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カトー 700系(C8編成仕様) レビュー

2020年8月、カトーより700系のリニューアル製品(C8編成に仕様変更)が発売された。

・10-1645 700系新幹線「のぞみ」 8両基本セット 20,800円
・10-1646 700系新幹線「のぞみ」 8両増結セット 14,600円

(税抜き表示)

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カトーの700系が主に印刷まわりのリニューアルを受けて発売。

カトーの700系は1999年12月に発売され、実に20年以上にわたるロングセラー製品である。実車の営業運転開始から1年経たずに発売され、車番にC3編成がチョイスされていたとおり、プロトタイプは必然的に最初期編成(C2~11編成)であった。ほどなくトミックスからも700系が発売されたが、JR西日本のE編成、B編成がプロトタイプだったのでバッティングしていなかった。実車が引退間近となった2019年にトミックスがC編成を発売するまで、カトー700系はJR東海のC編成を再現した唯一の製品だった。もっとも、トミックスは後期型がプロトタイプなので厳密にはバッティングしていない。

2005年11月には初代製品の基本セット8両+増結セット8両という構成から、基本セット4両+増結セット4両+増結セット8両という構成に変更した第2世代となった。特に基本セット4両は「ベストセレクション」というスターターを意識したウインドウ付き紙パックで発売された。模型自体は初代製品と変わらないものの、付属ステッカーに「AMBITIOUS JAPAN!」ロゴが追加された。また、同時期の700系スターターセットは両先頭車が印刷済みの「AMBITIOUS JAPAN!」仕様になっていた。

今回紹介するのは実車が引退した後に発売された、第3世代製品である。基本的には従来製品と同じだし、700系のレビューはメインサイトでがっつりやったつもりなので、そちらも参考にされたい。今回は変化点の紹介がメインである。

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セット2つを横に並べた写真撮り忘れたorz。

第2世代製品では「ベストセレクション」と称していたセット構成が、今回製品では初代製品と同様の基本セット8両+増結セット8両に戻った。増結セットは初代と第2世代で同じ品番だったが、今回は新規に振りなおされている。

カトーはいつもそうだが、編成順に並び替えることはできないので不便。基本セットのケースに1・2・11~16号車、増結セットのケースに3~10号車を収納するようにすれば多少マシにはなるが。

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パンタカバーとケーブルヘッドガイシは従来通りユーザ取り付けとなる。「ベストセレクション」だった第2世代の4両基本セットはスターターを意識してかこれらのパーツが取り付け済みだったが、今回は初代製品の仕様に戻ったといえる(第2世代も増結セットは自分取り付けだった)。

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ステッカーは一新された。上は行先表示類、下は車体装飾用ロゴ。

行先表示と座席表示は製品世代で内容が異なっており、初代製品は「のぞみ」で指定席のみ、第2世代は「自由席」が追加(実車は2003年10月から)、今回製品は「ひかり」「こだま」他も追加され、発売時期の実車の状況(今回製品は実車が廃車されてしまっているが)に合わせて変化しているのが面白い。

下の車体装飾用ロゴは第2世代からの「AMBITIOUS JAPAN!」を引き継ぎつつ(円形ロゴは行先表示側にある)、さよなら運転仕様の装飾を盛り込んでいる。トミックスよりも先駆けたことになるが、そもそも初期車のカトーではプロトタイプが異なるし、ステッカーはNゲージサイスではどうしても厚みを避けられない。あくまでもにお手軽に、遠めに見ればのなんちゃって仕様である。こだわるなら(これ書いてる)今月下旬のトミックスの「真・さよなら仕様」を待った方がいい。

この装飾ステッカー、車体に貼ることを想定して光沢が抑えられたものになっている(第2世代では光沢があるものだった)。なお、装飾の方はASSY販売はないとのこと。

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左が従来製品(第2世代)、右が今回製品。

今回製品は基本的には印刷表記と製品構成の変更が主なので、模型の基本的な部分・・・ボディなどは全く変わらない。屋根上の滑り止めを印刷で表現している点も同じだ。

塗装については今回製品は若干アイボリー寄りになっている。また、光沢は結構増しているようだ。

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左がトミックス、右がカトー今回製品。どちらもJR東海のC編成だが、トミックスは後期型、カトーは初期型とプロトタイプが異なる。造形その他の違いはメインサイトでもやっているのでそちらを参考にしてほしい(メインサイトではトミックスはB編成で比較しているが、基本的にはC編成も同じである)。ピュアホワイトに近いトミックスと比較すると、カトーはよりアイボリーに見える。

この写真でもわかるように、カトーは側面窓の引っ込みが大きく段差が目立つ。この引っ込みは同時期に発売された100系「グランドひかり」や500系でも見られるもので、カトーの新幹線の元祖である0系、200系の方がよほどツライチに近かった。今回製品のボディが従来製品と同じである以上、当然改善は見られない。

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左が従来製品、右が今回製品。

今回製品は前面窓上部に「C8」と編成番号が印刷されるようになった。ワイパー印刷やヘッドライト周りのリム印刷は相変わらず省略されている。また、今回製品の光沢の強さがここでもわかると思う。

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上から初代製品、第2世代、今回製品の1号車乗員室扉周辺。カメラのオートホワイトバランスの都合で色調の違いが出てしまっているのはスルーしてほしい。

この写真を貼るとき、どれが初代でどれが第2世代かわからなくなってしまった。今回製品は車番を見れば判断できるが、初代と第2世代は(後述するが)ヘッドライトを点灯させるくらいしか判別ポイントがない。禁煙マークの位置が微妙に違うのは個体差レベルの問題だろう。

そんなわけで、3製品並べてもボディはまったく、印刷もほとんど同じであることがわかる。今回製品では前面窓に「C8」が印刷されるようになったが、乗務員室扉窓や車体下部には印刷がない。もっとも、これは他のカトー新幹線製品に共通する仕様である。

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上から初代製品、第2世代、今回製品の1号車後位。今回製品は検電アンテナが少し傾いているが後で直した。

ここも3世代で違いはほとんどないが、今回製品はC3編成からC8編成になったので車番が変わった。JRマークが相変わらず赤にしか見えないのも変わらない。

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こちらはトミックスのC編成で、JRロゴはきちんとオレンジしている。車番と禁煙マークはインレタで再現する。靴ズリの印刷はトミックスでは伝統的に省略されている。また、こちらは後期型なので客用扉窓の高さがカトーと異なっている。

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実車の車番とJRマーク(しかもC1編成だ)。

客用扉下端と青帯の位置関係からすると、カトーは低め、トミックスは高めという感じ。点検ハッチと細い青帯の位置関係はトミックスに軍配が上がる。カトーはやや上方寄りだし、ついでに四隅のボルトも省略されている。

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上から初代製品、第2世代、今回製品の3号車。

今回製品最大の特徴であり改善点として、3・7・11・13号車にある「700」ロゴマークがこれまでのステッカー表現から印刷済みになったことだろう。今回製品のみ禁煙マークが印刷されているが、これについては後述しよう。

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上からカトー今回製品、トミックス(C編成のものだがB編成も同じ)、実車。

700系のイラストの主線が強いのはどちらも同じで、「700」の文字はトミックスよりも青味が強く、後ろの楕円形も黄味が強い。色調についてはトミックスの方が実車に近い。トミックスは細かいながらグラデーションも再現しているし、文字もはっきりしている(どのみち肉眼で読めるサイズではないが)。

カスレについてはカトーの方が優れているように見えるが、トミックスとて個体差レベルの問題だろう。今回のカトーは一応水準にはなっていると思うが、それ以上のモノもない気がする。

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今度は大きさや位置を確認。ロゴマークについて言及する前に、行先表示機、座席表示機ともにトミックスは横長、というより上下寸法が足りない気がする。この写真からではわかりにくいがトミックスの行先表示機はやや車端寄りで、実車はカトーとトミックスの中間くらいの位置である。

なので、行先表示機からロゴの距離感はおのずと差が出てしまうが、客用扉と青帯から位置関係はどちらもいい線言っているし、大きさも適切だと思う。

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ちなみに、従来製品のステッカーで表現したロゴマークはこんな感じ。位置は筆者の腕の問題だが、ロゴ自体もそもそも小さかったのだ。ステッカーなので段差も目立つ。

カトー700系が発売された頃はまだまだ新幹線のロゴマークは珍しく、700系ほどカラフルで凝ったデザインのものは印刷表現が難しかったのかもしれない。それでも、こうして見るとステッカー表現で済ませるのはどうなんよ?と改めて思う。

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上から初代製品、第2世代、今回製品の8号車。ここも車番以外変わらないが、色が赤いとはいえJRロゴは今回製品が一番良い気がする。

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上から初代製品、第2世代、今回製品の11号車身障者対応扉付近。ここも車番以外変わらないが、初代製品のみ禁煙マークがない。

メインサイトにも書いたが、700系はその歴史のなかで禁煙車が増加している。トミックスはインレタだからユーザが自分で設定すればよいが、印刷済みのカトーは発売時期に応じて変化している。1999年12月発売の初代製品は2001年10月までの3・4・10・11・15・16号車が喫煙可能だった時代(身障者対応車が喫煙可能だったというのは意外な気がする)、2005年11月の第2世代は2006年3月までの11号車が禁煙車となった時代、今回製品は実車が引退した後ということもあり、2011年3月以降の10・15・16号車のみが喫煙可能の晩年の姿となっている。

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最後にヘッドライト、上から初代製品、第2世代、今回製品。

初代製品は白色LEDだったが(当時はまだ珍しかった)、第2世代から電球色となり今回製品にも引き継がれている。ただ、今回製品はただでさえ眩しかったのにさらに光量が増した気がする。手元で点灯させた感じだと、今回>初代>第2世代という明るさの順だった。

●総評

今回製品はロゴマークの印刷が追加されたとはいえ、良くも悪くも模型自体は従来から変わっておらず、再生産に近いものである。個人的には700系は冒頭で書いた通りメインサイトでレビューしていることもあって、改めての評価は特にない。ロゴマークについても、そもそもステッカーだったのがどうかという気がするし、その印刷クオリティも平凡なレベルで、とびぬけて「改善」された印象はなかったのが正直なところだ。ぶっちゃけ、ここまでレビューしなくても・・・と思ってるくらいで。

もっとも、そろそろ古くなったとはいえ定評ある製品だし、大きな欠点であったロゴマーク問題が解決したことは確かだ。700系C編成の初期型を再現した模型はこれだけなので、後期型であるトミックスのC編成が出た現在でも価値はある。また、トミックスは通常版が約42,000円、今度出る「さよならセット」が約45,000円なのに対し、今回製品は約36,000円程度(いずれもフル編成)と、価格が安いのも利点だろう(こちらは動力車1両というのも大きい。走行性能はその分バーターになるが・・・)。

それにしても、カトーはあまり新幹線やらなくなってしまったなと。マイクロともども、新幹線に関しては覇気を感じられなくなってしまった。トミックスだけがひとり気を吐いていて、メジャーどころはもちろん、マイクロさえ食いかねないマニアックな製品までリリースしている状況だ。実際、ここ最近トミックス製品しかレビューしてないような・・・

鉄道模型の中でも新幹線は売れ筋だと思うが、そんな中カトーは新幹線をどうしていきたいのか。(ブランドが違うが)「とれいゆ」や「500EVA」のような明確な「タイプ製品」、今回製品のようにプロトタイプは異なるけども、さよなら運転仕様をステッカーで「気軽に」再現させるとか・・・細かいことは気にせず、イージーに楽しむライトユーザ向けへのシフトをひしひしと感じる。そうなるとマニアである筆者はよほどのこと(新形式とか)がなければ買わないし、レビューが少なくなるのも必然である。

もちろん、それはそれでいいのだが、N700系の全周幌カプラー、E2系などオープンノーズカプラーなど、欠点も多くちょっとやりすぎな感はあったけれども、あのころのカトーの意欲的なイケイケ感は間違いなく輝いてはいた。当サイトはそもそもカトーvsトミックスの比較から入ったこともあるけど、両社のガチ対決もたまには見てみたい気がする。ただ、最近のカトーを見てるとN700Sすらやらないような気がして不安&不満・・・

トミックス 200系東北・上越新幹線(100系顔F編成) レビュー

※今回から画像クリックで少し大きめの画像が別タブで表示できるようになりました。

2020年7月、トミックスより200系東北・上越新幹線(F編成)が発売された。

・98701 JR 200系東北・上越新幹線(F編成)基本セットA 18,400円
・98702 JR 200系東北・上越新幹線(F編成)基本セットB 18,400円
・98703 JR 200系東北・上越新幹線(F編成)増結セット 16,200円
(税抜き表示)

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100系顔の200系F編成がトミックスから発売。先に発売のH編成と異なり、窓下の細いピンストライプがないのが外観的特徴。

●実車について(200番台の考察含む)

メインサイトのレビュー記事と重複してしまうかもしれないが、200系F編成は12両編成、ビュフェ車連結、240km/h対応の200系の中でも最もスタンダードな編成である。

1985年登場の純正のF編成(1000番台)のほか、E編成(0番台)からの改造編入車、275km/h対応編成、長野新幹線対応編成など多彩なバリエーションが存在し、その中でも先頭車が所謂100系顔(シャークノーズと呼ばれることも)の編成が存在していた。100系顔の200系といえば16両編成、ダブルデッカー車2両組み込みのH編成(レビュー)が思い起こされるが、F編成のうちF5・8・40編成の3本も100系顔の先頭車が割り当てられていたのだ。100系顔ながらH編成と異なり、窓下のピンストライプがなく、先頭車以外はほかのF編成と見分けがつかない。200系が数多く走っていた時代において3本しか存在しなかったため、なかなか見ることができないレア編成でもあった。

200系の100系顔先頭車は新造車の2000番台と、中間車(225形、226形)から改造された200番台が存在していた。2000番台は広いシートピッチ1040mmが採用されているが、200番台も窓割を変更のうえ1040mmに改造されており設備が揃えられている(ただし、222形は座席が1列少ない)。それぞれ編成の割り当ては以下の通り。()内は種車。

221-2001(新造)・222-2001(新造) → H3編成
221-2002(新造)・222-2001(新造) → H4編成
221-201(225-43)・222-201(226-104) → H5編成
221-202(225-7)・222-202(226-42) → H1編成
221-203(225-8)・222-203(226-44) → H2編成
221-204(225-25)・222-204(226-62) → H6編成
221-205(225-26)・222-205(226-64) → F5編成
221-206(225-1011)・222-206(226-1017) → F40編成
221-207(225-69)・222-207(226-1019) → F8編成

200番台先頭車は7組存在し、4組がH編成、3組がF編成に組み込まれていたことになる。また、H編成分はすべて0番台からの改造なのに対し、F編成分は1000番台からの改造車も存在していることがわかる。

F編成3本のうち、F5・8編成は純正のF編成、F40編成はE編成からの改造編入車であり、200番台先頭車との関係性は以下のようになる。

F5編成 先頭車221-200、222-200ともに0番台からの改造車、中間車はすべて1000番台
F8編成 先頭車221-200は0番台、222-200は1000番台からの改造車、中間車はすべて1000番台
F40編成 先頭車221-200、222-200ともに1000番台からの改造車、中間車はすべて0番台

2000番台先頭車は2組しかない中、東北新幹線のフラグシップたるH編成を6編成組成したいなら(厳密にはH編成の前身にイメージアップ編成というのがあるがこここでは割愛する)、2000番台と同等の先頭車両をあと4組用意する必要があったというのはわかる(新造ではなく中間車からの改造になったけれども)。しかし、F編成の3本、特にF5・8編成は1000番台の車両をわざわざ0番台からの改造車で置き換えているわけで、別にそんなことしなくてもいいように思える。

この辺の事情を明確にした資料を見たことがないので、あくまでも筆者の想像になってしまうが、おそらく当時行っていた編成組み換え、特にG編成、K編成といった短編成化により先頭車のねん出が必要であり、その結果の産物だったのだと思う。

200系の先頭車改造はあくまでも100系顔でシートピッチ1040mmの200番台のみであり、それ以外の設計(丸顔やシートピッチが980mmのまま)は存在しない。一方、先頭車が不足していたG編成は「あおば」「とき(当時は各駅停車)」向けの高速化改造もされていないいわば「格落ち車」であり、K編成は自動連結機構を組み込む関係で丸顔である必要があった(922形ドクターイエローの試験結果が反映されているといわれている)ため、どちらも200番台先頭車を組み込むには適していなかったと思われる。

つまり、不足しているのは丸顔の先頭車なのに、作れるのは100系顔の200番台先頭車しかないという状態だった。

そこで、無難なF編成に200番台先頭車を割り当て、そこから丸顔の先頭車をねん出する、という手法になったのだと思われる。F5・8・40編成になったのは単に検査周期等の都合でそうなったのだろう。ちなみに、ここからねん出された丸顔の先頭車はすべてK編成、F5編成はK2(後のK22)編成、F8編成はK5(K25)編成、F40編成はK7(K27)編成にそれぞれ組み込まれた。

余談だが(ここまででも十分余談な気もするが・・・)、他に中間車から先頭車に改造された例は0系と100系がある。0系はR編成化の際に21形、22形にそれぞれ3901、7951の2組が存在し、200系以上に改造組み換えをやっていた0系にしては少なく感じるが、そもそも先頭車の両数が多かったのでこれで事足りたのだろう。しかしながら、3901は0番台グリーン車からの先頭車改造だったので違和感ある外観だったし、7951は最後にリバイバルカラーに戻された3本のうちR67編成の先頭を勤めており、粒ぞろいであった。

100系はV編成「グランドひかり」をK・P編成にする際に先頭車改造が発生している。中間車125形と126形にJR東海のG編成廃車から発生した先頭部を結合し、LCXアンテナの名残で外観上判別できた。5050番台が付番され全部で13組の改造が行われた。これは200系200番台よりも多い。

新幹線に限らず、中間車を先頭車に改造するのは「短編成化かつ、その本数を増やしたい」場合である。0、100、200系以外ではそうした要求がなく、先頭車化改造された例はない(500系は短編成化だけで本数増加はない)。また、その逆の先頭車から中間車に改造された例は新幹線では一つもない。

話を200系に戻そう。F編成はK編成への改造やE2系などの増備により徐々に本数を減らしていき、100系顔の編成についてはF5編成は2003年3月、F40編成は2002年8月に廃車となった。しかし、F8編成は案外長生きし、F19編成とともに最後のF編成の一角を担っていた。冒頭に100系顔200系はレアと書いたが、晩年期は時刻表で「Max」無しの12両編成さえ特定できれば1/2の確率だったので案外狙いやすくなっていた(数は少ないが、筆者もそれで撮影できた)。そんなF8編成も2006年6月に廃車。最後のF編成、F19編成が廃車になったのはその約1年後となる2007年5月だった。

●模型の概要

200系F編成の模型はマイクロエースからF19編成、F8編成、F52編成(ピンストライプ塗装の丸顔という超マニアック編成)が発売され、トミックスからは2015年3月にF編成の製品が発売されていた。

トミックスの200系は古くから存在しているが、2013年2月発売のK編成が旧製品をベースにしながらも、ボディの新規制作等でテコ入れした第2世代となり、F編成はさらにヘッドライトの大きさが適正化されたものとなった。その流れをくむH編成に次いで発売されたのが今回紹介するF編成の製品である。

トミックスにはすでにF編成の製品が存在していたが、今回製品では構成が以下のように変更された。

・基本セットA(6両)
・基本セットB(6両)
・増結セット(6両)

旧製品は基本セット(6両)と増結セット(6両)という構成だったので、基本セットが2種類になったことが大きな変更点となる。基本セットが複数というのは100系X・G編成、0系大窓の「ひかり」「こだま」編成以来のもので割と珍しい。

※2020/9/13 読者様より100系X・G編成は基本セットではなく増結セットが分かれているとのご指摘をいただき、記事を修正しました(そういえばそうでした・・・)。

基本セットAは先頭車が丸顔(0系顔)のセットで、スタンダードなF編成(F4~F21編成)を組むのであればこちらと増結セットを組み合わせる。カプラーの形状変更、新型モーターが採用されているものの、基本的には従来製品の一部仕様変更という位置づけである(そのためか従来製品は廃止となった)。一方、基本セットBはトミックスでは初めての100系顔先頭車(200番台)が含まれたセットとなり、増結セットを組み合わせることでフル編成となる。

増結セットは共通で、従来製品同様5~10号車が含まれている。車番を無視すれば基本セットのスワップでお手軽に丸顔・100編成を両方再現できるかもしれない。なお、前述のとおりカプラー・モーターが変わっているため、従来製品のセットとは互換性はないので要注意だ。

今回紹介するのは基本セットB、100系顔先頭車の製品である。丸顔の方は従来製品をすでに持っているのでスルーした。前述のとおり、従来製品とほとんど違いはないと思うのでメインサイトのレビューを参考にされたい。したがって、今回は基本セットBの200番台先頭車のF編成がレビュー対象である。

また、100系顔F編成の製品は2006年8月にマイクロエースからF8編成がすでに発売されているため、こちらとの比較も少々行っていきたい。

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マイクロエースの謎キャッチコピー・・・

●各部レビュー
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前述のとおり、基本セット6両と増結セット6両で構成され、写真のように編成順に収納できる。

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マニュアルは基本セット、増結セットで共通なことが多いなか、今回は基本セットA・B、増結セットでそれぞれ専用のものが用意されている。

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ビニール袋に入った状態のままなので見づらいが、付属パーツはパンタカバーと動力台車を外すための棒で、左1つが増結セット、右2つが基本セットに含まれる。

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200番台先頭車(写真上)はトミックスでは初の製品化となる。写真下は同社のH編成の2000番台先頭車だ。

今回製品はぱっと見、2000番台と同じ造形に見えるが、前面窓先端からノーズにかけて少し長くなっている。運転室側面窓の横幅も若干異なるし、窓上の手すりも再現されるようになった。正直なところ、どちらが実車に近いのかは断言しかねるが、2000番台はCADさえないであろう35年近く前に発売された100系試作車の先頭部の流用である。ちょっと思考停止気味ではあるけど、ここは最新の今回製品の方がより適正化されたと信じたい。

後述する2000番台のヘッドライトのツリ目については、この角度であればそれほど違和感はないと思う。また、造形自体は今でも通用するレベルにある(最新製品とそれほど差がない)というのは、発売時期を考えるとなかなか大したことではないだろうか。だからこそ、つい最近まで使いまわされてきたのかもしれないが・・・

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左が今回製品、右が2000番台。前述したノーズの長さ、側面窓の差がわかると思う。また、前面窓前についているフィンの幅が異なり、今回製品は幅が広くなっている。※長さは別ウインドウの上辺をあてがって測ってやるといいかも

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左が今回製品、右はマイクロF8編成。ノーズの長さはほぼ同じで、マイクロの側面窓はトミックス2000番台ほどではないがやや幅がある。窓上の手すりは実装されている。フィンのモールドは控えめながらも今回製品同様幅が広い。

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左が今回製品、右はカトー100系。ノーズ長さはカトーの方がやや短いが、トミックス2000番台ほどではない。側面窓はマイクロと同じくらい。窓上の手すりは省略されている。前面窓前のフィンはトミックス2000番台に近く、端まで達していない。

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実車のフィン形状。リニ鉄の100系(X2編成)だが、前面窓の幅にかなり近い。200系(2000番台、200番台)も同じようなものかと思いきや、2つ下の200系200番台の写真を見るともう少し広いようだ(左右の柱いっぱいまでフィンが達している)。

この件、いろいろ写真を調べると100系、200系ともに柱のあたりまで目いっぱいの幅を持つものがほとんどで、上のX2編成の「やや狭い」タイプは他にはX1(X0)編成でしか確認できなかった。ある本に載っていたX6編成は目いっぱいの幅だったので、X編成の初期車のみ異なっていたのかもしれない。

いずれにせよ、フィンに関して実車に近いのはトミックス今回製品とマイクロという判断になる。

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実車写真はH編成だが、H1編成なので200番台先頭車である。

すでにアナウンスされている通り、今回製品の(文字通りの)目玉は、長らく使いまわされてきた100系試作車のツリ目ヘッドライトがようやく修正されたこと。ノーズの造形はもちろんのこと、ヘッドライトのサイズ、位置ともに文句のつけようがない再現度である。ただし、ノーズ下裾部にある分割線は省略されている。

また、ちょっと気になるのがノーズ部(100系顔でも光前頭というのだろうか)から肩部にかけてのパーティングライン。光のあて具合によってはそれなり目立つので、少々残念に思えた。

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次はヘッドライトを「どアップで」比較する。上が今回製品、下が2000番台。

今回製品(パーティングラインがやっぱ目立つ・・・)はすぐ下の2000番台と比較しても、明らかにツリ目が修正されたことがわかる。プリズム自体も細くなり、周囲にリムの印刷も追加されてまさに「100系量産車(200系だけど)のヘッドライト!」になったと思う。一方、2000番台(100系製品も)はリム込みの大きさでプリズムが設計されているようだ。

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マイクロは水平に近く(一応、量産車もわずかにツリ目ではある)、リム印刷もやや太くて、ヘッドライト全体のシャープさに欠ける感じ。100系の先頭部は裾部に少し「垂れ下がり」があるが、他社と比べるとそれが足りなくて、ヘッドライトがやや下方にあるように見える。

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カトー100系は1997年に発売されて以降、2006年にマイクロF8編成が発売されるまで、量産車100系のヘッドライトを再現した唯一の存在だった。リム印刷はないものの、その細長さや位置は最新のトミックスと比較しても引けを取っておらず、発売時期からしても大したものだと思う。ただ、目尻の曲線が若干安定していないようだ。

ノーズ下裾部にある分割線を再現しているのはカトーのみで、V編成特有のモーター冷却用のダクトもモールドで表現されている。トミックスの100系K編成(V編成からの改造)製品はここを印刷で表現していた。ダクトはともかく、それ以外の分割線は100系でも使えるはずなのでここはトミックスもモールドにした方がよかったのでは?と思う。

お次は"Face to Face"で比較だ。

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左が今回製品、右がトミックス2000番台。ツリ目の修正がよくわかる。

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左が今回製品、右がマイクロF8編成。マイクロは車高が少々高い模様。前述のとおり、ヘッドライトが今回製品よりも水平に近い。そして、太く感じる。

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左が今回製品、右がカトー100系。カトーは若干車高が高いものの、ヘッドライトの位置や大きさ・細さは今回製品にかなり近い。

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正面から今回製品(左)と2000番台(右)を比較。2000番台はそのレビューで「ダブルデッカーにNSマークついてそう」と評したが、今回製品はまさに「100系量産車(くどいようだが今回は200系)の顔」であり、グッと落ち着きが出たように思う。

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先頭部の裏側(左が2000番台、右が今回製品)。アナウンスされていたヘッドライトプリズムをはじめ、共通しているパーツが全くない。2000番台は遮光とコクピット表現をダイキャスト製のパーツでまかなっているが、外すのめんどくさいのでそのまま撮影してしまった。

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床下は2000番台からの流用かと思いきや、室内パーツとその保持方法、コクピットや光源を覆うパーツなど根本的に変わっている。2000番台はそのレビューで「骨の髄まで旧製品と同じ」と評したが、今回製品は見た目こそ従来製品に合わせながらも、根本的に設計が変わったフルモデルチェンジ品といっていい。共通部品はもはや検電アンテナ、台車、可動幌くらいしかない。

ただし、先頭車だけがものすごく進化した代償として、室内灯は中間車とは違う品番が指定されているので要注意だ。基本セットBでは先頭車のみ0733、中間車は0731が指定されている。基本セットAであれば先頭車は中間車と共通の0731で大丈夫だ。

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真横から今回製品とマイクロを比較。これまでトミックスの200系(100系もだが)は例のダイキャスト製の遮光パーツのせいで乗務員室扉窓の向こう側が見通せなかったが、今回製品はすっきり見通せるようになった。ノーズ形状はそれなり差があって、トミックスは前面窓からノーズ先端までなだらかな曲線を描いているが、マイクロは結構山なりでずんぐりした感じある。また、前述したがマイクロはノーズ下部の垂れ下がりがやや足りず、その分スカートが分厚い感じがする。

色調はトミックスは鮮やかなアイボリーだが、マイクロは少し血色が悪い印象を受ける。ただ、実車は全検直後でもなければそんなに鮮やかじゃない(汚れていればなおさら)と思うので、どちらが正しいと断言できるわけでもない。緑の帯はトミックスの方が角度が寝ていて、これはノーズ形状の違いなども影響しているだろう。

マイクロの利点として、側面の編成番号が印刷済みで、乗務員室扉下のステップに銀色が入っていること。トミックスも窓や床下部の「F8」は付属インレタで再現できるものの、窓ガラスの「乗務員室」までは無理だ。

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H1編成なので200番台先頭車になる(向こうに100系G編成も写っている)。先ほどは思考停止気味に「最新の方が正しいに違いない」みたいなことを書いてしまったが、この側面からの画を見る限り、運転室側面窓の幅と乗務員室扉との位置関係についてはマイクロの方が近いかもしれない。いや、同社2000番台やカトー100系と比べても軒並み幅が狭いと判定されたことを考えると、今回製品は側面窓の幅がわずかに足りていないのかもしれない。

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1号車後位を比較。上が今回製品、下がマイクロ。

ハッチや雪切室のルーバーからモールドの強弱にかなり違いがあることがわかると思う。とにかく濃ゆいマイクロと、節度感のトミックスという感じだ。行先表示機・座席表示機はトミックスは新規制作のボディとはいえ、中間車は従来製品と同等なのでそれにあわせてモールド表現になっている。一方、マイクロはガラス表現になっている。

印刷に目を向けると、号車番号とJRマークしかないトミックスに対し、マイクロは形式番号や禁煙マークも印刷済みである。ただし、トミックスも後述のインレタでどちらも表現できる。それにしても、マイクロの号車番号はかなりでかく、N700系くらいあるような・・・

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試しに比較したところ、確かにN700系Z0編成と同じくらいの大きさだった。なお、トミックスのZ0編成は落成時の姿なので、量産車の号車番号よりもやや小さい。のちに全検で量産車と同じサイズに揃えられた。

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今回製品の印刷はグリーン車マーク、JRマーク、号車番号くらいしかなく、その他形式番号などの表記はおなじみの付属インレタで表現する。

編成および形式番号はF5・8・40編成すべてが収録されているが、F40編成のみ「付録」となっている。後述するが今回製品は1000番台ベースなので(増結セットが丸顔先頭車と共通していることもある)、0番台ベースのF40編成では特に屋根上に異なる点が出てしまうためだ。それでもH編成(こちらは0番台ベース)から屋根板持ってきたり、237形(ビュフェ車)の電話室や厨房部の小窓を気合で再現したいという猛者のために収録しました、ということだろう。イージーに「なんちゃってF40編成」に仕立ててもなんら問題ないが。

F5編成とF8編成という話であれば、これも後述するが先頭車の屋根上の状況からしてF8編成をチョイスする方が実車に近くなる。

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禁煙・喫煙マークについては時代に応じた2パターンを表現できる。禁煙車の表示が文字なのかピクトなのか(あと適用号車も)の違いになるが、200系の原色塗装はおおよそ2005年くらいから徐々にピクトに変わったようだ。

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2005年11月に撮影したF8編成。「12」の横にピクト化された禁煙マークがある。

F5編成は2003年、F40編成は2002年にそれぞれ廃車になったので、どちらもピクト時代はなかったはずである。したがって、ピクトの禁煙マークを適用するなら2005年以降のF8編成しかないことになる。ちなみに、丸顔F編成のインレタにはF19編成用の「グレー地の禁煙マーク」が含まれていたが、こちらのセットには含まれていない。あれは2007年3月の全車禁煙化によるものなので、その施策前に廃車になったF8編成(2006年6月廃車)には適用されないからである。

ちなみに、今回製品の基本セットA(丸顔)のインレタはF10・12・17・19編成が収録されており、従来製品とほぼ同じ内容のようだ。

また、マイクロのF8編成は廃車直後の2006年8月発売だったため、禁煙マークはピクトで再現している。

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どちらも今回製品で、上が先頭車、下が中間車。先頭車200番台はシートピッチが1040mmに拡大されたため、下の中間車(シートピッチ980mm)と比べて客用窓の幅がやや広い。また、下の中間車のように200系では客用窓と車体下部の小ルーバーの位置が一致しているが、200番台ではズレていることがわかる。

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221-200で今回製品(上)とマイクロ(下)の比較。窓下ルーバーのズレはマイクロも再現していて客用窓の位置関係はトミックスと大差ないのだが、ピッチが狭くなっている左から4、5番目は若干の差があるようだ。

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ビュフェ車237形で今回製品(上、ちょっとホコリがついちゃった)とマイクロ(下)の比較。マイクロは右側の客用扉の右に電話室の小窓があり、厨房部分にも横長の小窓があるとい差異がある。この窓はE編成またはF1~3編成(もしくはそれらをベースにした改造車)にあったもので、F4編成以降からは省略されている。したがって、マイクロは(他製品との共用が理由だと思うが)F8編成としては実車とは異なっている。トミックスはF5・8編成としては正解。そもそもプロトタイプではないが、F40編成に仕立てる場合は小窓が必要になる。

マイクロの他の200系製品にも言えることだが、奇数号車の床下のダクトが金色で印刷されていて派手である。

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222形の業務用室窓から座席が見えてしまっている。室内パーツ共用化のせいか他のトミックス200系でも見られる現象だが、今回製品は「ここは客席だ」といわれてもおかしくないほどの妙な収まりのよさである。

写真は省略したが、マイクロは業務用室の仕切りも再現していてそのへんう上手くやっている。

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左が今回製品、中央がF編成従来製品、右がH編成ですべて奇数号車(パンタなし)中間車の屋根および車端部である。

今回製品は従来製品のF編成と同様に1000番台なので、車端のガイシは中央に配置され、屋根肩部の高圧線はすべて海側(写真左側)に配置されている。一方、H編成は0番台なのでガイシが少し片側に寄っており、土台部分は丸形、高圧線は山側(写真右側)にある。1000番台であるF5・8編成は今回製品の屋根上で問題ないが、0番台であるF40編成はH編成の屋根上になるのが正しい姿である。H編成から屋根板もってくれば再現できなくはないが・・・

可動幌の仕様は同じだが、今回製品ではカプラーがフック・U字型に変更された。前述したが、これが理由で従来製品とは互換性はなくなっている。カプラーだけ交換すれば連結できることはできるが、モーターも新型になったので2両の動力車が協調するかどうか。

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どちらも今回製品で上が中間車、下が先頭車(221形)。中間車は従来製品1000番台と同じということで、屋根板も同じものが使われているが、今回製品の先頭車はボディが新規なので屋根板も新規制作されている。

先頭車の屋根板は空調装置の円形ルーバー内ファンの表現が強くなったが、H編成と異なり中間車との質感の違いはほぼ感じない。車端側の空調装置のモールド(分割線など)が異なっているが、どうやらこれは0番台の形態のようだ。F5・8編成の先頭車は0番台から改造されたものなので正しい。F40編成の先頭車は逆に1000番台からの改造なので若干異なることになる。

ただし、「模型で作る東北新幹線」様の資料を見る限り、中間車時代のガイシは撤去されているものの土台は残されていたようだ(形状は0番台の片側に寄った丸形)。模型では残念ながら、マイクロともども省略されている。H編成の屋根板から「おゆまるコピー」等で持ってくればなんとかいける?

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こちらは222形の車端で1000番台の形態になっている。221-200が0番台、222-200が1000番台の形態ということは、今回製品はF8編成がプロトタイプであることがわかる。F5編成の場合、ここが0番台の形態にはるはずだ。F40編成であればこれで正しい。

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今回製品も従来のトミックス200系と同様、形状がよいパンタカバーが付属する。200系にパンタカバーが付き始めたのは1990~1992年くらいで、200番台先頭車のF編成登場は1991~1992年。パンタカバー無しの時代もあったかもしれないが、まあ付けておいた方が無難だろう。

マイクロのパンタカバーは角ばっているうえに銀色塗装で、トミックスのパンタカバーが出てからは違和感あるものになってしまった。また、マイクロは滑り止めを濃いグレーで塗装しているので屋根上が全体的に派手な印象。

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パンタは搭載しているが使用していない箇所(1・2号車間、11・12号車間)には側壁がない小型のパンタカバーが付く。傾斜が立っている「D」と寝ている「C」のパーツが用意されており、従来製品のF編成、K編成、H編成でも共通だ。

※メインサイトのH編成レビューにて、このパンタカバーについて筆者が勘違いしていた点がありH編成の記事を一部訂正しました。

マニュアルでは両方とも「D」を使用するように記載がありパーツの数も充足しているが、「お好みで」ではなくきちんと「C」を使うことがあるので(まあ別に「お好み」でもよいかは各自ユーザの判断だが)、200系の「小型」パンタカバー取り付けの基本は以下であることを示しておきたい。

・パンタ付きの車両には番台問わず「D」を付ける。位置も同じ。
・対になる車両が0番台の場合、「D」を車端からやや離して付ける。
・対になる車両が0番台以外の場合、「C」を車端に寄せて付ける。
・改造により番台が変わっている場合、種車の番台に準拠する。

今回製品(100系顔F編成)の場合、以下表のようになる。()内は改造前の番台。
1号車2号車11号車12号車
F5編成221-205(0)226-1021215-1005222-205(0)
カバー形状DDCD
F8編成221-207(0)226-1036215-1008222-207(1000)
カバー形状DDCD
F40編成(参考)221-206(1000)226-121215-25222-206(1000)
カバー形状CDDD


202008_Tomix200F-45.jpg
というわけで、F5・8編成の1・2号車間(上)、11・12号車間(下)のセッティングはこちら。1号車は0番台(ベース)なので「D」を使用して車端から離す。11号車は1000番台なので「C」を使用して車端寄りにする。パンタがある2・12号車は「D」を使用して位置は同じ、という感じだ。参考までにF40編成の場合、上の写真とは逆の付き方になる。

続いて灯火類のチェック。

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前述のとおり新設計のプリズムとなったが、ヘッドライト、テールライトともに十分明るく、シャープに光っている。

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テールライトは特に顕著だが、先端側が明るくなる傾向があるようだ。普通に見る分には気にならないレベルだし、2000番台のように目尻の部分で光が透けてしまうこともない。

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前述のとおり床下やコクピットパーツは大幅な変更を受けており、灯火類についても4灯が光るような精巧なものに大幅刷新。

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0系大窓もそうだったがプリズム越しに4灯表現はさすがに厳しい感じ。露出や角度を変えたりして撮影してみたが、これくらいが4灯に見えるかな~の限界だった。ただ、100系実車は他の形式と比べてもあまり4灯が独立してはっきり光っている印象はなく、全体が煌々と光っている感じなのでこれでいいのかもしれない。

●総評

なんといっても、トミックスの100系顔のヘッドライトが初めて修正されたというのが大きく、今回撮影してもとにかくまともな100系量産車の顔になったとひしひし感じる。それは、同じ顔を持つ今回製品、200系F編成にもいえることだ。

特に先頭車はフルモデルチェンジに近い仕様変更を受けており、パーティングラインが目立つとかノーズ下部のモールドがないなど不満がないわけではないが、これまでの同社100系顔の製品、特にH編成の2000番台とは比べ物にならないくらい良くなったと思う。正直、発売時期に差がありすぎるとはいえ、カトーの100系にすら勝っている印象である。

中間車についても定評ある2013年以降の仕様で形式代用もなく、特にF8編成としての再現度は非常に高い製品である。これまで唯一のF8編成製品だったマイクロも当時は悪くないなと思っていたが、筆者的には今回製品で置き換えてしまおうと思うほどに。マイクロのF8編成は再生産の記録がなく今後もされそうにないし、もはや「競合製品」ではないのかもしれないが、再生産されたとしてもよほどトミックスが嫌いとかでなければ今回製品を勧めたい。

今回製品自体に対する不満はほとんどないのだけど、これまでのトミックスの100系顔の経緯を考えると「遅きに失しすぎた」感はある。

100系顔F編成を軽く見るつもりはない。ないけど、メインストリームたる100系、200系ならH編成を差し置いて、ややマイナーな編成が生まれ変わった100系量産車顔の初採用例というのはスッキリしないものがある。これまでも手を付ける機会は何度もあっただろうし、もっと早くやってくれてりゃな、と。

・・・それでも、ようやくまともな100量産車顔、しかも現時点ではベストといえるようなものを作ってくれたのだ。だから、未来を見よう。

やってほしいのはやはり、本家100系への反映だろう。特に16両編成(X・G編成)は2004年発売のさよなら運転仕様で一部車両の新規制作が行われたものの、通電カプラーではないどころか、車端の窓入れなし、パンタも固定式と製品が古すぎる状態なので、さすがにテコ入れが欲しいところ。先頭車もLCXアンテナを再現したり、食堂車も0系1000番台バリの再現を期待したい。

16両編成3本とか経済的には地獄だけど(汗)、なんならカトーの独壇場「グランドひかり」もやっちゃっていっすよ。6両編成のK編成にも容易に反映できるだろうし。

200系H編成については今回製品の200番台を使えばH1・2・5編成が容易に再現でき(H6編成は11号車の形態が異なる)、実際製品も出そうだが、個人的にはやはりH3・4編成の2000番台先頭車を作り直してほしいと思う。こちらも16両編成で財布に厳しい内容だが、基本セットだけで従来製品の先頭車だけ置き換えできればなと思う。

トミックスから0系大窓初期型・博多開業時編成ほか発売決定

トミックスから0系大窓初期車の博多開業時編成などの発売が発表された。

・98730 0系新幹線(大窓初期型・ひかり・博多開業時編成)基本セット(8両) 22,800円
・98731 0系新幹線(大窓初期型・こだま)基本セット(8両) 22,400円
・98732 0系新幹線(大窓初期型)増結セット(8両) 20,000円

(税抜き表示)

2021年1月発売予定。

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リニ鉄の36形食堂車。

トミックス0系に新たなラインアップ。従来製品の大窓初期車をベースに製品構成を見直し、博多開業時の「ひかり」編成と「こだま」編成に対応。従来製品や先日発売された200系F編成(※現在レビュー執筆中、近日公開予定です)もそうだったが、基本セットが2種類に共通の増結セットという構成になる。

0系大窓の従来製品は「ひかり」と「こだま」の基本セット(前者は「こだま」共通編成も想定)のどちらか6両+増結セットAの4両を基本として、2両セットの増結セットBを12両編成なら1つ、16両編成なら3つ組み合わせる構成だったが、今回は全セットが8両セットなり、どちらかの基本セットと増結セットを組み合わせればフル編成になるシンプルなものになっている。

なお、従来製品は生産中止がアナウンスされており、今回のセットに置き換えられる形となる。

大窓初期車ということで、模型の設計は従来製品同様の(細かなディテールを無視すれば)1~13次車がプロトタイプとなるが、「ひかり」編成は博多開業時と銘打ってるとおり、食堂車ユニット27形+36形が組み込まれる。このユニットは今年1月発売の1000番台にも組み込まれていたが、今回は標準的かつ多数派の大窓車のユニットがトミックスでは初めて制作されることになる。ただし、35形が1両だけになったので、初期12両編成、大阪万博後の16両編成は組めなくなってしまった(増結セットを2つ買えばできなくはないが・・・)。

今回の製品で組める「ひかり」編成は1・2次車由来のH1~30編成となる。H31~40は初期車ではあるが「こだま」変則編成から編入された関係で4号車の26形が400番台になっているため適合しない。H41編成以降は方向幕が装備されているためやはり適合しない。

一方、「こだま」編成は従来製品から想定編成が変わっておらず、単純に製品の置き換えということになる。「こだま」16両編成化が始まった1972年から12両編成への減車が始まった1984年くらいの、ビュフェ車2両入りの編成(売店車は今回もない)が再現できる。なお、後年はビュフェ車ユニットの位置が変わっている。

さて、筆者は次の0系製品は大窓後期車で、そこで大窓食堂車ユニットが初めてお目見えすると予想していたので、初期車+食堂車は意外な感じがした・・・ていうか焦らすねぇ(苦笑)。

今回も車番だけでなく号車番号もインレタのようなので、ある程度編成をカスタマイズできる余地は残してそうだが、セット構成がシンプルになった分、製品が想定している編成を組むのが無難かもしれない。前述のとおり、食堂車が入る前の編成を組むには増結セットが2つ必要だったり、余剰車両が出てコスパが悪くなる。

従来製品と想定編成が変わらない「こだま」編成はともかく、「ひかり」編成は従来製品を持ってる状況でさらに買うかどうか迷うな・・・新規制作の食堂車ユニットが気になるのは確かだが、それ以外の車両は初期型のままだから。食堂車ユニットのみ方向幕、その他はサボという組み合わせも面白いんだけどね。それでも食堂車ユニットはいずれ発売されるであろう、大窓後期型で楽しめばよい気もするし。

基本セットだけ買って、すでに持っている従来製品に食堂車ユニットを組み込んでコンバージョンで楽しむ方法もあるが(モーターが変わっているようだが、食堂車ユニットは非動力なので問題ない)、一部ユニットの入れ替えがある=号車番号が変わることになるので、そのへんを無視する必要があるし、なにより2両のためだけに基本セット買うというのは・・・

先般発売の1000番台を組み合わせるとNH編成が組めそうだが、これも互いのセットを複数組み合わせる必要があるので余剰車が大量に発生して不経済極まりない。

したがって、下手なことをせず素直に製品名どおり「大窓初期車の博多開業時」を組むのが一番よさそうだ。この編成が刺さらないということであれば、大窓後期車やNH編成の発売を待つしかない。筆者は・・・超悩み中。発売までまだ時間があるのでその時に改めて検討かな。

続・N700Sの量産車と確認試験車の比較

ひとつ前の記事でN700Sの量産車と確認試験車を比較したが、実車の営業運転も始まり「新幹線EX」最新号を見て新たに分かったこともあったので、補足、追記として記事を書いてみた。

今のところN700Sは4本稼働しているようだが、時刻表では従来のN700系と区別がつかない。ただし、公式twitterで運用列車が公表されているので助かる。

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上がJ5編成(量産車)、下がJ0編成(確認試験車)。※以降、比較写真は量産車、試験車の順にしている。

一応、前回の記事には書いたことだが、前回は量産車山側の写真がろくに撮れなかった(14番線だった)ので、3号車山側喫煙ルーム窓の有無を改めて画像にて。

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上がJ3編成、下がJ0編成。

10号車海側、11号車寄り車端の業務用室の窓が量産車では省略された。山側では窓が2つ並んだ喫煙ルームの向かい側にあたる箇所である。

この業務用室の窓はN700系から続くものだが、X0(Z0)編成では喫煙ルームがなく、両側とも乗務員室で窓の開閉ができるタイプだった。

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上がJ3編成、下がJ0編成。

少しわかりづらいかもしれないが、量産車では11号車の客用窓のうち、行先表示機真下の窓から2つは間隔がやや広い。理由は身障者対応座席の回転機構の都合とのこと。J0編成は等間隔である。

写真ではJ3編成とJ0編成で多目的室の窓の有無に差があるように見えるが、この窓は山側にしかないからそう見えるだけで(J3編成は海側、J0編成は山側)、量産車もJ0編成も窓の大きさ含めて同じである。

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真横から量産車の該当箇所。右二つが身障者対応座席の窓で間隔がやや空いていることがわかる。

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該当箇所を車内側から見たほうがわかりやすいかもしれない。シートピッチと壁パネルの間隔に差があることが明らかだ。

普通車の標準シートピッチ1040mmに対して身障者対応座席はシートピッチ1138mmで、グリーン車の1160mmに迫る広さである。一方、11号車の他の座席は先頭車と同じ1023mmにして帳尻を合わせている。そのため、定員や座席数は従来のN700系から変わっていない。

今回は量産車の屋根上も撮れたので改めて比較してみる。以降、上がJ3編成、下がJ0編成。言及していない号車は特に差異が見られなかった。

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J0編成の2号車にはパンタ及びパンタカバーの取り付け準備工事(取り付け実績はある)があり、滑り止めはそれを避けるようなパターンになっているが、量産車には準備工事はなくシンプルで素直なパターンになっている。

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5号車のパンタ部分比較。量産車ではスロープ部分の滑り止めが細くなっている。また、スロープ手前の滑り止めは量産車では左右がつながったパターンになっている。車端の投光器はJ0編成のみ搭載。

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8号車は基本的には変わりないが、7号車寄りにあるハッチ(赤枠)周辺の滑り止めパターンが異なる。ちなみに、N700系はJ0編成と同じパターンになっている。

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10号車はJ0編成は大型ジョイントが採用されているが、量産車は他の号車と同じ通常の形状になっている。この車両にも屋根上にハッチがあるが(写真右側)、滑り止めはどちらも同じパターンである(N700系から変わっていない)。

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5号車と異なり、12号車のパンタカバーはJ0編成でも量産車同様、滑り止めが細いものになっている。また、屋根上の滑り止めも同じパターンになっており量産車も左右でつながってない。

J0編成には架線計測用センサーと思われる装置があるが、そのうち量産車でも搭載される編成が出てくるかもしれない。カバー内の照明は見た感じ数も位置も同じようだ。

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15号車も2号車と同様の差異があるが、J0編成は16号車寄り車端の検電アンテナの準備工事がない。

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量産車の車端の床下には号車番号が表記されているが、撮影当日に一部のG編成、X編成でも確認している。いずれもきれいな状態だったので全検のタイミングで表記を追加しているらしく、N700S量産車ならではのモノではなさそう。J0編成にもいずれ表記されるだろう。X12編成がすでに廃車になってしまったし、N700系初期車はこの表記をつけることはないかもしれない。

なお、JR西の車両(K・F編成)ではこの表記を確認できなかった。

前回の記事から改めて量産車とJ0編成の差分を羅列するとするとこうなる。

1.先頭部の台車カバー切り欠きの有無
2.ロゴマークの濃さ(ただし、J0編成全検時に量産車と同じになる可能性あり)
3.2・15号車のパンタ設置準備工事有無
4.3号車山側の喫煙ルーム窓の有無
5.検電アンテナ形状
6.中間車台車カバーの分割線2本タイプの配分
7.10号車海側の業務用室窓の有無(New!)
8.11号車身障者対応座席部分の窓ピッチ(New!)
9.5号車パンタカバーのスロープ部分滑り止め太さと屋根上の滑り止めパターン(New!)
10.8号車屋根上ハッチ周辺の滑り止めパターン(New!)
11.10号車のジョイント形状の違い(New!)
12.12号車パンタカバーの架線計測用センサー有無(ただし、量産車に波及する可能性あり)(New!)

N700Sの量産車とJ0編成の比較は以上。

それ以外に今回の調査で「気づい」ちまったことがあって・・・

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上がN700S(J0編成)、下がN700A(G1編成)。車体の腰部(青帯の下)にエッジが入っていて影になっているんだけど、N700系(N700Aでも初期N700系でも同じ)には濃い影筋があるのに対し、N700Sはフラットな影になっている。また、窓の上にあるエッジもN700Sは強い。

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N700AはG1編成運用前の試運転時であり、純粋に「影」であり「汚れ」ではないはずだ。窓上のエッジの強さの差がここでもわかる。

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この写真だと上部のエッジはあまり差はないように見える・・・他の写真だとけっこう差がわかるのだけど。一方、車体下部の影はわかりやすいと思う。
N700S確認試験車の模型レビューで書いた、N700Sでは肩の部分が角ばっていることがこの写真からもわかるが、それ以外にも車体断面形状にはわずかながら違いがあったようだ。

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模型(トミックスJ0編成)ではどうかというとN700系の形状だった。実車ではできないことだが、逆さまにすると影の部分がハイライトになる。肩部の違いはよく再現していたが、側面部の形状違いまでは無理だったようだ。N700Sはボディがすべて新規制作だから共用化や手抜きとかではなく、気付かなかったのだろう。

正直わかるかー!ってレベルなので、この件についてはメーカーを責める気はしないな。写真まで載せて書いといていうのもなんだけど(汗)、黙ってりゃ気づかない程度の差ではあるし・・・

N700Sの量産車と確認試験車の連荘を見たので比較する

新PCのため6/27に秋葉にマザーボード買いに行ったのだけど(久々の自作機、マザボ以外のパーツは調達済みだった)、当日Twitterを見てみたらN700S量産車の試運転列車が東京駅に来るとの情報が。しかも立て続けにJ0編成(確認試験車)も来るという。

この情報は秋葉に着いて昼食中に得たものだったので、本来の目的を後回しにしていったん東京駅に戻ることになった。N700Sは逃げてしまうがマザボは逃げない。最近発売された人気品だけど・・・大丈夫だよたぶん(不安)。

営業運転を数日後(7/1)に控えた当日、試運転の量産編成はJ5編成で14番線に12:00~12:12の間停車するという。20分がデフォの東海道新幹線にしては短い。一方、J0編成は16番線に12:21~12:39の間に停車予定とのこと。

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14番線ということは一番東北新幹線寄りのホームになる。今の東海道新幹線のホームはホームドアがガッツリ装備されてしまったから、まともに撮りたいなら東北新幹線の23番線ホームから狙うことになる。とはいえ、下回りはフェンスがかぶるし、有楽町寄り(1号車側)は写真のようにLCXアンテナの干渉を避けるシールドがある。ホーム上からしか撮れない19番線よりはマシなものの、撮影条件は正直よろしくない。

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また、東北新幹線側の列車の入線状態も重要で、こちらは12分がデフォなので入れ替えが激しい。

J5編成が12:00到着予定なので、12:00発の「やまびこ・つばさ」が少々被る感じか。問題は次の「はやぶさ・こまち」も17両編成でホームいっぱいに停車すること。これが併結がない10両編成だと東海道新幹線側は16~11号車くらいまでオープン状態になってくれるのだが・・・時間もあまりなさそうだし、ちょっとツイてない。

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こればかりは時の運、不満ばかり言っても仕方がない。東海道新幹線14番線の列車を撮るなら、東北新幹線ホーム23番線の神田寄りがベストということになる。E3系の隣にいるのはX45編成で、J5編成はこの次に入線してくるはずだ。

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奥に見える案内表示に怪しい回送列車が。Twitterの列車番号と一致していたので、これがJ5編成で間違いないだろう。

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N700Sの量産車キター!!数日後には営業運転に入るわけだし、これからいくらでも目にする存在だろうが初のお目見えにテンションが上がる。12:20に到着後、バトンタッチするようにE3系が動き始める。新幹線は本当に秒単位で正確に動いている。

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「やまびこ・つばさ」が出発し、いよいよオープンタイム。さっそくディテール撮影の開始だ。ここからは16号車側からJ0編成と比較しながら見ていきたい。

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上がJ5編成(量産車)、下がJ0編成(確認試験車)。

先頭形状や扉・窓には変化はないが、台車カバーの形状に差がある。J5編成は切り欠きがあるが、J0編成は切り欠きがない。N700系には切り欠きがあったので、量産車で仕様が戻ったといえる。なお、J0編成は緊急事態宣言が出る前の3月下旬ごろに撮った写真である(この時も14番線だった)。

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上がJ5編成、下がJ0編成。

16号車後位も車体には変化はないが、検電アンテナは量産車ではイルカの背びれのような形状が採用された。東海道新幹線では0系以来の伝統の形状(後の形式では角度は寝ていってる)が初めて変更されたことになる。一方、J0編成は「伝統の形状」のままである。

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上がJ5編成、下がJ0編成。

J5編成はフェンスが悔やまれるが、中間部の台車カバーについては変更はないようだ。正直、浜松工場でJ0編成を初めて見たときから変わっていない気がしていて、頻繁に形状のテストがされているイメージがあったので意外だった。N700系のめくれあがったような形状からすると大人しくなった感じがする。

ただし、カバーにある分割線は1本と2本のものが存在しているがその配分は変わっている。J0編成は2・7・8・9・10・15号車が2本タイプとなるが、量産車は4・5・8・9・12・13号車に変更されている。

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上がJ5編成、下がJ0編成。

奇数号車にあるロゴマークは基本的なデザインは同じだが(大きさが違うように見えるが、トリミングの仕方が悪いだけで同じサイズである)、量産車では色が濃くなった。もっとも、J0編成も全般検査のタイミングで量産車と同じになる可能性はある。

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15号車の喫煙ルームは山側のみとなったため、窓も山側のみに設置されている。

この写真を撮った後、次の「はやぶさ・こまち」の入線放送が入る。いつもより早くね?「やまびこ・つばさ」出発後、体感1分くらいしか経ってない気がする。14号車の形式写真を撮るまでが精いっぱいだった。

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やむを得ず14番線に移動する。パンタ周りに投光器はなかった。

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ホームドア越しで難しいが、J5編成の記号番号を確認。N700Sの増備予定は今のところ40編成程度。N700系がそうだったように、あっという間に増殖するのだろう。

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8・9号車間のケーブルヘッド、各号車間ジョイントもJ0編成から変化はないようだ。量産車の屋根上もいずれ撮りたいが。

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3号車の海側車端には喫煙ルームがないので窓が省略されている。

N700系以降に設けられた喫煙ルームだが、過去の物騒な事件を受けて3号車と15号車の海側は救護用品などを格納する業務用室に変更されており、この施策後に増備された車両では窓が省略されている。N700系からの3・15号車の喫煙ルーム窓の状況をまとめると以下のようになる。

・X編成(JR東海)、K編成(JR西日本)は全編成、海側山側ともに窓あり
・G編成(JR東海N700A)はG1~46編成は海側山側ともに窓あり、G47~G51編成は山側のみ窓あり
・F編成(JR西N700A)はF1~17編成は海側山側ともに窓あり、F18~F24編成は山側のみ窓あり
・J0編成(N700S確認試験車)は15号車は山側のみ窓あり、3号車は海側山側とも窓なし
・J編成(N700S量産車)は山側のみ窓あり

N700SのJ0編成と量産車の差異で、窓・扉配置にかかわるものは3号車山側の喫煙ルーム窓の有無が唯一のものとなる※次の記事で補足あり。なお、N700系の試作車X0編成は喫煙ルームの窓がそもそもない。

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上がJ5編成、下がJ0編成。

J0編成でも1号車のアンテナはフィン形状のタイプで、16号車とは異なっている(結構前からそうなっている)。

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また、J0編成の1号車は先頭部の台車カバーも量産車と同じ切り欠きありになっており、前述のアンテナの含め1号車はかなり量産車に近い仕様であることがわかる。

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上がJ5編成、下がJ0編成。灯火類は内部構造を含めて変更点はないようだ。

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上がJ5編成、下がJ0編成(汚れすぎ・・・)。

量産車では前面窓上の手すりが省略された。前面窓上の手すりはそれこそ0系の7次車(1968年)以降から東海道新幹線系統の車両にはずっと装備されてきたもので(500系、800系にもある)、J0編成で終焉を迎えることとなった。

ちなみに、東北新幹線系統では前面に手すりがあるのは200系、400系(窓下にある)、E1系M1・2編成のみで、それら以外は手すりがない。

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J0編成の2号車にはパンタ設置準備工事の凹凸がある。当然、量産車では省略されている。

試作車が存在すると量産車との差異がやはり気になってしまうわけだけども、N700Sは少なくとも車体については完成されているといっていいN700系からあまり変わっていないので、確認試験車の段階でそもそも量産車に近いものだったといえる。したがって、従来の形式と比べるとそこまで差異はない印象だった。

1.先頭部の台車カバー切り欠きの有無
2.ロゴマークの濃さ
3.2・15号車のパンタ設置準備工事有無
4.3号車山側の喫煙ルーム窓の有無
5.検電アンテナ形状
6.中間車台車カバーの分割線2本タイプの配分
※次の記事で補足あり

屋根上はまだ撮れていないので上記以外の差異がまだあるかもしれないが、J0編成の製品がベースとなるトミックスの量産車製品が発売されたとしても、そう変なことにならなさそうだ。

この記事をアップするころにはすでにN700Sの運用は始まっている。コロナに注意しつつ引き続き撮影、調査していきたい。

この後は再び秋葉に戻った。外国人観光客がいない分は減っているものの、開いてる店も人出もすっかり戻った印象だった。給付金が出た影響からか、狭いパソコンパーツ店(工房、ツクモ、アーク、ドスパラetc)はどこも密密。コロナ的に大丈夫だろうか・・・

お目当てのマザボは無事買えた・・・が、初期不良品をつかまされた模様orz。
交換しにまた行かなくちゃ・・・
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