」ケースで裂けてしまったものは筆者の環境では現在のところ皆無なので、現行のケースは耐久性についてはむしろ劣化してしまったようだ。

どうせまた裂けると考えるとケースを買い換えるのもアレだし、とりあえずメンディングテープで応急処理している。

トミックスから「ありがとう東海道新幹線700系」発売決定

トミックスから700系のさよなら運転仕様「ありがとう東海道新幹線700系」の発売が発表された。

・97929 限定品 JR700-0系(ありがとう東海道新幹線700系)セット 45,600円
(税抜き表示)

2020年9月発売予定。

実車のさよなら運転はコロナ騒ぎで残念ながら幻に終わってしまったが、トミックス恒例の「さよならセット」である。歴代の東海道新幹線車両と同様、最後の特別装飾を再現した製品となる。トミックスの700系(JR東海車)は発売時期からして当初から「さよならセット」を想定していた節があったし、模型のプロトタイプも装飾されたC53・54編成に合致していたから、まあ出るのは既定路線というか時間の問題だったといえる。

前述のとおり、実車とプロトタイプが同じなので従来製品に装飾を施した程度だと思うが、モーターが新型に変更されるほか車番はC53編成が印刷済み、インレタでC54編成に変更できるが前面窓は印刷がないパーツを別途付属するというのがユニーク。その他、特製パッケージや冊子が付属するというのは過去の「さよならセット」と同じだ。

今回は(発売されるのが当然すぎて)模型について触れる内容があまりないので、特別装飾の写真を撮ってきたのでちょっと紹介。個人的にはさよなら運転とか混むので行きたくないし、特に「最終列車だから」という記録には興味はないのだけど、模型のレビューの資料として(買うと言ってるようなもんだね)撮らざるを得なかった。乗り納めについては時機を逸してしまったが、700系は散々乗ったので特に後悔はなかった。たぶん東海道新幹線の車両で一番乗ってるんじゃないかな?N700系しか走っていない現在、いずれ更新されると思うが・・・・

700系特別装飾の運転は8年前の300系(記事)と比べると多かったが、東京駅で考えると夜間、しかも結構遅い時間がほとんどだった。もっとも、最近は残業が多かったので(帰りがさらに遅くなるけど・・・)好都合で、混雑もそれほどではないと判断し東京駅での夜間撮影から始めることにした。停止している車両なら夜間でも撮影は難しくない。

●2月12日 東京駅

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時間は21:00近い。こんな時間に東京駅で撮影するのは初めてだし、特別装飾運転初日からカチコミとは筆者にしてはなかなか攻めるじゃないか。なお、東京駅での撮影は会社帰りなのでデジカメではなくスマホ(Zen Phone 3 Ultra)を使用した。

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今回は16号車側(神田寄り)で撮影することにした。ターゲットは18番線到着で回送で折り返すので、向かい側(筆者がいる側)の17番線で30分以上前からポジションに着く。やはり同業者は多いが、さすがに平日の夜遅くなので8年前の300系の時よりマシな感じである。あの時は平日とはいえ昼間だったのでとんでもない混雑だった。

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21:30、上ってきた臨時「のぞみ」で特別装飾700系が到着。この日はC54編成が充当されていた。

700系の形状からして仕方がないが、蛍光灯の光で反射してしまい装飾がよく撮れなかった。筆者のいる17番線にはN700系(X27編成)がいてターゲットが覆われてしまっているが、700系よりも先に発車するのはわかっているのでここは不動の構えだ。18番線側なら700系が間近に見られるが今の東京駅はホームドアがかっつり装備されたのでディテール撮影には向かないと判断。

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少しポジションを変えてノーズ部分の装飾を撮る。でも「LAST RUN」のあたり、少し剥がれちゃってるね。

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しばらくして狙い通り、N700系が出発して700系がオープン状態に。ここからはディテール撮影タイムだ。次の列車が入線してくるまであまり時間がないので手早く進める。

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ややブレてしまったが、ノーズ横の装飾とロゴを・・・と思ったが、こちらは細かい文字が落ちてしまっている状態。いつものブルーのライン先端には700系のシルエットがあしらわれている。

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15号車のほか、1・5・9号車にも特別ロゴが貼られている。LEDではない幕式の行先表示は東海道新幹線以外も含めてこれて見納めとなる。「回送」の表示がちょっと切ない。

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JR東海の新幹線車両では初の側面ロゴは健在。もともと3・7・13号車にしか貼られておらず、前述の特別ロゴとはかぶっていない。アナログな行先表示と合わせて700系C編成らしい絵面だと思う。

●2月19日 東京駅

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1週間後に再び東京駅へ。充当列車は同じなので時間も到着番線も12日と同じ。やはり30分以上前から駅に入場しポジションを確保した。今回は1号車側(有楽町寄り)で狙う。順当にいけば、18番線(右側)のN700系と入れ替わるはずだ。

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今回は有楽町寄りなので入線から見られた。N700系と違いヘッドライトの位置が高くシールドビーム(いわゆる電球色)なので夜間でも遠くても一発で700系と判別できた。

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蛍光灯の反射は前よりはマシかな?

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今回はC53編成で側面ロゴに特に剥がれは見られなかった。運転室内で照らされた形式番号が印象的。

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なにげに隣のX59編成はレア編成である。2015年に発生した火災事件(事件については論評する立場ではないのでノーコメント)で1号車が激しく損傷したため別途新製した車両に差し替えられたが、ヘッドライトは当時増備中だったN700A仕様になっており、1号車と16号車でヘッドライトの形状が違う状態になっている。

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想定通りN700系が出発し今回もディテール撮影開始!

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ロゴは剥がれてないし、ブレもなく前回よりきれいに撮れたと思う。レビューに使うならこっちだな。B編成という前例があるからかもだけど、「700」がこの位置にあるのは妙な安定感。

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500系ではよく使ったアングルで撮影。平日の21:30過ぎでもこの人出だが、特別装飾狙いの場と考えたら比較的少ないかもしれない・・・休日の昼間とか想像しただけでもイヤすぎるが。

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1号車後位にも特別ロゴがある。屋根上の検電アンテナと無線アンテナが妙にきれいだが、両先頭車は特別装飾にあたって屋根上が清掃された模様。

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5号車にも特別ロゴ。N700系が出発して17番線側からは700系がよく見えるようになるが、こんな時間にもかかわらずすぐに次の列車が入線してくるので5号車あたりまで撮るのが限界だった。

●2月24日 小田原駅

やはり明るい環境でも撮っておきたいとのことで、3連休最終日に小田原駅での撮影を慣行。「こだま」だったらじっくりディテール撮影できたはずだが、700系はすでに臨時「のぞみ」のみで通過列車を狙うしかない。東京駅?最初から行きたくなかった。

この時期はそろそろコロナ騒ぎが本格化してきた頃で、そのためか以前よく見られた外国人観光客がほとんどいなかった。そのかわり、2時間前にもかかわらず700系狙いの同業者が400mあるホームにびっしりである。黄医者走行日でもこれほどにはならないが、筆者がいつも使っている撮影場所は空いていたのは幸いだった。

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700系の小田原駅通過予定時刻は10:30くらい(正確な時間は失念)。小田原駅の午前中はあまり光線状態がよくないが(個人的には13:00~14:00あたりがベスト)、こればかりはどうしようもない。

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何度か「こだま」が停車するが、N700系の量産車トップナンバー、X1編成が来た(筆者も写ってる)。

2007年7月から運用開始したN700系の最初期編成はX1~5編成(当時はZ編成)で、今年の7月からN700Sが導入されると置き換え対象として真っ先に廃車にされるはずだ。13年で廃車は早い気がするが、初期編成はデビュー時からガンガン東京~博多「のぞみ」に投入されるので過酷なのは間違いなく、過去の車両もだいたいそんな感じである。対して後期編成は最初から「こだま」運用だったりするのでやや寿命が長くなる傾向にある。700系の後期編成となる件のC53・54編成は2003年登場であり、寿命は約17年程度とX1編成よりも長い。

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いよいよターゲットが現れたが・・・

筆者は小田原駅では安全柵内でしゃがんで撮るので、その意味では安全柵の上部がどれだけ混雑していても、カメラの射線に邪魔が入ることはないと踏んでいた。それだけに撮る直前になって安全柵の外側に踏み出して撮る奴は想定外だった。結果はごらんの有様。白飛び気味なのは自分のミスだし、そもそも装飾700系を記録に残すことではなくレビュー用の写真が撮りたかっただけなので写真自体はそれほど不満はないが・・・

これだからこういう場(さよなら運転とか)には来たくないんだし、滅多にしか来ないのだが。

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気を取り直して・・・撮影者が去った後も久々に撮影を続行。F編成(JR西日本のN700A)の最新編成、F21編成を撮ることができた。

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N700S同様、15号車の海側の喫煙室部分に窓がない。現在はN700系の3号車と15号車の海側喫煙室は業務用室に変更されており、この施策が行われた後に落成したN700S、N700AのG47編成以降、写真のF21編成は最初から窓が設けられなかった。G47編成以降は未確認で、F編成もF21編成だけなのかその前にもあるのかは不明。

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こちらはN700系のX72編成で、元喫煙室の箇所にも窓がある。東海道新幹線がN700系で統一されても、筆者的にはまだまだネタは多い。N700系全体の本数と窓無し編成の本数を考えると、当たるのは相当大変そうだが・・・

この後、久々に新幹線に乗りたくなって三島までプチ乗り鉄してきた。機会があれば別途記事にする予定だ。

●3月1日 浜松町

「のぞみ」運用ではなく、この日は団体臨時列車としての運用である。俯瞰した絵が欲しかったのでいつもは屋根上のディテール撮影に使っている浜松町をチョイス。11:25あたりで通過予定だったが、家を出る時間を間違えて3分前ギリギリで到着した。

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窓ガラス越しにも関わらず撮影者はたくさんいたがなんとか撮影場所は確保、時間ギリギリで練習もできずやや動体ブレしてしまったが、なんとかカメラに収めることはできた。前述したが、両先頭車の屋根上が清掃されていることがわかる。

すでにご存じのとおり、翌週の3月8日に予定されていたラストランは中止になってしまった。ラストラン日は検査周期等を熟考して設定されたのだろうし、3月14日以降のダイヤがN700系で統一されることが前提である以上、延期の芽もなく図らずもこの日が700系のラストランになってしまった。どのみち最終日に出向くつもりはなかったが、筆者にとってもこれが最後の700系撮影となった。

700系は(特に500系の後だったので)デザインは悪く言われがちだし、最高速度も同時期の500系「のぞみ」の300km/hに対し285km/hに抑えられていたためフラグシップ感も薄かった。そして、歴代の東海道新幹線の車両で正式なラストラン、さよなら運転が実施されなかった初の例になってしまった。しかもその原因がウイルス騒ぎという極めてレアな状況である。ちょっと報われていないというか、悲運な感じは否めない。

だが、東海道新幹線完成形のN700系の高速性能は300系、500系から受け継いだものだとしても、快適性は間違いなく700系あってのものだ。923形ドクターイエローや台湾新幹線、800系といった派生モデルの存在はベースの素性が良かったからに他ならず、700系は東海道新幹線のみにとどまらない、新幹線車両としても立派な功労者だったと断言する

筆者にとっても、新幹線趣味に入ってきた頃の主力車両であり、前述のとおりよく乗った・撮ったので思い入れが大きい。500系とダブルエース感すらあったほどだ。そして、メインサイトの実車編でも書いたとおり、300系とN700系の過渡期ゆえのバリエーション。このことがわかる人は少ないだろうが、700系は面白い車両であると。少なくとも筆者はそう思っている。

山陽新幹線ではE編成(レールスター)は引き続き走り続けているが、これもN700Sの登場により予断を許さない。まだ1~2年くらいは猶予がありそうだが、500系ともども記録するなら今のうちにやっておいたほうがよさそうだ(遠征フラグ?)。

トミックスから200系F編成発売決定

トミックスから200系F編成の発売が発表された。

・98701 JR 200系東北・上越新幹線(F編成)基本セットA 18,400円
・98702 JR 200系東北・上越新幹線(F編成)基本セットB 18,400円
・98703 JR 200系東北・上越新幹線(F編成)増結セット 16,200円

(税抜き表示)

2020年7月発売予定。

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100系顔先頭車のF編成は3本しかないレア編成だった。同じ100系顔のH編成と異なり、窓下に細いストライプがない。

200系F編成の製品はトミックスから2015年3月に発売されていたが(レビュー)、このたび製品構成変更とリニューアルされることになった。

基本セットがA・Bの2種類という製品構成はかなり珍しく、トミックスの100系X編成、G編成や0系大窓の「ひかり」「こだま」で見られた程度である。これに共通の増結セットを組み合わせることでフル編成になる。

基本セットAは丸顔(0系顔)の先頭車が含まれた、F編成のもっともスタンダードな姿であるF4~21編成がプロトタイプとなる。従来のF編成製品に対しモーターとカプラー(フックU字型)が変更された程度で、実質的に後継製品となる(従来製品92879、92880は製品廃止が公式にアナウンスされている)。

一方の基本セットBは今回の目玉で、100系顔の先頭車が含まれたセットになる。

100系顔の200系というとダブルデッカー2両を含んだ16両編成のH編成を思い浮かべるが、これとは別にF編成にも3本存在していた。F5・8・40編成が相当し、このうちF8編成はF編成の中でも末期まで生き残っていたうえ(上の写真は2005年11月に撮影)、マイクロエースからも発売されていたので新幹線模型界隈(?)では比較的知名度があるかもしれない。H編成と異なり、100系顔でありながら窓下の細いストライプがなく、顔以外はその他のF編成と見分けがつかないという外観的特徴があった。今回発表されたトミックス製品はこのF編成の製品化も同時に行われることになり、Nゲージとしてはマイクロに続く2回目の製品化となる。

F5・8編成は純正のF編成(1000番台)の先頭車を置き換えただけだが、F40編成はE25編成(0番台)からの改造編入車となる。トミックス200系は0、1000番台どちらも屋根板の変更で対応できるが、基本セットAとの兼ね合いで従来製品同様に1000番台、つまりF5・8編成がプロトタイプになると思われる(なんちゃってF40編成としてインレタには収録されるかも)。

100系顔の200系先頭車は2000番台と200番台が存在し、前者は新製車でH3・4編成に割り当てられ、後者は中間車からの改造車で残りのH編成と前述の3本のF編成に割り当てられていた。

トミックスH編成の先頭車は2000番台だったのでF編成にはそのまま使えず、今回は200番台の先頭車が新規制作されることになるが、先頭車は三者三様でF5編成は両端とも0番台から、F8編成は221-200が0番台、222-200が1000番台から、F40編成は両端とも1000番台からの改造である。F5・8編成は221-200がどちらも0番台ベースなのでいいとしても、222-200はどちらかのパンタ周辺のケーブルヘッドまわりに差異が出ることになる。中間車との整合性を考えると、筆者は1000番台ベース(F8編成)に一票。

さて、今回の先頭車新規制作でもう一つ気になるのが「100系試作車の使い回しツリ目がどうなるか」だろう。これまでも100系、200系H編成を見る限り、トミックスの解釈は「100系の試作車と量産車(200系も)は同じ顔」である。ボディの金型は1つだけで構成されるわけではないから、側面や屋根は新規制作しても先頭部は流用という可能性は否定できず、相変わらず修正されないことも考えられる。

一方で「ライトプリズム新規制作」というアナウンスがどういう意味なのか。過去の非を認めるような「修正」という言葉は使わないけども、先頭車ボディとプリズムの新規制作というワードから察しろということなら、ツリ目が修正されるのかもしれない。どちらにせよ、現在の情報からは可能性は五分五分かな・・・

筆者は丸顔は従来製品持ってるのでスルー、100系顔はヘッドライト修正ありなら買うという感じ。丸顔は前回買えなかった人は入手チャンスとなるだろう。車番無視すれば先頭車のスワップで100系顔と両方楽しむこともできそうだ。なお、モーターやカプラーが変わるので従来製品との混結はできない点に注意。

トミックス 0系1000番台レビュー

2020年1月、トミックスより0系1000番台が発売された。

●98680 国鉄 0-1000系東海道・山陽新幹線基本セット 18,200円
●98681 国鉄 0-1000系東海道・山陽新幹線増結セットA 8,000円
●98682 国鉄 0-1000系東海道・山陽新幹線増結セットB 17,200円

(税抜き表示)

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「トミックスリリースコンテスト 新幹線編」で1位獲得の結果、製品化された1000番台。

実車の解説についてはマイクロエースの 「0系 0+1000番台 レビュー」の冒頭部分も参考にされたいが、置き換え工程で運用編成不足に備えるため、全車1000番台で組成されたN97~99編成が増備された。「ひかり」編成として組成されたため、従来の「ひかり」編成96本(H1~96編成)から連番になっている。

0系では従来編成を部分的に置き換えたため0番台(大窓)と1000番台(小窓)の混在が基本で、これは置き換え用車両が2000番台になっても変わらなかったが、N97~99編成は全車が小窓という特徴を持っていた。晩年には1000番台+2000番台の小窓編成は存在していたものの、同一番台による16両編成はN97~99編成だけだった。特にこれらの編成に組み込まれた小窓の食堂車ユニット36-1000+27+1000はぞれぞれ3両づつしか存在しないレア車である。

また、編成を構成する車両がすべて同一ロット(22次車)で統一されており、N97・98編成はJR東海、N99編成はJR西日本に継承され、N97・99編成は末期には入れ替え(NH編成化)を経験しているものの、N98編成は編成廃止まで唯一入れ替えがなく、車両入れ替えが日常茶飯事だった0系においては異例な存在だった(同一ロットの16両編成デビューは他には14次車のH41~43編成があったが、食堂車ユニット組み込みで入れ替えが生じている)。

さて、今回紹介する製品はそんな「異例な」N97~99編成がプロトタイプである。「トミックスリリースコンテスト 新幹線編」で1位獲得の末に製品化された(敗れた「とれいゆ」も出してほしいんだけど・・・)。2014年に大窓の初期車が新規制作で模型化された後、筆者は次は大窓の後期車と思っていたが、まさかの1000番台、しかもN97~99編成とは良い意味で期待を裏切られた。はたして、どんな製品になったのか。

後述するが、今回製品は2014年発売の大窓初期車と共通する部分が多いため、メインサイトのレビューも参考にされたい。マイクロエースの1000番台は前述のリンクにて。あと、今回は実車の写真があまりないのはご勘弁を。現存している1000番台の保存車は博多にしかないし、現役時代もほとんど撮れていないので…

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タイトルに「国鉄」と銘打っているとおり、国鉄時代のN97~98編成がプロトタイプ。JR化後も編成構成は変わっていないが、再現するならデカールなりインレタなりを自前で用意する必要がある。

写真は左が基本セット、右が増結セットBで、これに増結セットA(紙パックの4両)を加えることで16両フル編成となる。そもそも実車が16両編成を崩していないので当然だが、紙パックのセットが2両だった大窓車の製品よりもフル編成志向が強いように思う。

こうして見ても、2000番台よりも窓周りが密な印象受ける。ウレタンは16両編成を順番に並び替え可能。動力車は6・10号車に設定されている。

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奥が2014年に発売された0番台(大窓初期車)、手前が今回製品の1000番台(小窓)。東北新幹線用200系の仕様がフィードバックされた2000番台と比べると、1000番台は窓の大きさくらいしか0番台と外観上の差がない。

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左が0番台、右が1000番台となるが、可動幌とカプラー(フックU字型)、屋根板とボディ、ボディと床下の組み合わせを見る限り基本設計は同じ。そのうえで、1000番台のボディを全形式分新規制作し、一部の屋根、床下、室内パーツを新規制作するという手法になっている。

可動幌横のボディが分厚い点を除けば、非常に出来が良かった0番台大窓初期車に準じているというだけで安心感がある。

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左が従来製品の0番台(大窓)、右が今回製品の1000番台。実車がそうである以上当然だが、ボンネット形状のモデリング、ヘッドライト、運転席窓の窓枠などまったく違いはない。

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ボディ内側のヘッドライト用プリズム、運転席窓のパーツ、コクピット下部から4灯表現されたプリズム(外からはほとんど4灯に見えないけど)も全く同じ。基本設計が同でじであることが読み取れる。1000番台の光前頭部は光らないためグレーのパーツが収まっている。

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ただし、ボンネット上の機器搬入口の形状は異なっており、左の0番台は四隅がRを描いているのに対し、今回製品(1000番台)は角ばっていてサイズも拡大されていることがわかる。なお、この形状変更は14次車以降のもので、1000番台(22~29次車、今回製品は22次車)特有のものではない。運転席窓上の手すりは7次車以降に付いたものでこれも正しい。要するに、ちゃんとやっているということで。

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マイクロの1000番台(JR西のR14編成)と比較。客用扉の窓や座席表示窓と比べるとよくわかるが、青帯の上端はマイクロが若干低い。扉や窓の位置関係はほとんど差がないが、乗務員室扉の窓はトミックスはサッシ省略、マイクロエースは銀色入れて再現という違いがある。

乗務員室扉下のステップはトミックスはモールド表現。マイクロは印刷表現だが編成番号、エンド表記が印刷済みでリッチな印象。もっとも、トミックスも編成番号は付属インレタで表現可能だ。

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実車の青帯の上端はトミックスとマイクロの中間くらいか。運転席窓との距離感はマイクロの方が近いかもしれない。0系の乗務員室扉の窓サッシは非常に細く無いように見えるので、窓のぱっと見の大きさはトミックスのほうが似ている。マイクロはサッシ表現により窓が小さく見えてしまっているし、表現オーバーな気もする。モデリングはトミックスはさすがという感じだが、マイクロも最初期の製品に比べたらずいぶんよくなってはいる。

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上段がトミックス0番台、下段が今回製品1000番台の1号車後位を見る。

1000番台は客用窓が小窓になっているのは当然として、行先表示機と座席表示機が追加されている。どちらもガラス表現で、座席表示機が下の客用窓から少しずれた位置にあるのも実車通りである。行先表示機と座席表示機の追加は14次車からなのでこれも1000番台ならではの特徴ではないが、座席表示機は14~21次車までは「スリムライン」という方式だったのに対し、22次車である1000番台以降は幕式に変更されている。模型では差が出る場所ではないけど参考まで。

0番台は車体表記のほとんどをインレタで表現するので印刷表現が全くないが、1000番台(特にN97~99編成)はほぼ固編成だったためか号車番号は印刷済みになっている。

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マイクロ1000番台の1号車後位も同じような印象だが、こちらの行先表示機と座席表示機はモールド表現である。また、ハッチのボルトがゴツイ、客用扉窓がやや小さい、禁煙車表示、車番も印刷済みで特にでかいJRマークも相まって賑やかといった違いがある。

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0番台ほどではないが、今回製品も車体の表記類はそのほとんどを付属インレタで表現することになる。内容は概ねトミックス0系従来製品に付属していたものに準じていて、プロトタイプであるN97~99編成がすべて収録されている。

下の方にある禁煙車表示はマニュアルでは1・2・10・12号車が指定されているが1985年くらいの設定だそうで、N97~99編成は1976年登場、今回製品は(後述するが)食堂車がいわゆる「マウント富士」改造前なので、1979年くらいまでの3年ほどの姿である。一方で東海道新幹線に禁煙車が登場したのは1980年(しかも1号車だけ。今じゃ考えられんな・・・)。厳密に考証にこだわるなら今回製品は禁煙車表示を施さないのが正しい。もちろん、もっとイージーに考えて施してもまったく問題ない。

右側に「付録」と称された号車番号のインレタがある。今回製品は号車番号は印刷済みだし、N97~99編成は入れ替えや短編成化はなかったから無用の長物に思えるが、2000番台も含めた従来製品との混結やコンバート用に便宜を図ったのかもしれない。大窓車の製品であればカプラーが同じだし、基本設計も同じだから連結させても違和感なく溶け込んでくれるが、今のところ大窓の食堂車ユニットがないのでまともな「ひかり」編成は組めない。

右はパンタ脇に付けるガイシパーツで、これも従来製品に付属していたものと同じだ。写真のは増結Aセットに付属していたもので、フル編成で揃えれば16両分ちゃんとある。

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上がトミックス大窓、下が今回製品でドア点検ハッチの比較。モールドは同じような節度感だが模型の見栄えとしては大人しいかもしれない。客用扉脇のハッチのサイズが0番台と1000番台で異なっているのは実車通りである。

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側面の非常口で上が0番台(大窓)、下が今回製品の1000番台(小窓)でこれも1000番台ならではのモノではなく16次車から採用されたものだが、ユニット式になったため枠付きになったのが特徴。トミックスがこの形状の非常口を再現するのは今回が初めてである(0番台は上の形状だし、2000番台には非常口がない)。

他社ではカトーとマイクロの大窓18次車も下のユニット式で再現されているが、今回製品はカトーに近い表現だ。

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床下の仕様も大窓製品と同じく床板と機器類が別体化されたもので、上が0番台、下が今回製品の1000番台でどちらも偶数号車(パンタ付き)なのだが、特に左側が変化していることがわかる。

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これは16次車以降は整流器が2つから1つになったこと再現したもので、サイドスカートのダクトも機器に合わせて再現。マイクロも再現していたもののやや半端だったが、今回製品はその点抜かりはない。この床下を使えば今後16次車以降の大窓後期型出す場合でも完璧に再現できることになる。なお、奇数号車については実車と同様に変更はない。

食堂車ユニットについては他の車両と同じ床下が採用されていて特に作り分けはなかった。サイドスカートと機器類は不可分だから一体型でもいいのに、別体化したからには食堂車ユニットの作り分けまでやるかと思ったが、さすがに特定のユニット専用パーツは厳しかったようだ。

とはいえ、今回製品のみならず大窓後期型まで視野に入れるとはめちゃくちゃ好印象。十分にやっていると評価したい。2000番台の時は床下が1種類しかなかったし、比較的新しいN700系ですら試作車の床下を延々と使いまわしていたトミックス…ホントに同じメーカーが作ったのかと疑いたくなるくらい(苦笑)。

さて、ここからは1000番台ならではの車両について見てみよう。他メーカーも含め、これまでにNゲージで模型化された1000番台の車両は以下のとおりである。

形式分類TOMIXKATOMA(YK41)MA(R14)ENDO
21-1000先頭車(博多寄り)
22-1000先頭車(東京寄り)
25-1000(1700)普通車(パンタなし)
26-1000普通車(パンタ付き・業務用室あり)
26-1200普通車(パンタ付き)
27-1000普通車(食堂車ユニット用)
36-1000食堂車
37-1000ビュフェ車
37-1500ビュフェ車
15-1000グリーン車(パンタなし)
16-1000グリーン車(パンタ付き)

TOMIXは今回製品、KATOは2000番台製品、MAはマイクロエースでYK41(JR東海)とR14(JR西)、ENDOはそのまま。

トミックス(今回製品)はプロトタイプであるN97~99編成の全形式、1000番台の車両をほぼ網羅しており形式代用はない。ビュフェ車は1000番台では37形になったので0番台にあった35形は姿を消している。25-1700は外観上は25-1000と変わらないので模型でも同じ車両となっているが、食堂車ユニットに隠れがちだがこれもN97~99編成でそれぞれ1両づつしかないレア車両。0番台の25-700は大阪万博輸送に備えて増結された10次車なので1000番台による置き換え対象にはならなかった。

37-1500は27次車以降のビュフェ室が拡大された車両で、今のところ模型化はマイクロYK41編成のみ。22次車がプロトタイプのトミックスが唯一模型化していない車両である。一方、マイクロR14編成はトミックスと同じ37-1000になっている。マイクロは26形も26-1200(業務用室なし)と26-1000(業務用室あり)がそれぞれYK41編成、R14編成にしかないのが面白い。また、意外にもマイクロには25-1000がない。YK41編成の食堂車ユニットは(当然)0番台なので36-1000、27-1000はない。

カトーは先頭車がなく15-1000、27-1000、36-1000形のみ模型化という妙な状況になっているが、そもそもの製品が2000番台であり、2000番台には15形、27形、36形がないのでそのままでは「ひかり」編成にできない。この3形式を大窓で作ることもできただろうが、フル編成志向の時代ではなかったし、あくまでも「小窓で揃える」ことにこだわったのだろう。なお、同時期のトミックス2000番台は最初から「ひかり」編成は諦めており件の3形式は模型化していない。

最古のエンドウ製品は時代的にフル編成は想定しておらず、36-1000はもはやユニットもなにもないが、華やかな食堂車とグリーン車は最低限入れたかった、という感じである。

ここからは他社製品との比較を交え、特徴ある車両を見ていきたい。

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まずは食堂車36形。小窓がずらりと並ぶ1000番台はN97~99編成の3両しかなかったレア車両だ。H1~96編成に連結された食堂車は0番台といえど18次車以降で車歴が浅く、置き換え車両は存在しなかった(食堂車が置き換えられる時期はすでに100系の時代である)。

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30年以上の歴史を持つトミックス0系製品では初制作となる36形。当然室内パーツも新規制作だが、食堂と通路の間の壁に窓がなく、いわゆる「マウント富士」と呼ばれる窓開け改造前の状態で再現している。

前述したが、今回製品を厳密に考えるならN97~99編成が登場した1976年から「マウント富士」改造前までの1979年くらいまでの姿ということになる。今後発売されるであろう大窓後期型製品が改造前なのか後なのかが気になる。

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それにしても、がっつり作り込んできたなという印象。実車の写真と比べても、椅子の背もたれの丸みや、テーブルに付けられたわずかな曲線、極めつけは車端の半個室みたいな箇所。仕切りの形だけでなく、ここだけソファー状になっているところまで再現するとは。

ちなみに、実車(リニ鉄の)は「マウント富士」改造後なので通路側の壁に窓がある。

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厨房の作り込みも相当なもの。配膳台の形状、模型の方はちょっとわかりづらいけど厨房の奥に3つ並んだコンロ。手前側にある4つのシンクとその距離感。特に左から3番目のシンク。実車写真では手前から3つ目になるが、シンクの横が少し低くなっている箇所まで再現しているのだ。外からはほとんど見えないのに…狂気を感じるレベル(誉め言葉)。

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通路側から見たところ。公式でも紹介されているが、写真左側の壁にある窪みは手洗い場だそうで。食堂の入口付近の壁にも四角いモールドがあって、メニューでも貼ってあったのだろうか(リニ鉄でもっと見ておけばよかった…)?

絶対トミックスの中の人に車内オタクいるだろw

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上からトミックス今回製品、カトー、マイクロ(YK41製品)。厨房部分の窓、行先表示機の大きさ・位置関係はおおむね変わらないが、搬入口についてはマイクロはでかい。搬入口にある小ハッチの大きさも異なっていて、トミックス<カトー<マイクロという感じ。マイクロは唯一0番台の大窓食堂車となるが、同社の最初期製品の18次車(H65編成)と同じボディということもあって、客用扉の手かけのモールドとか、やや大雑把な部分がある。

窓越しの向こう側の見え方、トミックスは前述のとおりマウント富士改造前で厨房部分も壁で覆われているため、入口部分だけが見通せる。カトーは完全に見通せてしまっているが、そもそも食堂車の内装になってないためである(グリーン車のパーツが流用されている)。マイクロはマウント富士改造後なので客用窓部分が見通せているが、入口部分が見通せない。厨房部分はパーツの構成上のためか一部壁がない部分が見通せてしまっている。なお、マイクロの厨房部分は壁があるだけで中はがらんどうである。まあ、これに関してはトミックスがぶっ飛んでる(誉め言葉)だけなのだが。

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36形は食堂車ゆえに他のパンタ車と同じ機器構成にできなかったため、ユニットの相手方も専用車が必要になった。それがこの27形で、東京寄り車端にある多目的室の2つ並んだ窓と電話室の小窓が特徴。こちら側が食堂車と隣接し、従業員の休憩所なんかもあったようだ。36形と同じく、小窓が並ぶ1000番台は3両のみ存在していた。

余談だが、36形の一部は後に「こだま」編成に転用されるにあたり普通車改造されて26-1900となったが、そのペアも引き続き27形が務めていた。

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27形の特徴となる多目的室&電話室部分も上からトミックス、カトー、マイクロで比較。カトーは窓の透明度がイマイチながら、窓の位置関係や大きさについては2020年時点で最新のトミックスに引けをとっていない。多目的室内に座席が見えているのはご愛敬か。トミックスもさすがに27形専用の室内パーツではないし(25形と同じ)、車端部ゆえに室内灯の保持部分があるため多目的室の壁についてはそこまで徹底していない。

マイクロは27形も初期製品からのボディ流用のため、ハッチ類のモールド、2つ窓の間隔がやや広い、電話室の小窓が大きいといった点で大味な印象だ。ただ、動力車に設定されているため専用の室内パーツが用意しやすかったのか、多目的室の壁は再現されている。

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ビュフェ車は0番台の35形から、立食式でビュフェスペースが縮小された37形になった。トミックスでは2000番台の37形は存在したが1000番台は初。模型としてはマイクロのR14編成製品以来となる。

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ビュフェ部は2000番台の37形とはもはや比べ物にならない造形。テーブルの形はもちろんだが、厨房内も36形に負けじと凝った内容になっている(0番台の35形でもここまでやってない)。模型の厨房内に2つのシンクがあって、その左にコンロらしきモールドまで再現。実車写真では左の1段下がっている個所、ここにコンロがあったのだろう(写真の撮影時点ではビュフェは非営業)。

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山側の博多寄りで上がトミックス今回製品、下がマイクロのR14編成製品。搬入口の大きさは36形と同様にマイクロの方が大きい。客用窓の形状はマイクロは丸っこい感じ。

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搬入口にある小ハッチの大きさを見る限り、トミックスの方が実車に近そうだ。ただ、客用扉下のステップの穴はマイクロにありトミックスにはない。前者はボディからサイドスカートまで一体型なので専用設計できるが、後者はサイドスカートが他車と共用だからである。

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今度は海側東京寄り車端部(よく見たらマイクロは脱線しとる…)。マイクロの電話室小窓は前述の27形と比べると、37形は後年新規制作されたこともあり適正な大きさになっている。ただし、モールドはあるものの窓ガラスは入っておらず塗装表現であり、27形とは差が出ている。27形が連結されるYK41編成製品は37-1500なので電話室小窓がなく、同一編成中で差が出てしまうことはないが…トミックスの方はあまりツッコミどころがなくてマイクロの話ばかりになってしまった(苦笑)。

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手前から27形、36形、37形。公式でもアナウンスされているが、この3形式は屋根板を新規制作していて、パネルの間隔の微妙な違いなどもきちんと再現している。200系のリニューアル品はビュフェ車も屋根が共用化されてリニューアル前よりも悪くなっていたのとは大違いだ。

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上が36形、下が37形。それぞれ上がマイクロ(グレーのラインが走っている方)、下がトミックスで比較。どちらも屋根上は専用設計になっているが微妙に差がある。36形は0番台と1000番台の違いかもしれないが、37形はどちらも1000番台。実車の写真がないので何とも言えないが、これまでの結果からするとトミックスの方が実車に近いのかなぁ…

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ラストはグリーン車15形で上がカトー、下がトミックス。カトーの客用窓は間隔が狭くやや横長。車掌室窓はカトーはサッシのモールドはあるものの無着色で、その点トミックスは銀色が入っているし、窓上の雨どいも表現している。発売時期に差がありすぎるのでこの差は仕方がないか。

トミックス0番台では1等車時代とグリーン車時代に対応するためインレタ表現となり印刷が一切なかったが、今回製品はプロトタイプ編成がグリーン車後の時代なのでグリーン車マークが印刷済みとなった。今後発売されるであろう大窓後期車もそうなるはずだ。

●総評
トミックスの0番台大窓製品は非常に良い出来で、連結部の見た目を差し引いても筆者的にはNゲージ0系では最良と評価している。それでも、過去の製品と比べたら圧倒的に良くなったとはいえ、大窓初期車としては最大公約数的な部分が残っていたのも事実で、例えば限定品の一番列車(1・2次車)は厳密なディテールでは実車と異なる部分も見られたものだった。

その点、今回製品は1000番台、N97~99編成としては再現度98%くらい行ってるんじゃないだろうか。編成を特定しやすい有利さはあったかもしれないが、間違いなく現時点ではもっとも実車の再現度が高い0系製品だといえる。1000番台の特徴を余すことなく盛り込んだボディだけでなく、屋根上や床下なども細かいディテールをきちんと作り分けており、食堂車やビュフェ車では尋常ではないほどのこだわりを見せてくれた。しかもそれは今回製品だけではなく、大窓の後期型にもそのまま使えるものだ。非常に先見のある設計だと感服せざるを得ない。

今後の展開として大窓後期型の再現度にも期待できるが、今回1000番台のボディをすべて制作したことの意味は大きく、大窓後期型で大窓の食堂車ユニットが制作されれば大窓+小窓の製品にも期待できそうだ。よほど癖のある改造車とかが含まれた編成でなければ、ほとんど再現できるレベルになるだろう。

さらに、この仕様で2000番台もリメイクされたらなとも思う。今持っている旧製品の2000番台がいらない子になってしまいそうだけど、持ってるバリエーションすべてを置き換えてもいいやと思えるほど個人的には評価が高かったりするのだよ、トミックスの0系大窓と今回の1000番台。2000番台も絶対いい出来になるって。

この調子でドクターイエローT3編成、さらにはT2編成も是非!

マイクロエースから100系9000番台(X1編成) 大型JRマーク付 発売決定

マイクロエースから100系9000番台(X1編成) 大型JRマーク付の発売が発表された。

●A3454 新幹線100系9000番台(X1編成) 大型JRマーク付 基本8両セット 35,000円
●A3455 新幹線100系9000番台(X1編成) 大型JRマーク付 増結8両セット 34,000円

(税抜き表示)

2020年5月発売予定。

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マイクロエースからすでに発売されている100系9000番台。奥がX1編成、手前がX0編成の製品。

トミックス以外では久々の新幹線模型の新製品となるが、基本的には前述の従来製品のバリエーション展開で、今回は「大型JRマーク付き」ということでJRになりたてのX1編成、パンタ削減改造前がプロトタイプとなる。時代的には従来製品のX0編成時代とX1編成晩年時代の中間に位置する(1987~1991年くらいの姿)。

模型の出来自体は従来製品と大差ないと思うけど、年々価格が上がるマイクロ製品。とうとう税込なら70,000円オーバー、2割引の店でも55,000円以上にまでなってしまった。前作のX0編成(2012年12月発売)は税抜きで約46,000円。いくらなんでも高すぎて華麗にスルーです(個人的に国鉄時代のX0編成が好きで、すでに持ってるというものあるけど…)。

あと、マイクロからは以下の製品も発売予定。

●国鉄 新幹線0系 0/1000番台 お召列車(青帯入) 8両セット 34,000円
(税抜き表示)

公式でも詳細がリンク切れで発売時期も未定という状態だが、従来製品の「Vマーク」お召しではなくヘッドライトに青帯が入った後期のお召仕様となる。0番台と1000番台混成の8両編成となるが(そのうち0番台は1両しかない)、こちらも価格的には100系と同じレベルなのでスルー決定。



…さて、去年の10月以来の記事ということでサボったなと。最後に買ったのが去年6月のN700S、しばらく新幹線模型の動きがなかったし、模型以外のネタならないわけでもないがどうもモチベが上がらなくて。

でも、先日発売のトミックス0系1000番台は購入済み。ざっと見たが再現度はかなり高い製品という印象。近日中にレビュー公開予定。なお、1月発売予定のN700A(F編成)はスルーするのでレビューはやりません。ご了承のほど。

0系1000番台をタムタムで買ったらくじ引き6回引けて以下の景品をゲット。

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5回はハズレ(うまい棒)だったが、TORM製(タムタムのブランド)のコントローラが当たった。調べてみたら性能的にはトミックスの「N-1001-CL」に匹敵する7,000円以上する製品と判明し、くじ運ゼロの筆者にしては異例の引きの良さだ。最近家で走らせてないので、たまには走らせろということだろうか。
プロフィール

友輝

Author:友輝
SpeedSphere管理人
(メインサイト(休止中))

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